事件ファイルCASE FILE
水流るる石庭の怪(後編)
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木山家具社長の馬島宅に一泊したコナンと蘭、小五郎の3人は、翌朝馬島の絞殺死体を発見することになった。社長宅の母屋には、縁側に面して白砂が敷きつめられた見事な石庭があり、1日に3回、庭内に作られた滝の水が白砂の上に流れ込む仕掛けになっていた。
馬島はこの石庭の真ん中に横たわっていたが、白砂の川模様に乱れはなく、足跡もついていなかった。馬島とコナンたち以外に社長宅にいたのは、昨夜の晩餐会に出席した先代社長の息子・木山智則、社長秘書の橋本、木山インテリア社長の遠藤と家政婦の綾佳の4人だけだ。おそらく犯人はこの4人の中にいる。だが、犯人はどうやって足跡もつけずに遺体を庭の真ん中まで運んだのだろうか?
コナンが見つけた手掛かりは縁側近くについた擦れたような跡と、馬島の服に残った針のようなもので刺した跡だけだ(前回まで)。 小五郎の通報で横溝刑事が駆けつけ、捜査が始まった。鑑識の結果、死因は絞殺による窒息、死亡推定時刻は午後8時から午前1時までの間と判明。小五郎は遺体の背中だけが濡れていたことから、遺体が庭に運ばれたのは石庭から水が流れ出た朝9時以降と考え、いきなり「犯人が分かった!」と言い出す。小五郎は4人のアリバイ証言から、犯行時刻に洋館にいた遠藤とコナンたちと一緒にいた智則を除外し、橋本が犯人だと決めつける。自信満々の小五郎は犯人が遺体を石庭の真ん中に運ぶのに掃除用の取り竿を使ったと推理するが、実験中に取り竿はあっけなく折れてしまう。面目を失った小五郎をよそに、事件のトリックを考え続けるコナン。
遠藤と智則が帰りたいと言い出した時、ごみ箱に捨てられていた脅迫状が発見される。それは馬島を洋館の屋上に呼び出すものだった。そして、先代社長と一緒に転落死した運転手の娘で真相を探るために馬島家に入り込んだと告白した綾佳が、昨夜の10時40分から11時の間に、遠藤に脅迫されたと言い出す。その間、洋館の出入りを綾佳はチェックできなかったことになる。小五郎は今度は遠藤が馬島を殺害し、アーチェリーの矢に紐をつけて遺体を運んだと決めつける。コナンが心配しながら見守っていると、捜査員が小五郎の推理通り、紐のついた矢とアーチェリーを発見する。だが、小五郎の推理通りだとすれば必ずあるはずの跡がどこにもないことを確認したコナンは、滝の排水口からあるものを発見する。それは、この事件の遺体運搬のトリックと真犯人を指し示すヒントとなるものだった。