PICU
― ブラックジャックに憧れた医師 ー
日本はかつて幼児(1~4歳)の死亡率が先進国の中でワースト2位の国だった。原因の一つに、小児集中治療室・PICUがなかったことが挙げられる。多く搬送される大人の重症患者を優先し、年に数例の重症の子どもたちは、“仕方がなかった…”とあきらめられてきた現実がある。日本初のPICUは1994年に設立され、死亡率は徐々に改善されてきた。しかし、医師はわずか230人。日本の子どもたちが安心して暮らせる国とはいえない。兵庫県立こども病院のPICUで子どもと向き合い続ける黒澤医師の姿を通して、日本の小児集中治療室と次世代の医師育成の重要性を伝える。