きょう(7月7日)の「かんさい情報ネットten.」の人気コーナー「お出かけコンシェルジュ」の「コロナ対策版」である「おでかけしないコンシェルジュ」、お取り寄せやテイクアウトの料理と店などを紹介するのですが、そのナレーションの中で、こんな文章が出て来ました。
「専門店だからこそ、こだわり抜かれた味付けになっているんです」
・・・これはおかしいですね、「抜かれた」が。これは、
「こだわり抜いた」
しかありません。
でも、なぜ「抜かれた」になってしまうんでしょうね?
あ、そうか、
「選び抜かれた」
と混同したんだ!つまり、ディレクターは、こう言いたかったのでしょう。
「選び抜かれた素材を使った、こだわり抜いた味付け」
これが混ざってしまったのではないでしょうか?
「素材」の立場から言うと、料理人に「選び抜かれた」わけですからOKですが、
「味付け」は「専門店(料理人)」が「こだわる」のですから、「受身形」の「抜かれた」ではなく「抜いた」でないと、
「誰がこだわり抜いているのか」
が分からなくなります。
うーん、やっぱり、言葉は省略しないで、一つ一つ「こだわり抜いて」ほしいなーと思いま
した。あ、そもそも、
「こだわる」
というのは、
「一つのこと・小さなつまらないことに執着する。悪いことを指す」
ので、
「プラスイメージで『こだわり抜いた』と使うのはおかしい」
という方もいらっしゃるとは思いますが、私はその点に関しての「こだわり」はありません。「誤用」に厳しい『岩波国語辞典』も、この使い方については、
「近ごろの用法」
とは一言、書いてありますが、「誤用」とはしていません。
(2020、7、7)


