ストーリー

第6話 11月19日(木)よる11:59~

  「喫茶&スナック アラバマ」にランチを甘えに来た浅木晴也(玉森裕太)と篠原俊喜(阿見201)は、ツケをためているせいで、ママの石田静江(高島礼子)に水しか出してもらえない。能見美羽(新川優愛)と窪寺和臣(高田翔)たちもいる中、宅配ピザのアルバイト、岡島武(白洲迅)が集金に現れる。岡島は晴也たちと同じ東京学院大学の4年生だった。静江に「就職活動はどう?」と聞かれて、「……実は俺、就活妨害にあってるんです」とこぼす岡島。インターネットの就活掲示板で、岡島に成りすました誰かが、試験を受けた企業の悪口を書き込み、それを採用担当者に見られたのだと言う。「それで第一志望だったみその銀行に最終面接で落ちてしまって。来週も他の面接があるんですけど、同じことされるんじゃないかと心配で……」と岡島。そのとき静江が「こいつら実は探偵なの!貧乏だけど腕は確か!」と晴也を紹介した。

  晴也たちは、岡島のバイト先へ行き、店長の立花圭介(山中崇)もまじえて事情を聞く。岡島は、これまで受けた企業はすべて内定をもらっていて、みその銀行も最終面接で好感触だったと言う。「それがいきなり不採用で。その後、ネットの掲示板にこの書き込みがあるのに気付いたってわけ」と岡島。そこには岡島とわかるハンドルネームで「みその銀行の面接官、デブ・ハゲ・メガネの三馬鹿トリオ」と書いてあった。「それにしても残念でしたね」という和臣に、「まあね。でも、俺は生涯賃金4億以上を見込める会社ならどこでもいいんだ」と岡島。「就職はブランドと金」と言う岡島の言葉に納得しかねる晴也。さらに岡島は、ピザ屋の仕事を単純作業だと馬鹿にしていた。そんな中、怪しいと思われる人物が二人いた。一人は、岡島と同じゼミで成績優秀にも関わらず、内定の取れない坂口三奈(青谷優衣)、もう一人は岡島もが以前に通っていた就活塾の代表、近藤昭則(木下隆行)だった。二人に逆恨みされているかもしれないと岡島は言う。

  翌日、晴也と美羽は、就職面接に向かう三奈を尋ねる。すると晴也たちは就活生と間違えられて、そのまま三奈と一緒に面接を受けるハメになる。見ていると、三奈は、極度のあがり症で思うように自己PRができない。それをあざ笑う面接官に晴也は思わず、「そういう態度はないんじゃないですか!」と食って掛かるのだった。面接後、晴也に駆け寄って礼を言う三奈に、晴也は就職妨害のことについて探るが、彼女は関係ないようだった。その三奈は、就活塾の代表、近藤のことを知っていた。「確かに近藤先生は、岡島君に怒っているかも。だって、『こういうところで講師やってる奴は、企業で脱落した負け組だ』って岡島君は言っていたし、実際、近藤先生は会社をリストラされて塾を立ち上げたみたいだったし」と三奈。

  晴也と美羽は就活塾へ行く。そこには「就活を勝つ!」とテンションの高い近藤がいた。その空気にとてもついていけない晴也は、近藤に「かつてここに通っていた岡島さんのことですが…みその銀行に受かったそうですね」と言ってみる。「え……?」と近藤が戸惑った表情を浮かべたのを晴也は見逃さなかった。そして、その近藤がリストラされたのが、みその銀行だと知った晴也は、隙を見て近藤のパソコンを調べる。すると、近藤がみその銀行の後輩宛に送ったメールが出てくる。「岡島武の素行は最悪。異性関係も問題あり」とあった。晴也が「就活塾の代表が就活妨害ですか!」と近藤を問い正すと、「腹立たしかったんだ。あいつは生意気で!」と逆恨みの行動を白状する近藤だったが、サイトの成りすましは自分ではないと言う。

  晴也が大学に戻ると、追っかけの坂本葵(柳ゆり菜)たちが来る。葵たちは、立花のピザ屋に行ったと言う。「あの店長、ちょ~感じ悪かったよ」と葵。ブログ用にピザの写真を撮っていると店長の立花が怒りだしたと言う。「ネットが嫌いだとか言って。その割に奥でPCいじってて」と葵。それを聞いて晴也、何か考える風でいて……

  立花のもとへ行く晴也。熱心に働く立花に「いつも楽しそうに仕事してますよね」と晴也。「この仕事、好きだからね。俺がお客さんに届けているのは、おいしいっていう笑顔だと思っている。これはそば屋をやっていた親父の受け売りだけどね」と言う立花に、晴也は「そういえば岡島さん、第二志望の会社、内定もらったらしいですよ」と嘘の情報を流すのだった。

  しばらくすると、岡島の名前で再びネットに書き込みがあった。犯人が立花だと確信した晴也は「ついでに気になることがある」と、和臣にあることを調べるようお願いする。

  後日、晴也は岡島を連れて、再び立花のもとへ。「あなたにしか教えてない嘘の情報だ」とネットの書き込みを追及すると、立花は自分の仕業だと白状した。「俺に何の恨みがあるんだ!」と言う岡島に、「うちの仕事を馬鹿にするからだ!」と立花。「それだけじゃない」と晴也、かつてネットにアップされていた写真を見せる。それは岡島が高校時代、バイト先のそば屋の厨房で悪ふざけしている写真だった。「あんたのこの悪ふざけで、立花さんのお父さんの店は潰れたんだ」と晴也。そば屋は立花の父の店だった。「そんな店、どうせいつか潰れるだろ!それで俺の将来を邪魔したっていうのか!?そば屋とはレベルが違うんだぞ!」と岡島。それに対し晴也は「人が命かけている仕事、コケにすんな!」と怒るのだった。反省した立花が警察に行くというと、このことが公になると自分の将来が台無しになると岡島は慌てるが、「自分でやったことにはきっちりケツ持て、クズ!」と言う晴也。

  後日「アラバマ」では、岡島の報酬を断ったという晴也に静江が呆れていた。そこに岡島と和解した立花が、お礼にピザを持って現れ、思わずそれに群がる晴也たちだった――
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