お笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さんの「不倫騒動」。
それを報じた「ミヤネ屋」の先週の放送で、
「不倫報道の余波!」
というテロップが発注されました。先週の「週刊文春」発売の日です。この、
「余波」
が気になりました。というのは、ここで取り上げられていたのは、「不倫」によって、
「全ての担当番組出演を取りやめること」「妻・佐々木希さんの反応」
「相方の児嶋一哉さんの反応」
といったことを指していたのです。それって、
「『余波』ではなく、『影響』」
ですよね。しかも「直接の影響」です。でも、他の番組でも「余波」という表現を使っていました。なぜ、世は「余波」が好きなのか?解せないです。念のため辞書(広辞苑)も引きました。
*「余波」(1)風がおさまった後もなお残って立つ波。(例)台風の余波
(2)物事が終わったあともなお周囲に及ぼす影響。なごり。あおり。余勢。
(例)不況の余波を受けた。
『三省堂国語辞典』も、比ゆ的な2番目の意味を引いておきます。
「余波」(2)あとまで残る影響。とばっちり。あおり。
(例)事件のあおりを受ける。
つまり、
「事件の加害者と被害者(=当事者)は、直接『波』をもろに受けるので『余波』ではない」
ですね。「余波」を受けるのは、
「当事者ではない、周囲の関係者(=間接的)」
で、「余波を受ける時期」は、
「事後、しばらくたってから」
なのではないでしょうか?でも、なぜかワイドショー的な番組は使いたがるのよ、この「余波」を。それはもしかしたら、
「当事者ではないから(当事者意識に欠けているから)」
かもしれません。
(2020、6、16)


