◆ことばの話3405「すっぱいい」

JR環状線の電車の中で見かけたKANRO(カンロ)の「ピュレグミ」という商品の広告に、
「おニューな、カンジ!」
というコピーを見つけました。おお、まだ、
「『おニュー』なんて言葉が使われてる!リバイバルかな?」
と思って、つい見てしまいました。この分だと、
「ナウなヤング」
が出てくるのも時間の問題でしょう。さらにそこには、
「すっぱいい」
と書かれていました。「すっぱ」くて、味が「いい」んでしょうね。お、これって、日本テレビの番組の、
『深イイ話』
に通じるなあ。形容詞の語尾の「い」を重ねて、「いい」=「良い」にして使うやり方が、もしかしたら流行っているのかもしれないな、と思いました。
2008/10/20


◆ことばの話3404「NI」

いつも休みの日に車を運転して通る道路沿いに、新たに牛丼店ができました。その店舗、ドライブスルーもあるらしく、駐車場の入り口のところに、いわゆるサインボードがアルファベットで、
IN
と書いてあります。これはよく目にする光景なのですが、「え!」と驚いたのは、帰りにその道路を逆向きに走った時のこと。「IN」と逆方向から入る車へボード(つまり「IN」のボードの裏側)の表記が、わざわざ
NI
になっているのです!これは一体、どういうことか?なんと読むのか?「二」なのか?
うーん、謎だ。今度お店に寄って、理由を聞いてみたいと思います・・・あ、もしかして、そういうお客さんを狙っているとか?
なお、ことば事情140「くらいめ阪大」もお読み下さい。
2008/10/15


◆ことばの話3403「ATMの日本語訳」

10月15日、2か月に1度の年金の振込み日です。全国の警察は、「振り込め詐欺」の被害をゼロにしようと、この日、全国のATMに警察官5万6000人を動員して張り付けて、犯罪の防止に努めたという記事が10月15日の各紙夕刊を飾りました。
その中で、各新聞の「ATM」の日本語訳が、微妙に違うことに気づきました。
(読売)現金自動預け払い機
(朝日)現金自動出入機
(毎日)現金自動受払機
(産経)現金自動預払機
(日経)<日本語訳なし・ATMのまま>
ちょうど今日(10月15日)の産経新聞の連載コラム「校閲日記」も「ATMとATS」の日本語訳について書かれていました。それによると、コラムの筆者が以前、
「『ATS』の訳は産経新聞では『列車自動停止装置』で、『自動』よりも『列車』が先にきている。つまり『T=Train、A=Automatic』という順番で訳している。でも英語の『A=Automatic、 T=Train』の順で訳すなら『自動列車停止装置』と訳すべきではないか?」と先輩に言ったら、
「『ATM』の場合は『現金自動預払機』で『現金』が先で『自動』があとになっている。これと一緒だろ」
と言われたと。しかし、ハンドブックが改訂されて、「ATS」の訳語は、
「自動列車停止装置」
になったとのこと。この順序がわかりやすいんですかね、聞き慣れているから。
なお読売テレビ系は、
「ATM」=現金自動預け払い機
「ATS」=自動列車停止装置
となっています。
2008/10/15


◆ことばの話3402「大阪川床」

コンプライアンス室からメールです。
「お忙しいところ申し訳ございません。先週、視聴者センターに、『ニューススクランブル』で取り上げた、大阪・北浜に川辺の特等席が期間限定でオープンの話題で、
『“川床(かわゆか)”て言ってたけど“川床(かわどこ)”が正しい』
というのがありました。実際のところはどうなんでしょうか?(一説によると「貴船=かわどこ」、「鴨川=かわゆか」で読み方が違い、どちらも正しいと言えるのだけど、北浜の場合は?)」

ふーん、北浜の「大阪川床」かあ、わからないなあ。直接聞いてみるのが一番!と電話してみました。
「大阪川床“北浜テラス”」
を1か月限定で開いている「水都大阪2009実行委員会」というところです。そこで単刀直入、
「大阪川床の『川床』はカワユカでしょうか?カワドコでしょうか?」
と聞いたところ、
「カワユカです」
というお答えでした。やはり当人にじかあたりが、こういう場合は確実ですね。番組での読み方が正しかったわけですが、そのあたりをもう少し説明しておけばよかったですね。
2008/10/15


◆ことばの話3401「欧州資本注入」

けさ(10月15日)の朝刊の記事の見出しを見て、
「え!」
と驚きました。そこには、
「欧州、資本注入枠37兆円」
とあったのですが、これをみて私は、
「琴欧洲が37兆円も八百長をやっていた?」
と一瞬思ってしまったのです。「琴欧洲」のことを新聞の見出しでは「琴欧」とか「欧洲」とかいうふうに略すし、「注入」と「注射」、似てますし、つい勘違いしてしまいました・・・。よく見たら「日本経済新聞」だから、「欧州」が「琴欧洲」ってこともないか。「州」と「洲」、漢字も微妙に違うし。
琴欧洲関、ごめんなさい、欧州もごめんなさい。欧州ひいては全世界の経済が安定することと、土俵が正常化することを心から願っています・・・。
2008/10/15
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スープのさめない距離