05年4月25日、JR福知山線脱線衝突事故。鈴木順子さん(31)は57人の死者を出した2両目に乗っていた。内臓破裂、脳挫傷。誰もが死を覚悟した。母は意識のない娘に呼びかけ、姉はカメラを回した。そして半年後、意識が戻る。初めての言葉は「お母さん」。しかし彼女は脳障害により友人の名前や出来事、数時間前のことさえ忘れてしまう。不自由な体、車椅子の生活の中で彼女は筆を手にした。今は、鈴木家に集まる事故の負傷者や遺族の姿を描いている。数々の奇跡を生んだ壮絶な家族の記録。