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#4562月18日(日)10:25~放送
アメリカ・ニューヨーク

 今回の配達先は、世界中のダンサーが夢を追って集まるショービジネス最先端の地、アメリカ・ニューヨーク。ここでプロのダンサーを目指す朴木晴香さん(20)と、大阪・大東市に住む父・健吾さん(46)、母・清恵さん(45)をつなぐ。高校卒業後、ダンス留学でニューヨークに渡った晴香さん。両親は、「留学には反対だった。ダンスを仕事にするのはとても難しいこと。それにやっぱり寂しかった」と、送り出した当時の思いを明かす。
 晴香さんが通うマンハッタンのダンス学校は、バレエ、コンテンポラリー、ジャズ、ヒップホップなど多彩なダンスが学べ、世界中から生徒が集まっている。その中で晴香さんにはほかの生徒にはない大きな武器がある。それは“アニメーションポップ”と呼ばれる、最先端のダンス。奇妙な動きが特徴のダンスで、アメリカでも踊れるプロは少ないという。
 ニューヨークへ来て1年半。晴香さんはこのダンスを武器に大勝負のステージに立とうとしている。それは、アメリカでもっとも有名なクラブのひとつ「アポロシアター」で行われる、パフォーマーの登竜門ともいわれるイベント「アマチュアナイト」。スティービー・ワンダーやジャクソン・ファイブなど、何人もの世界的なビッグスターを輩出してきた権威ある大会だ。晴香さんは、今年3月のオーディションから何度も勝ち上がり、年間チャンピオンを決める決勝大会「スーパー・トップ・ドッグ」への出場権を手に入れたのだ。オーディション参加者の延べ人数は1000人近く。弱冠20歳のキャリアで決勝に進出するのは極めて異例だという。
 小学5年生からダンスを始め、数々のコンテストで入賞してきた晴香さん。中学時代にはすでに留学を決意し、苦手だった英語を猛勉強。さらにアルバイトで留学資金100万円を貯め、高校卒業と同時に海を渡った。しかし、当初の資金はこの1年間の授業料でなくなり、今はすべてのお金を両親に頼っているという。晴香さんは「高校を卒業してすぐにアメリカに来たので、貯金するのも限界があった。今は両親にすごく助けてもらっていて申し訳ない。早くプロのダンサーとして自立することが目標」と話す。
 晴香さんが「スーパー・トップ・ドッグ」で挑むのは、アメリカに来て一から習得したバレエと、得意のヒップホップ、ブレイクダンスなど、自分のできる技をすべて盛り込んだ、この1年半の集大成ともいえるダンスだという。そんな大舞台の前日、ニューヨークまで見に来ることができなかった日本の両親から、小さなテディベアが届く。晴香さんが生まれた時、母がお守りのように大事にしていたもので、添えられた手紙には「一緒にアポロシアターに連れて行ってください。晴香らしく悔いのないよう『スーパー・トップ・ドッグ』に挑んでね。日本から応援しています」と綴られていた。両親の思いに、晴香さんは「うれしい!頑張ります」と涙する。
 いよいよ「スーパー・トップ・ドッグ」当日。1500以上の客席は満席で立ち見も出る盛況ぶり。最終決戦に残ったのはサックスプレイヤー1人、歌手5人、そしてダンサー3組の計9組。「優勝できたら、私の人生の中で一番の恩返しになる。両親を喜ばせられる機会になれば…」。今の自分のすべてをぶつける見事なダンスで、観客を大いに沸かせた晴香さん。果たしてその結果は?