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♯1 「ワサビ畑で捕まえて!」1月5日(木) 夜23:58~0:38

今週のゲスト

 長閑な田舎町にある警察署の刑事課に勤務する黒川鈴木は抜群の推理力を持つ優秀な刑事。黒川は何かと絡んでくる脳天気な部下の白石にペースを崩され、一定の距離を保とうとしていた。そのことにも気付かない白石であった。もう一人の部下、赤木はこの警察署に赴任してきたばかり。赤木はここが事件とは無縁の平和な町だと感じていた。だが、その直後に刑事課に殺人事件を報せる1本の電話がかかってくる。黒川は白石、赤木を引き連れて事件現場へと急行する。

 事件が起きたのは山中にある高級ワサビ畑で、被害者は農園主の園山茂夫。茂夫は近くに転がる石で頭を殴られ殺されたと思われ、第一発見者は長女の園山園子だった。園子は母親が他界した後、茂夫と同居していたという。白石は園子の美しさに心を奪われ、一瞬で恋に落ちてしまう。茂夫が育てていたワサビは時価2千円の最高級品種。それが全て盗まれていて、白石は隣町で同様の事件を起こしている窃盗団の仕業だと推理する。この後、園子はワサビ畑だけじゃなく、裏の温室も壊されていたと証言する。茂夫がランなどの園芸植物を趣味で育てていた温室。だが、不思議な事に温室のガラスが壊されているだけでランは盗まれていなかった。

 黒川はこの事実が引っ掛かり、茂夫がワサビとランのどっちを大事にしていたかを園子に訊ねる。生前、茂夫は世話が焼ける方がかわいいと話していたらしく、園子は手間がかかるワサビだと思うと答える。事件が起きた昨夜は土砂降りの雨で、死亡推定時刻は深夜1時。その時刻、園子は在宅の仕事をしていたと証言する。続けて、駆け付けた茂夫の長男の達夫、次男の丸夫からも事情を聞く黒川。現在、2人は東京に住んでいて、達夫はファッション関係の仕事、丸夫はIT系の中小企業の社長をしていた。

 帰り道の車内。赤木は車のタイヤの跡が残らない雨の日を見込んだ犯行だったと推理する。用意周到な窃盗団だったが、ワサビを盗む現場を目撃され、茂夫を殺害したと考える白石と赤木。だが、黒川は窃盗団の犯行ではないと考えていた。収穫時期を把握してワサビを盗むには下見が必要だが、山奥に何度も足を運べば不審に思われる可能性が高い。犯人が窃盗団なら犯行を見られても殺害までする必要はなく、黒川は顔を見られてはまずい人間の犯行と推理。黒川は容疑者を園子、達夫、丸夫の3人に絞っていた。

 この後、赤木は達夫と丸夫が金に困っていた事実を突き止め、遺産目当ての犯行の可能性が浮上。丸夫の会社は借金があり、達夫のファッションブランドは在庫を抱え、融資を打ち切られているにもかかわらず、春には新店舗を出す計画だった。初めは子供ができず、園子を養子として迎えた園山夫婦。だが、その後に達夫と丸夫という2人の子供が生まれたという。黒川は犯人が温室を壊した理由がわからず、頭を悩ませていた。

 そんな折、刑事課に新たな目撃証言をするバス運転手が現れる。事件の夜、運転手はワサビ畑付近で車のヘッドライトを見たと証言。黒川はライトが見えた正確な位置を運転手に確認して何かをひらめく。園子に好意を寄せる赤木はこの証言を聞いて一安心。園子はバイクの免許しか持っておらず、容疑者3人の中で車の免許を持っているのは達夫だけだった。黒川は再び事件現場へ足を運び、壊された温室の謎に推理を巡らせる。そして、黒川は事件当夜と同じ状況を作り、白石、赤木とある事を検証。黒川の推理はキラリと冴え渡り、着実に事件の真相へと近づいていく。巧妙に仕掛けられたトリックは犯人からのメッセージだった…。

デカ黒川鈴木

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