読売テレビ・日本テレビ系 ビンタ!~弁護士事務員ミノワが愛で解決します~

毎週木曜よる11:59放送 7月3日(木)スタート!

スペシャル Special

弁護士イシイは法知識で解決します弁護士イシイは法知識で解決します

このコーナーでは法律監修の石井弁護士が、
“愛”と“法知識”で身近なトラブルを解決します!!

弁護士 石井誠一郎 プロフィール

現在弁護士であるが、検事や裁判官(非常勤)を務めたこともあり、法曹全般についての幅広い経験をもつ。「法の番人に気をつけろ」(新潮社)、「泣き寝入りしないための弁護士の知恵」(講談社)などの著書で一般市民向けに法律をわかりやすく解説している。「アイシテル」・「Mother」・「デカワンコ」(いずれも日本テレビ)などのテレビドラマの法律監修も多数手がけている。

【第10話】嫁姑問題

よくある事例

結婚8年目の主婦です。5歳の長女が1人います。夫は母親に溺愛されて育ったため、いわゆるマザコンで、姑の言うことには一切逆らえません。姑は一人暮らしで、近所に住んでいるため、しょっちゅう私たちの家に来ては、掃除がなっていないだの、洗濯物の干し方がだらしないというに止まらず、私の育ちが悪いなど、さんざん文句を言います。最近、夫は姑と一緒になって、私の家事についていろいろと文句を言うようになり、挙げ句の果てに離婚したいから出て行けというようになりました。
私は離婚に応じなければならないのでしょうか。

離婚に応じる必要はありません。
離婚には、「協議離婚」といって、離婚の原因がどうあれ、夫婦が合意で離婚できるほか、合意ができなくても裁判で離婚させられる「裁判上の離婚」があります。ご相談者は、離婚の意思はないのですから、裁判上の離婚が認められるかどうかを検討することになります。これが認められるには「不貞行為」などのほか「婚姻を継続しがたい重大な事由」がなければなりません。別の言い方をすれば、婚姻が「破綻」している必要があります。「婚姻の破綻」とは夫婦が同居し、相互に協力し合って共同生活を営むことができない状態を言います。ご質問のケースは婚姻が破綻しているとまではとてもいえないケースです。
また、仮に婚姻が破綻しているとしても、姑の嫁いびりに加担するような夫からの離婚請求は、「有責配偶者」からの離婚請求といって、いずれにせよ離婚は認められないと考えられます。