7479「螺旋とスパイラル」

2020 . 5 . 25

7479

 

2020読書日記047『ねじとねじ回し~この千年で最高の発明をめぐる物語』(ヴィトルト・リプチンスキ著・春日井晶子訳、ハヤカワノンフィクション文庫:2010、5、25)を読みました。その中に出て来た、

「『螺旋(らせん)』は『スパイラル』ではない」

という記述に「目からウロコ」が落ちたと「読書日記」でも書きました。こんな感じ。

 

「『螺旋(らせん)』を『スパイラル』と言うのは間違い」

え?違うの?

「『螺旋』の英語は『スパイラル(spiral)』ではなく『ヘリックス(helix)』」

なのだそうです!「ヘリックス」って「ヘリコプター」みたいだな。

「スパイラル」は、

「1つの中心を持ってそこから同心円状に広がる物」

例えば、

「時計のゼンマイ」

とか、

「船のデッキの上に置かれたとぐろを巻いたロープ」

とか。どちらかと言うと、

「二次元的」。

それに対して「ヘリックス(らせん・螺旋)」は、

「三次元的」

で、

「螺旋階段」

や、

「ノートを綴じているバインディング」(あのグルグルと巻いた)

自然界で言うと、

「ブドウの蔓」(「朝顔の蔓」もかな)

や、

「ある種の貝(巻き貝)」

「らせん・螺旋(ヘリックス)」なのだそうです。

知らんかった!

でも念のため「和英辞典」で「らせん(螺旋)」を引いてみたら、

「spiral」

とあるではないですか!用例としては、

「ワイヤーをらせん状に巻く」(wind wire in a spiral)

というのがありましたが、これはたしかに「らせん状」で「スパイラル」。さっき出て来た

「船のデッキの上に置かれたとぐろを巻いたロープ」

ですね。これは状態としては「スパイラル」ですね。でも本来は「らせん」ではないのか?「らせん状」って訳してあるけど、「ジーニアス和英辞典」。

用例は他にも載っていまして、「(DNAの)二重螺旋」は、

「the double helix」

だそうです。おっ!出て来た「ヘリックス」!そしてもう一つの用例は、まさに「らせん階段」で、これは,

「spiral staircase」

と「スパイラル」が使われているではないですか!うーん、どういうことだ?

今度は英和辞典で「スパイラル」と「ヘリックス」を引いてみよう。

*「spiral」

(1)らせん状(渦巻き型)のもの

(2)(加速度的な)状況の変化(通例悪い方向への変化について用いる)

(3)【幾何】らせん、つる(渦)巻き線

(4)【航空】らせん降下

うーん、どうやら「渦巻き型」を指すけど「らせん状」も含むみたいだな「スパイラル」。

続いて「ヘリックス」。

*「helix」=らせん(形のもの)【建築】らせん飾り【解剖】耳輪。

うーん、わからん。

結局、「らせん」は「スパイラル」でも「ヘリックス」でも良いのか?

 

よく分からないままなんですけど、どなたか教えてください!

 

(2020、5、6)