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#4081月29日(日)10:25~放送
ポーランド・スレフフ

 大好きなメタルバンドを追いかけて2年前にポーランドに渡った岡田早由さん(25)と、群馬県に住む父・久男さん(62)、母・孝子さん(58)をつなぐ。現在は現地で出会った彼氏・クシュシュトフさん(36)の実家に居候している早由さん。アルバイトをしながらバンドマンをしている彼について、両親は「結婚はもちろん反対。食べていけるわけがない」といい、早由さんの将来を案じている。
 クシュシュトフさんは鉄道会社でアルバイトをしながら、CDデビューもしている今売出し中のバンドのドラマーとして活躍。しかしバイトとライブのギャラだけでは十分な収入になっていないのが現状だ。早由さんも仕事を探してはいるがなかなか見つからず、まだ定職に就いたことはないという。彼と父親が仕事で外出する平日の昼間は、クシュシュトフさんの母親・ワンダさん(61)に料理を習ったり、ポーランド語を教わったりしながら2人きりで過ごしている。
 2年前、ポーランドのバンドの追っかけをしていたとき、前座でドラムを叩いていたのがクシュシュトフさんだった。ある時、泊まるところに困っていた早由さんに声をかけ、助けてくれたのがきっかけで付き合うことに。早由さんは「1回しか会ったことがない人のことも心配する優しい人。しかも見返りを求めない」と彼に惹かれた理由を語る。
 彼女がメタルにハマったのは11歳のとき。両親の過大な期待やストレスなど、抱えていたさまざまな悩みを解決してくれたのがメタルだった。中でも夢中になったのがポーランドのメタル。大学卒業後は“少しでも近くで感じたい”と、勤めていた会社を2カ月で退社し、日本を飛び出した。
 ポーランドで日本人の彼女が働ける場所はなかなか見つからないが、「この国では誰かが手を差し伸べてくれる」と早由さんはいう。ポーランドの人は無いお金を工面してでも他人を助けようとするそうで、クシュシュトフさんもそんな1人だ。最初、早由さんは彼に「お金が無いんだから、人のことを心配する前に自分で貯金したら?」と忠告したが、「君はお金はあるけど自分のことしか考えられない可哀そうな人間だ」と言われショックを受けたという。以来、早由さんは“この国でもっと暮らしたい”と思うようになった。
 「将来はポーランドのメタルを日本の人たちに知ってもらうために働きたい。心配する両親に早く自分の夢を形にして見せてあげたい」と言う早由さん。結婚については「彼とできたらしたいですけど…。でも両親は心配でしょうね」と言葉を濁す。一方、クシュシュトフさんも「彼女は一番大切な女性。結婚について考えてはいるけど、ただ僕は一度離婚しているから…」と慎重だ。だが、2人の結婚を願うクシュシュトフさんの母・ワンダさんは、日本の両親に向け「心配しなくても大丈夫。私たちがちゃんと彼女を愛して面倒を見ますから」と語りかける。
 そんな早由さんに両親から届けられたのは、たくさんの日本の食材。「いつもお世話になっている彼の家族と食べてほしい」と、感謝の思いが込められていた。同封されていた母手作りのお守りを見て大粒の涙をこぼす早由さんを、しっかりと抱きしめるワンダさん。2人の姿に日本の両親は感激し、涙するのだった。