『宗教で読み解く日本史』(浮世博史、すばる舎:2919、12、21)

2020 . 4 . 17

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この本の出版社「すばる舎」の担当者が、大学のゼミ(早稲田大学政治経済学部政治学科・河原宏ゼミ)の後輩。でも10年ぐらい後輩なので、直接「後輩」と知っていたわけではなく、今野真二先生の本を以前、読んで「読書日記」に書いたことがあったのだが、その後輩君が今野先生の本を担当した際に私の名前も出たとかで。一度、東京に行った際にその「後輩」と会って飲んだことがある。

それ以来、特に音沙汰もなかったのだが、先日当然、この本を送って来た。

「面白いから読んでください!」

と。せっかくだし、読まなきゃ!ということで読みだしたら、これが大変「読みやすく」、しかも「勉強になり」、「面白い」という三拍子そろった本だったのですね!大学受験では「日本史」は取らずに「世界史」を取った私にでも、分かりやすい!

著者は奈良の進学校、西大和学園中学・高校の社会科の先生ということだが、こんな先生に教わったら、そりゃあ成績も上がります!

中でも私が「わかりやすいな」と思ったのは、97ページの「家系図」。「長屋王の変」の「長屋王」を巡る人のつながりが、大変よく分かった。そういうことだったのか!

やはり古代国家の中で「大化の改新」の「天智天皇」と、その後の「壬申の乱」で「天武天皇」が「二大スター」で、その後の人事にも何代にもわたって影響を及ぼし、そこに藤原氏が絡んでくるといった辺りが分かりやすかった。

また「宗教」については、日本では「仏教」と「神道」、つまり「仏さん」と「神さん」の関係が分かりにくいというか、わからないまま、なじんでしまっているわけだが、それもよく分かった。

「あの世=仏」「この世=神」。

「あの世の仏様」が、仮に「この世」に「神様の姿」で現れたのが「権現」であるとか、「なるほど!」と思いました。

こんな先生に習う西大和学園の諸君、君たちは幸せだぞ!

この先生は「神様」みたいな方だぞ!

・・・そういえば、「受験の神様」とは言っても「受検の仏様」とは言いませんものね。

「地獄で仏にあったよう」とは言いっても「地獄で神様に会ったよう」とは言わない。

しかも名字が「浮世」だもんね、「この世」におわす方だ。なるほどなあ。納得です!

 

(2020、4、11読了)