7541「妹でお祝い」

2020 . 6 . 23

7541

 

6月23日の夜、仕事をしながらNHKの歌番組「うたコン」を聞いていたら(今ですけど)、司会の赤木野々花アナウンサーが、

「おとといの『父の日』は、何かされましたか?」

と、相方の司会の俳優・谷原章介さんに質問しました。谷原さんが、

「まあ僕が何かするというよりは、子どもたちが花束をくれました。赤木さんは、何かされましたか?」

と返すと、

「最近は、『妹で』お祝いができるんで」

と言ったので、

「え?『父の日』と『妹』がどう関係するの?妹さんと一緒にお父さんにプレゼントをしたの?」

と思ったのですが、よく考えたら赤木アナウンサーは「妹で」ではなく、

「リモートで」

と言ったのですね。「リモート」という言葉、私は「中高アクセント」と言いますか「モ」にアクセントのある、

「リ/モ\-トで」

というように言いますが、赤木アナウンサーは、「平板アクセント」で、

「リ/モートで」

と言ったので、私は同じアクセントパターンで、最初が同じ「イ」の母音である、

「妹(イ/モート)」

と聞き間違って驚いたわけです。これが、

「弟(オ/トート)」

ならば間違わないのですが「弟」でお祝いはしません。もちろん「妹」でもしません。

たとえば、

「ド\ラム」「ピ\アノ」「ギ\ター」「バ\イク」

というように、従来は「頭高アクセント」の言葉でも「その言葉をよく使う人たち」は、

「ド/ラム」「ピ/アノ」「ギ/ター」「バ/イク」

「平板アクセント」で言う傾向を、元・東京外国語大学教授の井上史雄先生は、

「専門家アクセント」

と名付けられましたが、赤木アナウンサーはそれだけ「リモート」という言葉をよく使うのでしょうか。これも「コロナ」のせいなのかな?「妹」のせいではないな。

 

(2020、6、23)