◆ことばの話1140「松坂世代」

スポーツ紙や新聞のスポーツ面、そしてテレビのスポーツニュースで、最近よく耳に目にするようになった言葉に、

「松坂世代」

という言葉があります。西武ライオンズの松坂大輔投手と同じ学年の選手を指しているようですが、それなら、松坂が入団した年にそういう言葉が出てきてもよさそうなものでしたが、出てきたのは去年あたりから。という事は、この言葉が指す本当の意味は、

「大学卒で、あるいは実業団から去年のドラフトで選ばれて入団した、松坂投手と同じ年生まれ(同じ学年)の選手」

のことを指していると言ってよいのではないでしょうか。松坂投手はご存知のように横浜高校を出てすぐにプロの道に進んだわけですから、その時点では、松坂は注目されていましたが、その「世代」全体にまで注目はいかなかった。注目するような実力を、高卒のその時点で持っている選手は、松坂投手以外にはあまりいなかったということかもしれません。そして4年間、松坂がプロとして実績を残し地位を固める中、大学や実業団で力を伸ばし貯えてきた同年代の選手達が、満を持してプロの世界に飛び込んできた。こいつらがなかなか力を持っている。年代はあの松坂と同じ、ということで「松坂世代」と呼ばれるのでしょう。一見すると、ふた昔も前に流行った「新人類」的な、世代をひとくくりに呼ぶ名前のようですが、この言葉には期待と尊敬の念が込められているように思えます。
朝日新聞をネットで検索したところ、「西武・松坂と同じ1980年生まれの選手を『松坂世代』」としているようです。

具体的には、ダイエーの新垣(あらかき)渚投手と和田毅投手、巨人の木佐貫洋投手、久保裕也投手、阪神の杉山直久投手、江草仁貴投手、広島の永川勝浩投手、横浜の土居龍太郎投手、西武の長田秀一郎投手、オリックスの加藤大輔投手あたり。投手が目立ちます。野手では西武の後藤武敏選手、横浜の村田修一選手あたり。

Googleで「松坂世代」を検索したら、1810件出てきました。(4月19日)
もしこの世代の選手が活躍すれば、きっと年末の流行語大賞にノミネートされるのではないでしょうか。新人王争いも楽しみですね。

2003/4/19




◆ことばの話1139「ラムズフェルドのアクセント」

ラムズフェルド氏は、アメリカ合衆国の国防長官である。イラク戦争で、毎日のようにテレビに顔が出てくる。ブッシュ大統領よりも登場回数が多いかもしれない。
その「ラムズフェルド」のアクセントが、アナウンサーや記者によって、微妙に違うのにお気づきだろうか?
「LHHHLL」という中高アクセントの人と、「HLLLLL」という頭高アクセントの人がいるのだ。読売テレビのアナウンサーに、ニュースで読む時に、どちらのアクセントを使うかを聞いてみたところ、

中高=6人(坂、村上、森、清水、野村、横須賀)
頭高=8人(植村、森若、大田、尾山、三浦、萩原、脇浜、道浦)


真っ二つに割れました。このほか、テレビで耳にした他局のアナウンサーの発音は、

中高=金子キャスター(NTV「ニュースダッシュ」)、武田アナウンサー(NHK)
頭高=多昌アナウンサー、羽鳥アナウンサー、阿部アナウンサー(以上NTV)

といったところ。
おそらく、中高アクセントは、外来語として日本語に取り入れたことを示しているのでしょう。そして頭高アクセントは、英語のアクセントをそのまま取り入れたのではないかと思われます。
英語は強弱アクセント、日本語は高低アクセントという違いがあります。「ラムズフェルド」の場合、英語で「ラ」にアクセントが来ると、「ラ」を高くして「ムズフェルド」は低く発音することになります。
ブッシュとかパウエルとかライスなどという比較的短い名前(単語)の場合は、元のアクセントのまま、頭高アクセントで外来語として定着しますが、長い名前の場合は、英語のアクセントのままで外来語になるものと、日本語アクセントの型にはめてしまうケースが出てくるのですね。その長さの境界線は、どのあたりにあるか?おそらく「ラムズフェルド」は、ちょうどその境界線あたりなのでしょう。ということは、「ラ・ム・ズ・フェ・ル・ド」という6拍あたりかな。(英語の「ラムズフェルド」の「拍」はもっと短くて、3〜4拍何でしょうね。)「モーラ」と「シラブル」だっけ、なんか専門のそういうのがあるようなのですが、いつまで経ってもそのあたり、よくわからないんです。混乱してしまうので・・・。
結局、「ラムズフェルド」は、頭高アクセントでも中高アクセントでもよいということで。

2003/4/19

(追記)

「アーミテージ」アメリカ国務副長官も、頭高アクセントと中高アクセントの両方がある名前ですね。

2003/4/27
(追記2)

5月1日(木)お昼のニュース午前11:48、テレビ朝日のワシントン支局の男性記者は「ラムズフェルド(HLLLLL)」と頭高アクセントでした。

2003/5/1
(追記3)

5月3日(土)NHKの正午のニュースの出山アナウンサーは、頭高アクセントで「ラムズフェルド(HLLLLL)」と原稿を読んでいました。ついでに言うと「政府専用機」のアクセントも、「政府・専用機(HLL・LHHLL)」と二つに分けずに、「政府専用機(LHHHHHLL)」とコンパウンドしていました。

2003/5/3
(追記4)

「ウォルフォウイッツ」米国防副長官も、アクセントに迷います。私は断然、「頭高アクセント派」ですが、6月3日のNHKニュースを読んでいた宮田修アナウンサーは、
「ウォルフォウイッツ(LHHHHHL)」
と中高アクセントで読んでいました。

2003/6/13
(追記5)

来日しているラムズフェルド国防長官が沖縄を訪れました。その模様を伝えた今日(11月16日)のNHKのお昼のニュースでの発音は、
「ラムズフェルド(HLLLLL)」
と、頭高アクセントでした。たぶん出川アナウンサーだと思うのですが。でも沖縄放送局のアナウンサーかもしれません。

2003/11/16
(追記6)

1年ぶりの追記です。ブッシュ大統領の再選を受けての国防長官の人事で、ラムズフェルド長官の留任が決まりました。で、このニュースを伝えてテレビでの「ラムズフェルド」のアクセントをチェックしました。
12月4日昼のTBS長峰由紀アナウンサーは、
「ラムズフェルド(HLLLLL)」
と、頭高アクセントでしたが、祖の後に出てきたワシントン支局の日野桂文記者は、
「ラムズフェルド(LHHHLL)」
と、中高アクセントでした。現地の記者で中高アクセントというのは、日テレの呉記者(去年)と同じですね。テレ朝の記者は頭高でした。
また同じ日のNHKのお昼のニュースの男性アナウンサーは、
「ラムズフェルド(LHHHLL)」
中高アクセントでした。

2004/12/6

(追記7)

2005年11月2日のNHKラジオ第一を聞いていたら、お昼のニュースで二見アナウンサーが、
「ラムズフェルド(HLLLLL)」
「頭高アクセント」で読んでいました。また同じ日の夜のTBS「ニュース23」では、男性ナレーターが、
「ラムズフェルド(HLLLLL)」
「頭高アクセント」でした。
2005/11/6


◆ことばの話1138「六無斎」

「六無斎(ろくむさい)」という言葉を聞くと思い出すことがあります。10年ぐらい前でしょうか、当時、手術のために入院した日本テレビの野球担当Oアナウンサーが、無事退院されたということで、うちの先輩アナウンサーTさんが、

「Oさんの好きな日本酒を送りたいけど、オレは酒は飲まないのでわからないから、選ぶのに一緒について来い」

と言うのです。会社の近くの酒屋さんに行ったところ、なかなかおいしそうな清酒がありました。ラベルもシンプルでかっこいい。Tさんも気に入って、それを送りました。ただ、その時に少しだけ私の頭に引っかかったのが、そのお酒の名前。そう、それが「六無斎」なのです。
帰り道で、「六無斎」の歌を思い出した私は、Tさんに言いました。

「Tさん。」
「ん?なんだ?」
「あのう、さっきの『六無斎』って、たしか江戸時代の林子平のペンネームみたいなもので・・・」
「それがどうした?」
「その意味なんですけど、歌に詠まれていて、『親もなく 妻なく子なく 版木なし 金もなければ 死にたくもなし』という、ないないづくしで、『六つ、無し』なんで『六無斎』というふうに言われていたと・・・。」
「・・・(絶句)・・・まずいな。もう、送っちゃったしな・・・。ま、いいか。」


と、知らなかったことにして、そっとしておきました。
2週間ほどしてTさんが、

「こないだの酒な、Oさんから、『結構なものを、ありがとうございました』って、礼状来たぜ。気づかなかったみたい。」

ということで、事無きを得たのでした。
「快気祝」に向く酒と、向かない酒の名前があるというお話でした。

2003/4/18




◆ことばの話1137「ジーコジャパン」

4月16日、アウェイのソウル・ワールドカップスタジアムで、サッカー日本代表は、終了間際の永井雄一郎(浦和レッズ)の幸運なゴールが決まり韓国に1対0で勝ちました!対韓国戦で5年ぶりの勝利です。なかなかいい試合でした。1997年11月の、フランスワールドカップ・アジア最終予選の韓国戦の時は、私も休みを取ってソウルのチャムシル(蚕室)スタジアムまで見に行きましたが、その時は2対0で日本が勝って、とても満足したのを思い出します。
さてその日本の勝利は、昨年、代表監督がジーコになってから4試合目での初勝利でした。今朝(4月17日)の朝刊は各紙、その様子を伝えています。ジーコ監督率いる日本代表のことをテレビでは各局「ジーコ・ジャパン」と言っていますが、新聞の表記は各紙、微妙に異なります。

朝日・産経・日経=「ジーコ日本」
読売=「ジーコジャパン」
毎日=「ジーコ・ジャパン」


新聞の見出しは、限られた紙面を有効に使うための字数制限があるため、しょうがなしに4文字の「ジャパン」ではなく、2文字の「日本」を使っているのでしょう。
ところで、そもそもこの監督の名前の後に「ジャパン」を付けて代表チームを呼ぶという言い方は、いつ頃から始まったのでしょうか?インターネットの検索エンジンGoogleで、その頻度を調べて、いつ頃から始まったかを見てみましょう。最初は単純に「監督名ジャパン」と「監督名・ジャパン」(間に中黒の「・」が入っている)というので引いて、現在のジーコ監督から溯って、ここ15年ぐらいを調べました。

ジーコ・ジャパン=   5640件
ジーコジャパン=   5190件
トルシエ・ジャパン=   8490件
トルシエジャパン=   4560件
岡田・ジャパン= 2万 7100件
岡田ジャパン=   870件
加茂・ジャパン=   4660件
加茂ジャパン=   435件
ファルカン・ジャパン=   441件
ファルカンジャパン=   61件
オフト・ジャパン=   1280件
オフトジャパン=   329件
横山・ジャパン= 2万 2100件
横山ジャパン=   25件

どうも「・」を入れると、2つのキーワードで検索しちゃうみたいで、「・」をなくして、くっつけて検索した方が良いみたい。「横山・ジャパン」が2万件超というのは、どうも多すぎるし、おかしい。シンプルに比較してみましょう。

ジーコジャパン ・・・ 5190件
トルシエジャパン ・・・ 4560件
岡田ジャパン ・・・ 870件
加茂ジャパン ・・・ 435件
ファルカンジャパン ・・・ 61件
オフトジャパン ・・・ 329件
横山ジャパン ・・・ 25件

これで見ると一目瞭然!「オフトジャパン」ぐらいから言われていた「○○ジャパン」ですが、「岡田ジャパン」で倍増、「トルシエジャパン」ではなんと「岡田」の10倍以上に伸びています。さらに就任からまだ半年の「ジーコジャパン」は、3年8か月の「トルシエジャパン」を既に大きく上回っています。

これは、1998年の日本が初めてワールドカップ本大会に出場できたフランス大会の頃に、この表現が増えて、さらに地元開催の2002年日韓共催でさらに盛り上がったことを如実に表わしていると思います。つまり、「監督名ジャパン」の使用頻度は、サッカー人気のバロメーターとも言えるでしょう。
それと表記・発音の問題から言うと、あまり長い監督名は、「○○ジャパン」にはそぐわない。具体的に言うと、そぐわないのは「ファルカンジャパン」ですが。2〜3拍が一番、語呂がいい感じ。オフト、加茂、岡田、ジーコ。トルシエは日本語だと4拍なので、本来、馴染まなそうだけど、監督を務めた期間が長かったから馴染んだのかな。それぞれの監督の在任期間も調べてみました。

ジーコ ・・・ 2002年10月〜 (7か月)
トルシエ ・・・ 1998年10月〜2002年6月 (3年8か月)
岡田 ・・・ 1997年10月〜1998年6月 (9か月)
加茂 ・・・ 1995年1月〜1997年10月 (2年10か月)
ファルカン ・・・ 1994年5月〜1994年10月 (6か月)
オフト ・・・ 1992年5月〜1993年10月 (1年6か月)
横山 ・・・ 1988年1月〜1991年7月 (3年7か月)

やはりここ15年で、トルシエ監督の在任期間が一番長かったのですね。横山監督も「もう、ええで」というぐらい長かったですが。その横山監督より1か月長い。
ちなみに「監督名+日本」という表記も調べてみました。

ジーコ日本 ・・・ 2120件
トルシエ日本 ・・・ 2430件
岡田日本 ・・・ 183件
加茂日本 ・・・ 148件
ファルカン日本 ・・・ 37件
オフト日本 ・・・ 56件
横山日本 ・・・ 51件

ということでした。「トルシエ日本」と「ジーコ日本」は結構ありますね。
「ジーコジャパン」は既に「トルシエジャパン」を(ネット上の登場回数で)上回っていますが、「ジーコ日本」が「トルシエ日本」を上回るのも、時間の問題でしょうね。代表チームの成績も、そうあって欲しいものです。(Google検索は4月17日)

余談ですが、各新聞の一面を飾った写真、自社の記者(カメラマン)が撮ったかどうかで、サッカーに対するその新聞社の「思い入れ度」が分かると思うのですが、その点に関しては、

読売=ロイター(スポーツ面の1枚は、報知新聞社提供)
朝日=浅見桂子(スポーツ面の2枚も、浅見桂子)
毎日=ロイター(スポーツ面の2枚は、APとロイター)
産経=小倉元司(スポーツ面の1枚は、共同)
日経=共同(ただしスポーツ面に1枚のみ)


ということで、やはり日韓ワールドカップでサッカーに入れ込んだ「朝日新聞」が、力を入れているように見えますね。

2003/4/17


(追記)

今朝(7月18日)の朝刊にアテネ五輪を目指す野球のアジア予選(10月〜11月)の日本代表メンバーが発表された記事が載っていました。その記事の見出しに、
「長嶋ジャパン」
が使われていました。読売、朝日、産経新聞。もちろん、監督が長嶋さんなのです。サッカーだけではなく、国際試合に向けてはこの「○○ジャパン」が使われるんですね。そう言えば、ラグビーの「平尾ジャパン」というのもありましたね。Google検索では「平尾ジャパン」は356件ありました。「長嶋ジャパン」は1320件でした。もう認知されているようです。

2003/7/18

(追記2)

2005年6月16日から23日まで、読売新聞の「新・日本語の現場」「○○ジャパン」を取り上げていました。それによると、2005年6月9日までに朝日、読売、毎日新聞のデータベースで「トルシエ・ジャパン」と「ジーコ・ジャパン」の使用件数は、

  「トルシエ・ジャパン」 「ジーコ・ジャパン」
(朝日) 22件 108件
(読売) 69件 99件
(毎日) 121件 170件


また、日本代表を「ジャパン」と呼ぶ先駆けはラグビーであったことや、「○○ジャパン」は2004年のアテネ・オリンピックの「長嶋ジャパン」が火をつけたと。
監督がチームの行方を支配することとともに、「日本代表」というチームは一つですが、常にそのメンバーは流動的。それに比べると比較的長めに一定期間、代表チームの顔として責任を持つのが「監督」なので、その名前が冠されるのではないかなと私は思います。

2005/7/29

(追記3)

いよいよドイツ・ワールドカップが迫ってきました!ジーコジャパンの総仕上げです。
と言うことで、現在ネット上で使われている「ジーコジャパン」と「ジーコ・ジャパン」「ジーコ日本」の件数をググって見ました。(2006年5月24日)
「ジーコジャパン」= 94万 8000件
「ジーコ・ジャパン」= 1万 8400件
「ジーコ日本」= 81万

でした。3年前の2003年4月の段階では、
「ジーコジャパン」= 5190件
「ジーコ・ジャパン」= 5640件

でしたから、ものすごい増えようですね。これからの1か月ほどでまた件数は増えるでしょうね。
2006/5/24

(追記4)

ドイツワールドカップ、日本は1分2敗、しかもブラジルに完膚なきまでにやられて(1対4)、残念な結果に・・・。ジーコジャパンの4年間も幕をとじたのですが、現時点での件数を検索しておきましょう。
「ジーコジャパン」= 166万
「ジーコ・ジャパン」= 3万 8900件
「ジーコ日本」= 80万
やはり、ものすごく増えています。
新監督を要請されているオシム氏の名前を冠したものも検索します。
「オシムジャパン」= 41万 3000件
「オシム・ジャパン」= 41万 3000件
「オシム日本」= 135万
ええ!もうこんなに?期待が高いのですね。でも多すぎない?
トルシエも検索しておこう。
「トルシエジャパン」= 4万 6200件
「トルシエ・ジャパン」= 4万 6200件
「トルシエ日本」=   672件
そこそこ、増えてました。
昨日(7月5日)、福岡ソフトバンクホークスの王 貞治監督が、胃の腫瘍の手術のために入院すると会見しました。王監督と言えば、この3月、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で優勝した日本代表の監督を務めて、日本代表チームは「王ジャパン」と呼ばれました。これも検索しておきましょう。
「王ジャパン」=67万3000件
「王者パン」みたい。
「王者パン」=505件
やっぱり、あった!
新生・日本代表が、本当に世界レベルのチームになりますように、明日は「七夕」なんで、お星様にお願いします!
2006/7/6

(追記5)

「オシム・ジャパン」の第一戦、対トリニダード・トバゴ戦が8月9日に行なわれ、新生日本代表が、三都主(サントス)アレサンドロ(=アレックス)の2ゴールで、2対0で勝ちました!フリークキックもループ・シュートも見事でしたが、中盤での前向きなダイレクトパス3〜4本からクロスを上げるという攻撃姿勢は、たった3日ほどの合宿ではありましたがその練習での成果が表れていたと思います。これまでのチンタラした球回しではないパスは、ワクワクしました。「若い!」という感じでしたね、サッカーが。
さて、それでGOOGLE検索。(8月10日しらべ)
「オシムジャパン」= 126万
「オシム・ジャパン」= 126万
「オシム日本」= 41万 8000件
でした。1か月前の7月6日に調べたときには、追記4に書いたように、
「オシムジャパン」= 41万 3000件
「オシム・ジャパン」= 41万 3000件
「オシム日本」= 135万
でしたから、この1か月で、
「オシムジャパン」 41万 3000件 126万  
「オシム日本」 135万 41万 8000件  
となっています。
それにしてもなぜ「監督名+ジャパン」なのか?と言うことを考えてみました。それは、代表選手の力が抜きんでていて、誰が監督をしても同じ選手を選び同じ戦い方をしたであろう頃(=昔)と違い、選手層も厚くなって監督に選手選びや戦術の選択の自由が与えられ、また、必要性が求められるようになったからというのが、理由の一つ。
もう一つは、国際試合の公式戦に出場する機会が増え、対外的に「ジャパン」と英語で呼ぶことが増えたからではないか。チーム競技・団体競技のみの呼び方ですね。サッカーで一般化する前は、バレーボールぐらいではなかったのかな。また、調べてみます。
2006/8/10

(追記6)

2013年6月、7年ぶりの追記です。
きのう6月4日、日本はオーストラリアと対戦、終了間際の本田のPKで引き分けて、5大会連続5回目のワールドカップ出場を決めました!
それを伝えた6月5日の朝日新聞朝刊のスポーツ面コラム「side change」で、編集委員の潮智史さんは、
「監督の名前を取って、『○□ジャパン』という呼び名がサッカー界で広がったのは、1992年に外国人プロとして初めて招いたオランダ人のオフト監督からだろうか。」
と書いていました。まあ、そうですよね。D.クラーマーさんが教えたと言って(監督ではなくても)「クラーマージャパン」とは言わなかったし。時代的にも。
オーストラリアと言えば7年前、ドイツ・ワールドカップの日本対オーストラリア戦を、現地・カイザースラウテルンのフリッツ・ワルタースタジアムで観戦しました。1点先制したのに結局1−3で敗戦という大変ショックな一戦でした。
その試合の後、ボンで覗いた蚤の市で、「1986年メキシコ・ワールドカップのドイツ語のガイドブック」(しかもなぜか、フリッツ・ワルターのサインガ入っているもの)を発見!しかもしかも、その冊子の間に、1974年西ドイツ・ワールドカップ決勝の日(7月7日)の消印の入った、ワールドカップの記念切手の初日カバー封筒(これもワルターのサイン入り)まで挟まっていたので、即購入(40ユーロ=約5000円)しました。昨夜はそれを取り出してきて眺めながら、5大会連続のワールドカップ出場を祝う杯を上げたのでした。


2013/6/5




◆ことばの話1136「大統領宮殿のアクセント」

ニューススクランブルの坂キャスターから内線電話です。
「『大統領宮殿』のアクセントはどうなんでしょうか?コンパウンドしますか?それとも2つに切って読みますか?」
イラク戦争がらみの話です。
うーん、私は「大統領・宮殿」と2つに切って読みますけどね。
「どちらが絶対正しい」という話ではないですが、たしかに気になり出すと気になります。
で、テレビを注意深く見てみました。
(C)=コンパウンドした

(日本テレビ)笛吹キャスター「大統領・宮殿」、今泉(従軍)記者「大統領宮殿」(C)
(読売テレビ)坂キャスター(悩んだあげく)「大統領・宮殿」
(NHK)武田アナウンサー「大統領宮殿」(C)
(毎日放送)三沢キャスター「大統領・宮殿」


ざっと見たところでは、こうでした。
つまり複合語の場合、二つの語の結びつきが弱ければ、二つに切って元のそれぞれのアクセントどおり読みますが、二つの語の結びつきが強ければ、コンパウンドして中高アクセントで読みます。
どういうケースで結びつきが強いと言えるかと言うと、
(1) その複合語が使われてから、かなりの時間が経って、人口に膾炙していること。
(2) もしくは、その言葉をよく使う人(専門家)にとっては、結びつきが強い(一語として認識されている)ということになるでしょう。

但し、放送で使う場合は、使い手の側が「結びつきが強い」と思っても、聞き手・視聴者がどう受け取るかが問題です。何度も同じイラクのニュースを伝えているアナウンサー・キャスターにとっては「おなじみ」の言葉でも、視聴者はそれほどニュースを見ていないかもしれません。そのあたりまで配慮することが、求められるのではないでしょうか。

2003/4/11

 
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