事件ファイルCASE FILE
名探偵コナン1時間スペシャル「空飛ぶ密室 工藤新一最初の事件」
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阿笠博士がインターネットの懸賞で当たった沖縄旅行に招待されて、コナンと蘭、小五郎、そして少年探偵団の歩美、元太、光彦は羽田空港にやってきた。ジャンボジェット機ボーイング747に乗り込んで、子供たちは早くも興奮気味だ。離陸直後に眠り込んでしまったコナンの寝顔を見て、蘭は思わず微笑んだ。1年前の新一もコナンと同じように離陸直後に眠ってしまったっけ。
去年、小五郎が町内会の旅行に行っている間に、蘭は新一と二人でロスの新一の両親に会いに行ってきたのだ。この時、ロスに向かう機内で殺人事件が発生。この事件が高校生探偵として脚光を浴びるきっかけとなった新一が手がけた最初の事件でもあったのだ。小五郎はこの時の蘭と新一の行動に疑惑の目を向けている。小五郎の邪推と子供たちの好奇の目を逃れるため、蘭は自分も眠ることにした。眠りに落ちた蘭は、あの時の夢を見る。
これが最初の1ページだった。
ロスに向かうジャンボ機の客席は照明が絞られ、蘭と新一、そしてほとんどの乗客が仮眠を取っていた。人の話し声に蘭が目を覚ますと、前方の禁煙席でタバコを吸っている態度の悪いカメラマンと臨席の乗客が揉めていた。しばらくしてトイレからフライトアテンダントの悲鳴が響きわたり、機内に医者か看護婦を捜すアナウンスが流れる。先程揉めていたカメラマン・大鷹和洋の死体が発見されたのだ。偶然、この便に乗り合わせていた目暮警部と高木刑事が捜査を始めようとすると、現場となったトイレにすでに若い男が入り込み、勝手に死体の検分を始めていた。若い男は「死因はおそらく頸髄損傷による窒息死、凶器は先の尖ったアイスピックのようなもの…。
被害者は刺される前に何か薬品を嗅がされて昏睡状態に陥っていた可能性があります」と、自信たっぷりに説明をしている。とがめる目暮警部に、男は「工藤新一、探偵ですよ」と名乗る。目暮警部は若い男が自分の友人の推理作家・工藤優作の息子・新一だと知って驚くが、まだ高校生の新一が勝手に捜査の邪魔をしたことを叱責する。
だが、新一の検証は完璧だった。新一の指示ですでに現場の写真が撮影され、乗務員たちへは的確な指示が出されていた。新一の証言で容疑者は大鷹の恋人でカメラマンのつぐみ、同じカメラマン仲間の千鶴と鷲沼、大鷹と揉めていた乗客の鵜飼、大鷹の前の席の外国人・エドワードの5人に絞られる。
5人全員の手荷物が調べられ、身体検査も行われたが、凶器は発見されない。機内の捜索からもそれらしいものは発見できなかった。このことが新一の闘争心に火をつけた。凶器はまだ犯人が隠し持っているに違いない。おそらくそれが犯人の切り札なのだろう。新一は5人の身体検査と手荷物チェックのやり直しを提案。自分も捜査に立ち合い、厳しいチェックを始める。