深夜の長距離バス。神戸から気仙沼に1人向かう黒田裕子さん。「被災地の人たちに比べればしんどいとはいえない」と毎週のように現地に通い、ボランティア活動を続けている。阪神大震災で被災した黒田さんは、「自分がなんとかしなければ」と被災直後に看護師をやめ、避難所や仮設住宅に24時間泊まり込んで健康管理などを行った。その後も災害が起こるたびに、活動を続けてきた。3月・・・震災直後に現地入りした黒田さんが見た被災地は、16年前と変わらない現実だった。避難所の衛生問題、仮設住宅では地域の分断による「孤独死」の危機・・・黒田さんの終わりのない闘いがまた始まった。人生をかけて被災者と向き合う、元看護師の姿と信念を追った。 |