1月28日の安倍首相の国会での「桜を見る会」に関する質疑での答弁で、首相は、
「見る会に出たい人を、募りはしたが募集はしていない」
という趣旨の答弁を平然と行いました。
酷いものです。
少し昔の小泉純一郎首相(当時)が、
「自衛隊は紛争地には派遣しない。だから自衛隊が派遣されたところは紛争地ではない」
と言った「トートロジー」(堂々巡り)には、まだ「詭弁」として知性を感じましたが、今回のこの発言は、知性のカケラも感じられません。一言、
「アホか」
と。「本気で言ってるのか」という感じですね。
それから2か月半たった4月7日、新型コロナウイルス対策で史上初の、
「緊急事態宣言」
を出した際の、午後7時からの記者会見で安倍首相は、イタリア人記者の、
「もし、この緊急事態宣言が失敗に終わった時には、責任を取るのですか」
質問に答えてこう言いました。
「責任を取ればいいというものではありません」
一体、何を言っているのでしょうか?
責任を取れない政治家は、「政治家」ではありません。
しかも首相は、2月末に、週明け3月2日(月曜日)からの全国の学校に臨時休校を要請した際には、
「全責任は、私が取ります」
と言ったではないですか!あれから1か月少ししかたっていない、舌の根も乾かないうちに、ナニコレ?
これで分かりました。安倍首相が話している、
「日本語のようなもの」
は、いわゆる普通の「日本語」ではなく、日本語とは似て非なる
「アベ語」
なのです。単語の示す意味が、
「普通の日本語の辞書に載っているのとは違う意味」
なのです。
今回の「責任」という「アベ語」を「普通の日本語」に置き換えると、
「揚げ足」
なのでしょう。つまり安倍首相が答えた「アベ語」の、
「責任を取ればいいというものではありません」
を「普通の日本語」に翻訳すると、
「(他人の)揚げ足を取ればいいというものではありません」
となります。それなら、少し意味が通じますね。よかったよかった・・・って、
いいわけないだろ!!
(追記)
黒川弘務・東京高検検事長が、「ステイホーム週間」中の5月1日と5月13日に、産経新聞の記者の家で、産経新聞の人2人と朝日新聞の元記者と一緒に「賭け麻雀」をしていたと『週刊文春』5月28日号で報じられ、法務省の事情聴取に対しその事実を認めて、5月21日に辞表を提出しました。
検察庁ナンバー2の人が、「ステイホーム」が、あれほど言われている最中に出歩いて行くなんて、普通は考えられないです。しかも「5月13日」は、その前の週末から週明けにかけて「検察庁法改正反対」というハッシュタグが付いたツイートが数百万に達して、社会的問題になっていたことを、当事者の黒川さんは当然知っていたはずで、法務省の事務次官にまで上り詰めた黒川さんは「今動くのは、非常にまずい」とわかっていたはず。それなのになぜ?という疑問は拭えません。
考えられるのは、
「そんな時期に出歩いても『絶対に安全である』という、絶大なる権力者の庇護が保証されていた」
あるいは逆に、
「誰かに脅されて、いやいや麻雀に行った」
かしか考えられません。あるいはその両方?
黒川検事長の「麻雀好き」「カジノ好き」(つまり「ギャンブル好き」)は周囲には知られていたそうです。それが許されたのはなぜか?それを「弱み」として、誰かに握られていたのではないか?
いずれにせよ、「ステイホーム」を守らなかった黒川さんは、
「ステイ法務できなかった」
ということですかねえ。
「賭け麻雀はしたが、賭博はしていない」
とは、言えなかったのでしょうね。
(2020、5、21)


