7511「針の穴を縫うように」

2020 . 6 . 11

7511

 

6月10日テレビを見ていたら、この春に新型コロナウイルスの蔓延のために中止となった「センバツ高校野球大会」に出場予定だったチームを甲子園球場に招待して、8月のお盆の時期に6日間だけ、各チーム1試合の「交流戦」を行うことが決まったというニュースを放送していました。それを伝えるキャスターのこんな表現が聞こえてきました。

「針の穴を縫うようにして」

思わず、テレビに向かって言いました、

「針の穴は縫われへん!それも言うなら、『針穴を通すようにして』や!」

と。「針の穴」は、

「通す」

ですよね。「縫い」ません。だって「穴」は「縫えない」ですよ。「布」を縫うんだから。

逆に「縫うように」を生かすと、

「人ごみを縫うように」「スケジュールの合間を縫うように」

のような形でしょう。これは、

「混交表現の一種」

でしょうね。

「針穴を通すようにして」以外で似たような表現としては、

「針糸を通すように」「スケジュールの隙間を縫うように」

ということになるでしょう。

 

(2020、6、11)