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#5993月28日(日) 10:25~放送
海の向こうのアーティストは今!?

 次回で放送600回を迎える『グッと!地球便』。そこで2週にわたって「海の向こうのアーティストは今!?」と題した特別企画をおくる。ぐっさんこと山口智充がこれまでに登場したアーティストの現在の様子を取材。さらに、各国のアーティストとぐっさんが、世界を繋ぐ1曲だけのスペシャルライブを開催する。
 最初に中継を繋ぐのは、3年半前に紹介したヴァイオリニストの市原洋子さん(49)。当時はイタリアのブルニコというチロル地方の小さな町で暮らしていた。6歳でヴァイオリンを始めた洋子さんは、ローマの名門音楽学校に留学し首席で卒業。同じくヴァイオリニストである夫のマルコさんらとカルテットを結成し、世界各国で音楽活動を行っていた。ローマからブルニコに引っ越したのは半年前。内気な性格で学校も休みがちだった娘のセリーノ市原ゆきさん(当時11)を案じて、のどかな田舎町であるブルニコに移住したのだった。今ではすっかり笑顔も友達も増えたゆきさん自身も3歳からヴァイオリンを始め、音楽学校には通わず才能を伸ばしてきた。8歳と9歳のときにはローマの音楽院が主催するコンクールで連続優勝。子どもとは思えないテクニックと伸びやかで感受性豊かな演奏に、審査員たちも天才少女が現れたと驚きを隠せなかったという。そして当時、11歳ながら異例の大抜擢で、音楽院が開く演奏会にソリストとして招待された。そんな大舞台で、祖父母から届けられたカチューシャを付けて見事満員の聴衆を魅了したゆきさんは、現在14歳に。とにかくヴァイオリンが大好きで毎日練習に明け暮れ、数々のフェスティバルにも出演したという。ただイタリアは今、新型コロナウイルスの影響でロックダウンが繰り返され、外出はほとんどできていないそう。そこでゆきさんと洋子さんが、自宅から親子2人でヴァイオリンの演奏を披露する。
 続いてのアーティストに会うため、ぐっさんがやってきたのは京都。西京区にある京都市立芸術大学を訪ねる。6年半前、ドイツ・ベルリンで現代音楽の作曲家として活動していた酒井健治さん(43)。現代音楽とは、モーツァルトやベートーベンなど偉大な作曲家とともに発展してきたクラシック音楽の現在の形のことで、健治さんは2012年に世界三大音楽コンクールの一つ、エリザベート王妃国際音楽コンクールの作曲部門でグランプリを獲得。“ケンジ・サカイ”の名は一躍世界に知られ、各国から作曲の依頼が舞い込むようになった。6歳でピアノを習い始めて、8歳で初めて曲を作り、高校生のときには作曲で生きていくことを決めていた健治さん。しかし、その頃描いていた未来は、クラシックの道ではなくプロデューサーになること。’90年代に活躍した小室哲哉や小林武史の姿に憧れ大学の作曲科に進むも、そこで現代音楽に出会い魅了されたのだった。取材後も、若手芸術家の登竜門といわれるローマ賞を受賞。またX JAPAN・hideさんのトリビュートアルバムで楽曲のオーケストラアレンジを手がけるなど、ますます活躍の場を広げていた。そして現在は国内外から依頼された作曲活動を行いながら、母校である京都市立芸術大学で作曲専攻の講師を務めている。「学生が自分の描きたい世界を描き切る、そういうことができるような音楽家に育ってほしい」と願い教鞭をとる健治さん。そんな健治さんが今回、『グッと!地球便』のためにオリジナル曲を作曲。いよいよ次回の600回スペシャルで、海の向こうで活躍する13人のアーティストとぐっさんがコラボし、世界を繋ぐスペシャルライブを開催する。