6月30日、菅官房長官は香港の「国家安全法」が成立し、1997年7月1日の香港返還の際、50年間は守ると約束した「一国二制度」が形骸化したことを受けての記者会見で、
「一国二制度の原則に対する信頼を損ねるもので、引き続き関係国と連携して適切に対応していく」
と強調しました。このコメントの中の、
「損ねる」
という言葉を聞いて、
「あれ?『損なう』ではないのかな?」
と、一瞬思ったのですが、よく考えたら、
*「損なう」=自動詞
*「損ねる」=他動詞
で、今回の「国家安全法」は、「中国本土」が「香港」に対して「反対を押し切って」成立させたものです。自然と成立したわけではない。その意味では、
「損ねる」
の方が適切な言葉遣いと言えましょう。
(2020、6、30)


