2020読書日記047『ねじとねじ回し~この千年で最高の発明をめぐる物語』(ヴィトルト・リプチンスキ著・春日井晶子訳、ハヤカワノンフィクション文庫:2010、5、25)を読みました。その中に出て来た、
「『螺旋(らせん)』は『スパイラル』ではない」
という記述に「目からウロコ」が落ちたと「読書日記」でも書きました。こんな感じ。
「『螺旋(らせん)』を『スパイラル』と言うのは間違い」
え?違うの?
「『螺旋』の英語は『スパイラル(spiral)』ではなく『ヘリックス(helix)』」
なのだそうです!「ヘリックス」って「ヘリコプター」みたいだな。
「スパイラル」は、
「1つの中心を持ってそこから同心円状に広がる物」
例えば、
「時計のゼンマイ」
とか、
「船のデッキの上に置かれたとぐろを巻いたロープ」
とか。どちらかと言うと、
「二次元的」。
それに対して「ヘリックス(らせん・螺旋)」は、
「三次元的」
で、
「螺旋階段」
や、
「ノートを綴じているバインディング」(あのグルグルと巻いた)
自然界で言うと、
「ブドウの蔓」(「朝顔の蔓」もかな)
や、
「ある種の貝(巻き貝)」
が「らせん・螺旋(ヘリックス)」なのだそうです。
知らんかった!
でも念のため「和英辞典」で「らせん(螺旋)」を引いてみたら、
「spiral」
とあるではないですか!用例としては、
「ワイヤーをらせん状に巻く」(wind wire in a spiral)
というのがありましたが、これはたしかに「らせん状」で「スパイラル」。さっき出て来た
「船のデッキの上に置かれたとぐろを巻いたロープ」
ですね。これは状態としては「スパイラル」ですね。でも本来は「らせん」ではないのか?「らせん状」って訳してあるけど、「ジーニアス和英辞典」。
用例は他にも載っていまして、「(DNAの)二重螺旋」は、
「the double helix」
だそうです。おっ!出て来た「ヘリックス」!そしてもう一つの用例は、まさに「らせん階段」で、これは,
「spiral staircase」
と「スパイラル」が使われているではないですか!うーん、どういうことだ?
今度は英和辞典で「スパイラル」と「ヘリックス」を引いてみよう。
*「spiral」
(1)らせん状(渦巻き型)のもの
(2)(加速度的な)状況の変化(通例悪い方向への変化について用いる)
(3)【幾何】らせん、つる(渦)巻き線
(4)【航空】らせん降下
うーん、どうやら「渦巻き型」を指すけど「らせん状」も含むみたいだな「スパイラル」。
続いて「ヘリックス」。
*「helix」=らせん(形のもの)【建築】らせん飾り【解剖】耳輪。
うーん、わからん。
結局、「らせん」は「スパイラル」でも「ヘリックス」でも良いのか?
よく分からないままなんですけど、どなたか教えてください!


