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#8457月26日(日) 10:25~放送
カンボジア

 今回の配達先は、カンボジア。ここで植樹活動家として奮闘する西えり子さん(54)へ、岐阜県で暮らす姉・ゆかりさん(58)の想いを届ける。
 世界遺産アンコールワットで有名な観光都市・シェムリアップ。えり子さんは街の中心部で、飴を販売する「キャンディ・アンコール」というショップを経営している。2014年に開業した店で働く飴職人・関谷やよいさん(52)は、実は12年前に番組で取材した女性。その翌年にはぐっさんがやよいさんを訪ね、キャンディ・アンコールで飴づくりを体験したことも。そんな店の社長であるえり子さんが今、力を入れている新たな事業が、植樹。カンボジアでも深刻化する森林の減少を食い止めようと、2022年からシェムリアップの村で木を植え始めた。
 植樹を行うのは月に2回ほど。店の定休日に、やよいさんと共にトゥクトゥクをチャーターして村に向かう。当初、費用は全てえり子さんの自腹だったが、支援者が増えたため、今はクラウドファンディングのようなスタイルで協力を募っている。まずは植木店に立ち寄ると、苗木を22本購入。植樹をする場所は民家の庭で、村をランダムに走り、よさそうな庭を見つけると飛び込みで交渉する。また、場所を提供してくれた家にもメリットがあるよう、木は果実が収穫できるフルーツを植えている。この日も庭を探していると、3年前に植樹した集落があったので立ち寄ることに。すると、かつての苗木はたくましく育ち、大きなジャックフルーツの実がなっていた。
 そんな中、木を植えてくれる村人が見つかった。2人は苗木と一緒に支援者の名前を記した石を植え、その様子を撮影。支援者には木を植えた座標と動画が送られる。現在、590本を植樹。目標は1000本だが、「木はどれだけあってもいいと思うので、私の体が動く間はずっとやり続けたい」と語る。
 えり子さんの地元は、自然豊かな岐阜県の高山市。上京後は、写真や音楽など好きなことに手当たり次第チャレンジしたが、25歳のとき、1冊の本によって人生が一変する。手に取ったカンボジアの本には、5年弱の間に100万人以上が虐殺されたポル・ポト時代のことが書かれていた。居ても立ってもいられず渡った30年前のカンボジアは地雷だらけで、人々は貧しかったが、その笑顔はみな輝いていた。えり子さんは夢中でシャッターを切り、東京でポストカードにして販売。売上金を全て食べ物や衣服に換え、村人に配り還元した。
 そんな行ったり来たりの生活を10年続け、35歳のときに20歳年上のパートナーと共にカンボジアへ移住。そして42歳でキャンディ・アンコールを始めようと、やよいさんをスカウトする。しかし、オープンの3か月前に突然、最愛のパートナーが余命宣告を受け、他界。当時、後を追いそうだったえり子さんを、やよいさんは必死にサポートしたという。うつ状態から立ち直ったのは、3年後。以前はあえて仕事を詰め込んでいたが、今はしっかりと休日も確保。朝4時に起床し、アンコールワットの近くで日の出を眺めるのが一番の楽しみだ。
 いつも明るく、前向きに仕事や植樹活動に取り組むえり子さん。だが、そんな妹の様子を見た姉・ゆかりさんは「今はああいう感じですが、昔はそういう子ではなかった。カンボジアに行ってから、常に笑う元気な子になったんじゃないかと思います」と明かす。
 植樹で村を訪ねた2日後、えり子さんとやよいさんは、3年前に植えた木から収穫したジャックフルーツを試食することに。その味に、「今までに食べた中で一番おいしい。これを食べてくれているなら、村の人はうれしいと思う」と安堵する。
 壮絶なカンボジアの歴史を知って海を渡り、次世代のために奮闘する妹へ、姉からの届け物は、亡き父が愛用していたハンチング帽とえり子さんの大好物の豆餅。母が生前作っていた味を、姉が記憶を頼りに初めて作ったものだ。そんな姉に対し、えり子さんは「もう本当に感謝しかないです。お姉ちゃんは長女という立場で、最後まで両親の面倒を見て、凛とした姿でいてくれたのですが、今度日本に帰ったら、お姉ちゃんと手をつないで歩きたいですね。本当に大好きです」と率直な想いを伝えるのだった。