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#2395月12日(日)10:25~放送
ボリビア/ウユニ

今回のお届け先はボリビア。南米各地の絶景地を飛び回るツアーコンダクターの本間賢人さん(27)と、千葉県に住む父・重夫さん(58)、母・初枝さん(56)をつなぐ。大学卒業後、さまざまな仕事を転々とし、2年前に南米のツアー会社に入社。憧れの地でようやく“自分の仕事だ”と思える仕事を見つけた賢人さん。一代で自分の会社を築いた父は「どんな仕事でもいい。ひとつ自分の信念を持って“俺はこの道で行く”というものを極めて欲しい」と、見守っている。

 賢人さんが勤めているのはエクアドルに本社を構えるツアー会社で、一人旅から団体旅行まで、季節に応じて中南米各地を案内する。この時期、賢人さんがツアーコンダクターとして活動しているのは、ボリビア西部の高地にある田舎町・ウユニ。2年前に空港が開港したことで、世界各国から観光客が押し寄せるようになった。お目当ては絶景のウユニ塩湖。静寂に包まれた湖面に大空が映り込む光景が「天空の鏡」と称されている。

 人気のウユニ塩湖を観光するツアーでは、必ず地元のドライバーに案内を頼むという。鏡のような映り込みが見られるのは水深がわずか2cmほどのところ。そのポイントは水の量と天候によって刻々と変化するため、四国の面積の2/3ほどもある広大な湖で探し出すには、塩湖を知り尽くした現地ドライバーの協力が必要不可欠なのだという。「“天空の鏡”にお客さんを案内するときは毎回緊張する。“ある”と言って連れて行っても見つけられないこともある。見つけたときには本当にホッとする」と賢人さん。

 ウユニ塩湖のツアーでは、賢人さんが途中の市場で買った肉などを塩湖の塩でバーベキューにし、絶景の中でお客に昼食として振る舞うという。これにはみんな驚き、大感激する。ありきたりのツアーでは満足しない賢人さんが最初このバーベキューの企画を思いついたとき、会社の上司は手間とコストに収益が見合わないと大反対したが、半ば強引に実現させたという。“お客さんを驚かせたい”“心の底から楽しんで欲しい”…そんな思いが彼の原動力なのだ。

 将来の進路に悩んでいた大学生の時、初めてエクアドルへ渡り、南米の魅力に取り憑かれた賢人さん。卒業後、ガイドや自然保護の仕事で南米と日本を行き来しながら自分の生きる道を探し続け、2年前に今の会社に入社。ようやく「これが俺の仕事だ」と思えるものに出会えたという。「僕の大好きな南米をお客さんに見てもらい、“一生の思い出になった”と言われると一番嬉しい」。そう語りながら、その時の事を思い出して感極まる賢人さん。「一生に何度も来られない南米だからこそ、“1番”を目指したい」。さらなる理想の旅を目指し、賢人さんは現在の会社をやめて“独立”という大きな決断をしようとしているのだ。

 「自分がツアーを企画したりガイドをするとき、お客さんに楽しんでもらおうと思いながら形にしていくのは、親父を見てきたからだと思う」という賢人さん。父は何事にも真面目で一生懸命。仕事だけでなく、子供会では御輿を率先して作り、幼い頃は手作りの凧をよく一緒に河川敷で揚げた思い出があるという。

 そんな父からのお届け物は、故郷・千葉の「彦一凧」。父がよく作ってくれた思い出の凧だ。そこには“どんなに厳しい風が吹いても、夢を叶えるために高く飛んで欲しい”という願いが込められていた。賢人さんは「厳格な父だったけど、僕のことをいつも考えてくれた。いつか両親をこの中南米に招待したい。それが僕の夢です」と涙で語るのだった。