事件ファイルCASE FILE
バレンタインの真実(解決編)
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コナンと小五郎、蘭が園子と一緒に山奥の吹渡山荘というロッジに来たのは、園子 と蘭がこの山荘でバレンタイン・チョコを作るためだった。そのチョコレートが事件の謎を解く重要なカギになるとはコナンにも予想できなかった。宿泊客のルポライ ター・二垣の撲殺死体がロッジ近くの森の中で発見され、様々な謎が残された。寒さ で遺体が凍っていたため推定できなかった死亡時刻を暗示するようなレンズの血痕を写したフィルムが所持品の中に残されていた。 小五郎はこれを見て犯行は昼間の内に 行われたと考えるが、コナンはトリックだと推理する。だが、遺体の傍らに置かれたチョコレートがそのトリックを台無しにしていた。
前オーナーの愛犬・三郎の名前の 由来を聞いたコナンは、事件のトリックと犯人に思い当たる(前回まで)。なぜ血痕 の影の写った写真の前に真っ黒な写真が 2枚写されていたのか。誰がロッジからチョコレートを持ち出し、なぜ遺体の傍に置いたのか。そして、誰が二垣を殺害したの か。謎は解けた。だが、証拠がない。コナンは蘭と園子、実果と亜子が昼間チョコ レート作りをしていたキッチンに入る。テーブルの上には遺体の傍らで発見された亜子のチョコ以外の 3つのチョコが載っていた。「to MAKOTO」と書かれた園 子のチョコ、チェック柄の実果のチョコ、そして、ハートの枠に縁取られた蘭のチョコ…。ネームの入ってない蘭のチョコを見たコナンの胸が痛む。その時、勝手口のド アが開き、吹雪と共に動かぬ証拠がロッジの中に入ってくる。
コナンはキッチンを覗 きに来た小五郎に麻酔銃を撃ち込み、キッチンに酒見、板倉、亜子、実果、千代子を 集めて『眠りの小五郎』の推理ショーを始める。なぜ遺体の傍にチョコレートが置かれていたのか。夜8時までキッチンにあったチョコレートが遺体の傍に置かれていた ことで、犯行時刻や関係者のアリバイは混乱し、犯人のトリックも台無しになった。
それは、事件とは直接関係のない、前オーナーの愛犬・三郎の仕業だった。三郎はコ ナンが遺体を発見した時にコナンと一緒にいた。だが、三郎そっくりの犬がもう1匹いたのだ。千代子が12年前に死んだと聞かされていた次郎は生きていた。千代子が毎 日墓参りをする時に交代しながら三郎と共に 1日置きに前オーナーと先妻の墓を守ってきたのだ。
2匹とも、山岳救助犬として訓練されていたため、遭難者に栄養価の高 いチョコレートを与え、意識を回復させるために顔をなめる。二垣の顔に拭き取ったような跡があったのはそのせいだ。チョコの謎を明かしたコナンは、事件の核心へと 迫っていく。
昼間に撮影されたと思われる血痕の影が写った写真がカメラの中に残っ ていたこと、その 1枚を最後に巻き取られていたのに犯人がフィルムを持ち去らなかったことの矛盾を真犯人に突きつける。そして、決定的な証拠を三郎が持ってきた ことを告げる。