6月26日の「日経新聞」の見出しに、
「ギグワーカー労災対象に」
とありました。この、
「ギグワーカー」
という言葉は、初めて目にしました。
「ギグ」
という言葉は、
「ミュージシャンが、普段は一緒に演奏していない他のミュージシャンと一緒にプレイすること」
に使われているようなイメージがありましたが、よく意味は知りません。
日経新聞によると、「ギグワーカー」とは、
「ネットを通じて企業や個人から仕事を請け負う労働者」
のことを指すようです。いわゆる「フリーランス」の人。462万人いるそうです。そのうち「本業」の人が214万人、「副業」の人が248万人で、日本では原則、フリーランスの人は「雇用保険」に入れないのだと。まあ、「常時雇われていない」からこそ「フリーランス」なわけですからね。でも、仕事でケガや病気になった場合は治療費がもらえる「労災」は、特別加入制度で建設業の「大工」や「左官」などは「一人親方」として入れるのだそうです。内閣官房はこれを「ウーバーイーツの配達員」や「俳優」等にも広げる検討を始めるのだといいます。「ウーバーイーツの配達員」や「俳優」も「ギグワーカー」なのかな?
英和辞典で「ギグ」を引くと、
*「gig」
(1)1頭立ての軽装無蓋2輪馬車。ギグ。
(2)船載小型ボート(船長専用)。
とありました。『広辞苑』では、
*「ギグ」軍艦・船舶に備えた細長い小形のボート。オールまたは帆で推進する。
とありました。物足りない。
『精選版日本国語大辞典』には、4つ意味が載っていました!
*「ギグ」
(1)四人こぎ以下の短艇。
(2)船舶に附属する救助用のボート。
(3)一党の馬でひく二輪馬車。
(4)ジャズなどのポピュラー音楽で、コンサートやライブハウスなどでの仕事。
あ、これだ、この4番目。この「ギグ」ってのは、私が聞いたことがある「ギグ」です。
「ギグワーカー」は、このうちのどの意味から派生したんでしょうね?
グーグル検索では(7月2日)、
「ギグワーカー」=15万6000件
でした。その中で6月22日の「日経新聞」の記事で、石鍋仁美編集委員が「ギグワーカー」を説明していました。それによると、由来は、
「ギグは音楽用語でライブハウスなどに居合わせた演奏家らの軽い合奏を指します。そこから転じて単発で短期の仕事に従事する人を『ギグワーカー』、そうした働き方を前提に成り立つビジネスや市場を『ギグエコノミー(経済)』と呼ぶようになりました。」
あ、やっぱり「音楽用語」の「ギグ」から来てたんですね!
職種としては、
「商品やウェブサイトのデザイン、映像の編集、プログラミング」
など「ネットを通じて出来る仕事」のほか、代表的なものとして紹介されていたのは、
「料理を自転車などで配達する『ウーバーイーツ』の配達員」
でした!やっぱり「ギグワーカー」なんだ、「ウーバーイーツの配達員」。配達員は「拘束時間」ではなく「1件ごと」に報酬が支払われるということで、
「成功報酬」
みたいな感じですね。「時間給」だと「単なるアルバイト」だもんな。そういえば昔、
『恐怖の報酬』
って映画があったな。あれも「ギグワーカー」かな?裏の。
日本の「ギグワーカー」は、1000万人にも上るそうです。


