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#85711月1日(日) 10:25~放送
フィリピン

今回の配達先は、フィリピン。ここでホテルを経営するモルテル琴さん(49)へ、高知県で暮らす父・敬三さん(79)の想いを届ける。
フィリピン本島から船で約1時間半の離島・ミンドロ島は、手付かずの大自然が残る隠れた楽園として、ダイバーに人気の島。琴さんは29歳のとき、借金をして島の土地を買い、ホテルを一から建てた。隅々まで理想を詰め込んだホテル「オリエントパールリゾート」は本館と別館があり、部屋数は全部で12。加えて、ダイビングショップも経営している。お客さんのほとんどは日本人で、みな琴さんの人柄に惹かれて常連になったという。
宿のレストランでは、琴さんが毎日腕を振るう。日本食にこだわり、メニューは親子丼やオムライスなど87種類も。地元の食材を使いながらも、外食で胃が疲れた宿泊客のため、日本で食べる味に仕上げることを一番に心掛けている。
高知でダイビングショップを経営していた父からは多くの影響を受けたといい、ダイビングを始めたのも父がきっかけ。念願だったダイビングのライセンスを取得後、ミンドロ島が大好きだった父に連れられ、18歳のとき初めてこの島にやってきた。美しい海にすっかり魅了された琴さんは、足繁く通うように。そしてダイバーだったウエリンさんと出会い、23歳で結婚。翌年、出産のため一緒に日本へ戻り、5年間高知の実家で暮らした。
一方、ダイビングショップで働いていた頃、ミンドロ島には日本人向けの宿が足りないと痛感していた琴さんは、次第に島に帰りたいという思いが募り、遂にはホテル建設を決意。周囲に反対されながらも意志は揺るがず、夫と娘の3人でミンドロ島に移住した。しかしその1年後、夫婦は建築費用の返済という問題に直面。そこで夫のウエリンさんはよりお金を稼ぐため高知に戻り、夫婦は別居。以来19年、ウエリンさんは高知で働き、成人した娘はフィリピン本島で就職。琴さんは島で1人、宿を切り盛りしている。 
琴さんは、オフシーズンの集客を増やすため、時間があけば動画を編集。ミンドロ島のツアーやアクティビティーなど、さまざまな情報をSNSで紹介している。中には、近所にある小さなアーチェリー場で矢を射る様子も。実は、学生時代はアーチェリーで国体に出場。琴さんは団体競技が苦手だと見抜いた父が競技を勧めてくれたといい、始めるとどんどん夢中になった。父はいつも、この子は何が得意か、向いているかを常に考えて興味のあるところに導いてくれたという。一方で、「自分で決めたからには弱音を吐かずにやり通せ」とも教えられたと振り返る。
そんな琴さんの仕事ぶりを誰よりも近くで見てきたのが常連客たち。いつも明るい琴さんだが、台風が島を直撃し、ホテルが浸水したときは初めて弱音を吐いたという。その様子を心配した客が仲間に呼びかけて支援金を募り、琴さんを援助してくれたことも。お客さんに支えられ19年。苦労も多かったが、ようやく借金返済の目処もついた。そして「日本に帰国することはあまり考えていなくて、健康なうちは働いてもいいんじゃないかなと。私にはここしかないですからね」と今の心境を語る。
ホテルの建設には大賛成だったものの、夫婦離ればなれの生活で日頃の切り盛りを心配していた父・敬三さん。だが、今の娘の様子に、「大好きな場所で、楽しくやっているところが見れてよかったです」と安堵する。
フィリピンの離島にホテルをオープンして19年。苦労の連続の中、常連客に支えられ頑張り続けてきた娘へ、父からの届け物はアーチェリー。琴さんがYouTubeチャンネルでアーチェリーをしている姿を見て、息抜きに楽しんで欲しいと新しく購入したものだ。
添えられた手紙には、娘を誇りに思いながらも頑張りすぎているのではないかと心配する父の気持ちが綴られており、琴さんは「そんなに心配をかけているとは思っていなくて…」と号泣。そして、28年ぶりに本格的なアーチェリーで的に矢を射ると、「お父さんは私がしたいことに気付くんですかね」と清々しい笑顔を見せるのだった。