事件ファイルCASE FILE
幸運のシガーケース(前編)
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伊豆からの帰り道、濃霧の峠道で車が止まってしまい、コナン、蘭、小五郎は途中で見つけた山荘に助けを求める。その山荘の玄関には「KURON(クーロン)」という健康器具会社のロゴマーク。蘭がインターホンを押すと、クーロン第三開発部部長の平松正樹が応対に出てきた。平松はそっけない態度でコナンたちを追い返そうとするが、第一開発部部長の中野浩夫が取りなし、コナンたちを山荘に招き入れる。
山荘の中には平松と中野のほかに、第二開発部部長の笠原英伍と社長の梅谷四郎がおり、ちょうど3人の開発した新製品マッサージシートの社内コンペ中であった。小五郎が有名な私立探偵だと知った社長の梅谷は、小五郎に新製品のモニター役を頼む。中野、笠原、平松の作ったそれぞれの新製品を試した小五郎は、最後に座った平松の卵形シート「AIMS」を絶賛。そこで梅谷社長は平松の「AIMS」を採用することに決め、笠原にリストラを言い渡した。
間もなく、梅谷社長と平松をテストルームに残し、応接間にコナンたちが戻ってくると、車が急発進する音が聞こえてくる。コナンたちがテストルームに駆け込むと、血まみれの梅谷社長がぐったりとしていた。梅谷は「AIMS」に座ったまま、ナイフを突きたてられていたのだ。シートカバーを開けた小五郎は梅谷に脈があることを確認し、救急車を呼ぶように蘭に叫ぶ。さらに車で逃げた平松を追おうとするが、ほかの車のタイヤはすべてパンクさせらていた。ナイフを胸に刺されたと思われていた梅谷だが、ポケットのシガーケースがナイフを食い止め、命に別状はない。意識を取り戻した梅谷は、平松が突然、ナイフで襲ってきたと明かした。
いっぽう、逃走した平松の車はガードレールを突き破りがけ下へ転落。平松は死んでしまった。静岡県警の横溝刑事は事故と判断するが、コナンは事故現場で意外なことに気づき…。