6月1日午後8時に、全国の花火業者が各地で花火を打ち上げ、「コロナ禍」の終息を祈りました。そのニュースに関して、「かんさい情報ネットten.」のディレクターが、
「花火が大輪の花を咲かせた」
という原稿の「大輪」を、
「ダイリン」
と「濁って」言っていたので、小さな声で、
「タイリンだよ」
と教えてあげたら、
「すみません、恥ずかしい・・・」
と言っていました。
でもよく考えたら「大」と書いて「音読み」で「ダイ」と読んだり「タイ」と読んだり。この違いはどこにあるのでしょうか?
漢字の「音読み」には、
「呉音」と「漢音」と「唐音」「宋音」があります。それぞれ、
「日本に入って来た時期・地域が違う」
のでしょうけれど、「単語」「熟語」として日本に入って来たのでしょうかね?
『広辞苑』を引きました。
*「呉音」=日本漢字音の一つ。古く中国の南方系音の伝来したもの。「行」を「ギャウ」とする類。仏教用語などとして後世まで用いられるが、平安時代には、のちに伝わった漢音を正音としたのに対して和音(わおん)ともいった。
*「漢音」=日本漢字音の一つ。唐代、長安(今の西安)地方で用いた標準的な発音を写したもの。遣唐使・留学生・音博士などによって奈良時代・平安初期に伝来した。「行」をカウ、「日」をジツとする類。官府・学者は漢音を、仏家は呉音を用いることが多かった。
*「唐音」=日本漢字音の一つ。宋・元・明・清の中国音を伝えたものの総称。禅僧や商人などの往来に伴って主に中国江南地方の発音が伝えられた。「行灯」をアンドン、「普請」をフシンという類。とういん。
*「宋音」=日本漢字音の一つ。従来、唐音として一括されていた音の一部分。日本の入宋僧または渡来した宋僧の伝えたという音。実質上は唐末から元初のころまでの音で、鎌倉時代までに渡航した禅僧・商人から民間に流布した音と同一のものとされる。「行」をアン、「杜」をヅと発音する類。
で「大」はどうなのか?今度は漢和辞典『新漢語林』を引くと、
「ダイ」=呉音
「タイ」=漢音
ということで、「ダイ」のほうが古い発音なのですね。
またよく似た漢字の「太」を「タイ」と読む場合との使い分けに関しては、
・「大」=比較的大きい。(例)大国、大木
・「太」=絶対的に大きい。(例)太古、太陽
とのことです。勉強になりました!


