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#5032月24日(日)10:24~放送
オーストリア・ウィーン

 今回の配達先は、オーストリアのウィーン。声楽家として奮闘する鈴木玲奈さん(30)へ、日本に住む母・智恵さん(58)、祖母・幸子さん(88)の思いを届ける。
 ウィーンはモーツァルトやベートーベンなど数多くの巨匠が活躍した音楽の都。1年前、玲奈さんは、武者修行としてこの地にやってきた。現在通うのは、ウィーンでも最古の歴史と権威を誇る音楽学校「プライナー音楽院」。一流の講師陣が揃い、世界中から才能ある学生が集まる学校で、楽曲が作られた時代背景や歌詞の捉え方などを教える歌曲解釈の大家である先生から指導を受け練習に励む。
 ピアノ講師だった母の影響で幼少からクラシックを身近に聴いていた玲奈さんは、高校から本格的に声楽を始め、母と同じ東京音楽大学に入学。大学、大学院を首席で卒業する。学生時代から様々なコンクールで優秀な成績を収め、2017年には国内で最も権威ある「日本音楽コンクール」の声楽部門で優勝するなど、輝かしいキャリアを残してきた。本場の舞台を夢見てウィーンでも数多くのコンクールに挑戦してきたが、日本では負け知らずだった玲奈さんも、現地ではいまだ結果を残せず悔しい日々が続いている。次に出場するのは、「リューバ・ヴェリッチ国際声楽コンクール」。国籍、性別を問わない100人以上の申し込みの中から最終審査に勝ち残った9人で争われ、コンクールとしては小規模ながら出場者は皆ハイレベル。さらに審査員にはオペラのプロデューサーや作曲家、オーケストラの指揮者などが顔を揃え、彼らに認められれば仕事につながる可能性もある大きなチャンスとなる。玲奈さんは今回の勝負曲として、オペラ「ホフマン物語」に登場するゼンマイ仕掛けの人形・オランピアが歌うアリアを選ぶ。高音で細かく音程が変化するうえ、人形らしい動きをあえてコミカルに演じながら観客の笑いを誘うこともある歌曲。玲奈さんが得意とする高い音域と自身のキュートなキャラクターを活かせる一方、表現力が問われる難しさも。ウィーンで過ごした1年間の集大成となるコンクール、果たして結果は…。
 母の智恵さんは、小さい頃の玲奈さんについて「外を歩いていても常に大きな声で歌っているので、近所でも有名な子どもだった」と振り返る。とにかく歌が好きだったので、本人が望むならと本格的な道へ送り出したという。娘のステージにはいつも足を運び、時には伴奏を務めるなど娘を支えてきた智恵さん。玲奈さんも「母があっての今。一番の理解者で、一番応援してくれる人で、一番厳しい人」と語る。声楽という厳しい道を選び、ずっと二人三脚で歩んできた母の元を離れ挑戦を続ける玲奈さん。音楽の本場で一人戦う娘に届けられた母の想いとは。