事件ファイルCASE FILE
1時間スペシャル(デジタルリマスター版)「迷宮への入り口 巨大神像の怒り」
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天部山ロープウェイの開通式に招待された小五郎とコナン、蘭は、天部駅に向かうローカル列車に揺られていた。天部山には昔から住民に信仰されてきた巨大な天女像があり、3人は同じ席に乗り合わせた妖怪のような老尼僧から車窓に見える優美な天女像の説明を受ける。老尼僧・静は「天女様のおわす岩山にロープウェイを通すとは…。神をも恐れぬ悪行に必ずや天罰が下るじゃろう」と言う。天部駅で堂本観光副社長秘書の吉野綾香の出迎えを受け、車でロープウェイのレストハウスに向かう。車中でロープウェイ建設に反対する多数の看板を見て、コナンたちもこの招待がただの観光セレモニーに出席するだけのものではないと感じる。レストハウスの特別室では、堂本観光社長の堂本栄造に迎えられ、栄造の長男で副社長の保則、独立して事業をしているという次男の純平に紹介される。そこへ、1年前に家出をして東京に行っていたという長女の里菜が現れ、保則、純平、里菜の3人は互いに罵り合いを始める。が、里菜の連れてきたフリージャーナリスト・青柳を見とがめた保則と栄造はあからさまに不愉快な表情を見せる。不穏な空気を察した綾香の発案で、一同はロープウェイに試乗することにする。ロープウェイの中で小五郎は保則から住民の反対運動や嫌がらせについて説明される。反対運動は金で解決したが、未だに数多くの嫌がらせがあり、老尼僧・静の「祟りがある」という予言は新聞が面白おかしく書き立てて住民の不安を煽っているという。保則は「何とかイメージアップを図りたい」と言い、妹の里菜が連れてきた青柳をスキャンダルをでっち上げて金を取ろうとしていると切り捨て、トンネル工事の話をした里菜に怒りをあらわにする。
翌日、ロープウェイの開通式は強行された。得意気にスピーチをする栄造を遮るように静は「天罰があるぞよ!」と叫び、神の祟りを説き始める。栄造は静の言葉や新聞記者の取材を嘲るように「本日、そんな世迷い言を吹き飛ばして見せましょう!」と言い放つ。そのためにも、名探偵・毛利小五郎に来てもらっているのだ、と。初運行のロープウェイは紙吹雪とともにファンファーレに見送られて出発する。栄造と保則、里菜と純平、青柳、地元新聞記者の記者とカメラマン、秘書の綾香と一緒にコナンたちも乗り込んだ。ロープウェイがトンネルに入った時、突然、車内灯が消え、人が争う音と栄造の叫び声が聞こえてくる。ロープウェイがトンネルを抜けると、栄造の姿はなく、窓に「因果応報」と書かれた御札が貼られていた。窓から見える岩山の天女像の掌上には、宝珠にもたれるように倒れた人影がある。双眼鏡をのぞいた保則は「父が…」と、凍りつく。確認のため双眼鏡をのぞいた小五郎の目に、胸を宝剣で貫かれた栄造の姿が映る。