事件ファイルCASE FILE
工藤新一NYの事件(推理編)
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横浜・中華街で事件が解決した直後、蘭は高熱で倒れてしまう。朦朧とする意識の中で蘭は新一と二人でアメリカに住む新一の両親に会いに行ったときのことを思い出していた。
新一の母・有希子に連れられ、ニューヨークに来た15歳の蘭と新一は、ブロードウェイで評判のミュージカル「ゴールデンアップル」の楽屋を訪れた。有希子の親友でアメリカの大女優、シャロン・ヴィンヤードの案内で開演直前の舞台裏を見学していた時、衣装がクギに引っかかって身動きの取れない女優・ローズめがけて鎧が天井から落ちてくる。蘭が間一髪でローズを救う(前回まで)。だが、ローズは蘭に助けられたことより、何者かが自分の命を狙っていると怯える。開演時間が迫り、俳優たちは舞台の準備を始めた。有希子たちと一緒に舞台を鑑賞するはずだったシャロンは、なぜか帰ってしまい、蘭と新一、有希子の3人だけで鑑賞する。
ミュージカルは、ギリシャ神話の「金の林檎」を題材にしたもので、人気男優、ヒースが演じる主人公が3人の美女の中から一人を選ぶというものだ。舞台はクライマックスにさしかかり、天使に変身したヒースが舞台中央に現れ、空中を舞うはずだった。だが、舞台に現れたヒースは左胸を銃で撃ち抜かれ、ぐったりとして天井から吊り下げられていた。
ニューヨーク市警察のラディッシュ警部らが捜査に当たり、ヒースは上のほうから銃で狙われたことが判明する。有希子はヒースが撃たれた時、テラス席からレーザーライトが当てられていた事から、犯人はテラス席にいてヒースが登場する瞬間を狙撃したと推理する。だが、ラディッシュ警部は遺体についていた二つの奇妙な痕跡の意味が分からないと言う。一つは首もとについている火傷のような跡、もう一つは右の手のひらについた血痕がかすれていることだという。
新一は事件直後にテラス席に行ってみたが、そこに落ちていた薬莢は熱を帯びていなかったと証言する。犯人はテラス席から撃ったのではない。新一は舞台にいた4人の女優たちの中に犯人がいると断言する。だが、長身のヒースを上から撃つのは、4人の中の誰にも不可能だと思われる。