ある日のこと。
会社からの帰り道で、近くにある「クリスタルタワー」というビルを見たら、その横に綺麗な「三日月」が出ていました。
「きれいだな」
と思って写真に撮ったところ、何やら、昔「ウルトラマン」に出て来た、
「バルタン星人」
のように見えました。

それで思い出したのが、
「シルヴィ・バルタン」
です。フランスの歌手ですね。1960年代にヒットした「アイドルを探せ」を歌っていた人。今はもう70代でしょうか。
もしかして「バルタン星人」というネーミングは、「シルヴィ・バルタン」から取ったのではないか?
そう思って調べてみたら、やはり同じようなことを考えている人が居ました。
そして、2013年にシルヴィ・バルタンが来日した際に、何と円谷プロの「バルタン星人」を作った人たちが、
「バルタン星人命名の真実」
について対談している様子が、載っていたのです!
http://www.billboard-japan.com/special/detail/465
『ウルトラマン』の監督だった飯島敏宏さんは、こう語っています。
「私はバルタン星人のアイディアを説明して、当時、紛争地帯だったバルカン半島のように、大変な状況で故郷がなくなりつつあるバルタン星から来た星人だといった。そうしたら、説明が難しい、分かりにくいという返事なんです。例えばケムール人は煙のごとく消えてしまう星人だから、ケムール人。簡単でしょう。確かにバルタン星人は、ちょっと由来が難しい。それで誰の発言かは忘れましたが、今、人気のシルヴィ・バルタンから取ったことにしようという話になった。私も『アイドルを探せ』とか、ヒット曲は知っていましたから、宣伝になるのだったら、それでいいじゃないかと言ったんです。」
「ウルトラマン」の出演者の一人であった女優の桜井浩子さんは、
「そういった経緯は当時、出演者である私たちは全然知りませんでしたね。」と答えていました。
「バルタン星人」のネーミングは、紛争が絶えないヨーロッパの火薬庫と呼ばれた、
「バルカン半島」
から取ったのか。でも、
「今、人気のシルヴィ・バルタンから取ったことにしよう」
という意見もやはりあったのですね!
飯島さんは、さらにこう語っています。
「それともともとね、私はフランス語のような響きがいいと思って、最初は『バルタン』を『ヴァルタン』と書いていたんです。バルカン半島は『B』で始まるにもかかわらず、綴りも『B』じゃなくて、『V』で始まるようにして。今はいつの間にか、バルタン星人の英語の綴りは『BALTAN』になっていますが。そういった意味では、当時の私の気分としても、バルカン半島より、(バルタンの綴りが『V』で始まる)シルヴィ・バルタンに近かったのかも知れません。」
のだそうです。
でも、「シルヴィ・バルタン」も、本当は「シル『ヴィ』」と「V」は「ヴィ」にしているんだから、「バルタン」ではなく「『ヴァ』ルタン」のはずなのに。不思議です。


