番組審議会報告とはProgram council report
テレビ局が放送する番組の充実・向上と適正をめざして審議するために設置されています。
読売テレビ放送番組審議会 委員は、さまざまな分野の有識者10名で構成されており、
原則として審議会を月1回開催しています。
あなたが知っている番組について話し合っていることもありますので、
ぜひ一度読んでみてください。
いつもとは違った視点でテレビを見るようになれるかもしれません。
※読売テレビの番組は、放送基準にもとづいて製作しています
第674回2026.7.10
7月の番組審議会は、10日(金)に開催されました。
今回は5月と6月に放送された
『出川・伊沢のニッポンYABAデータ』について、ご意見をいただきました。
このほか6月に視聴者の皆さまから寄せられた
声の概要などの報告も行いました。
□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 一ノ瀬メイ 谷本奈穂(書面) 吉村和真 正岡明
委員の皆様からの主なご意見です。
「物価高、AIの進化、過剰なコンプライアンス、若者の恋愛離れなど、
深刻な社会の問題を
エンターテインメントとして分かりやすく取り上げた番組で興味深く見た。
重いテーマを扱いながらも堅苦しくなり過ぎず、
多くの視聴者が入りやすい構成になっていた」
「MCの出川哲朗さんと伊沢拓司さんの組み合わせが効果的だった。
出川さんの率直なリアクションと
伊沢さんのすぐれた言語化能力が生きていた。
多様な価値観を、対立ではなく対話として見せている。
出演者同士が激しく論争するのではなく、
情報を共有しながら考える雰囲気に好感が持てた。
またベテランの窪田等さんの落ち着いたナレーションは安定感がある」
「統計データを基に番組を構成しているため説得力があり、
社会の現状を客観的に考えるきっかけになった。
一方で、データの出典や調査対象、年代や地域などの属性について、
もう少し丁寧な説明があると理解が深まる。
データそのものの見方や読み解き方を伝える工夫も欲しい」
といった意見のほか、
「AIをテーマにした企画は特に印象的だった。
生成AIで作成した街頭インタビュー映像には驚いた。
AIが身近な存在になっていることや危険性を実感できた。
AIを相談相手とする人が増えている現状や、
偽情報・偽映像への懸念などについて改めて考えさせられる内容だった」
「生徒をほめちぎる自動車教習所や異世代ホームシェアなどの事例は、
社会課題への新しい向き合い方として興味深かった。
特に異世代ホームシェアはすでに北欧などでは一般的だが、
日本の少子高齢化、とくに高齢男性の孤立を考えるヒントになっている」
「出演者はいずれもトーク力が高い手練れのコメンテーターで、
若者の恋愛離れやAI利用などのテーマでは
『今どきの若者』について上手にまとめられていた。
一方で、『中高年齢層が受け容れられる若者像』が提示されただけ
という印象も抱く。
10代や20代前半の出演者がトークに参加することで、
社会に存在する世代間の断絶が浮き彫りになったのではないか」
「紹介される事例や街頭インタビューが東京中心だったため、
日本全体の傾向として受け取ってよいのか気になった。
地方との違いや海外の事例との比較があれば、
現象をより客観的に捉えられたと思う」
さらには、
「過剰コンプライアンスもテーマとなっていた。
今のコンプライアンス観には、ハラスメント被害者が声をあげ
被害を防ぐために形成されてきたという側面がある。
過度な規制への違和感だけでなく、
ハラスメントが可視化された意義も伝えるべきだ」
「ナレーションやアニメーション、AI映像の活用など、
分かりやすく印象に残る演出が多かったが、
色使いや情報量が多く、見ていて疲れを感じた」
「専門家が出演しているにもかかわらず、
コメントが十分に生かされていないとも感じられた。
専門家ならではの視点や知見をより積極的に活用することで、
番組の内容に厚みが増したはずだ」
「提起された問題の大きさからすると
スタジオトークの掘り下げがやや物足りないとも感じられた。
テーマによっては問題の背景や課題の本質、
今後の方向性についてもう一歩踏み込んだトークがあるとよかった」
「番組としては解決策の提示までは意図していないのだろう。
社会問題を知り、考える入口になっているエンタメとして
楽しく見られる番組になっていた。
一方で視聴者が考えるためのヒントや新たな視点が
もう少し示されていたらとも思えた」
といった声もいただきました。
『出川・伊沢のニッポンYABAデータ』について
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。
第673回2026.6.5
6月の番組審議会は、5日(金)に開催されました。
今回は『デジタル報道の取り組み』と題して
当社報道局のデジタル報道について報告しました。
このほか5月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要などの報告も行いました。
□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁(書面)
古川綾子 一ノ瀬メイ 谷本奈穂 吉村和真 平尾武史
委員の皆様からの主なご意見です。
「デジタル報道の取り組みについて、テレビを取り巻く環境変化の中で
様々な工夫を重ねていることがよく分かり、非常に勉強になった。
ウェブ配信の強化や多様なプラットフォームへの対応など、
努力の大きさがうかがえた」
「フェイク情報や未確認情報が入り乱れるSNSなども含めて
ひと口に『ネットメディア』といわれるが、
一次情報からきちんと取材をして発信できるメディアは限られている。
新聞やテレビなどの報道機関の役割はむしろ重要になっている。
信頼に足るメディアとして広く受け入れられるためには
『取材過程の透明化』と『双方性』が重要だ」
「若い世代の感覚では、情報が届くためのプロセスが重視される。
取材や編集の過程を示し透明化することが、
メディアとしての信頼につながる。過
程の透明化をどのように実現していくか、いろいろと試みていってほしい。
またいわゆるオールドメディアについては
『誰が伝えているのかが見えにくい』という指摘がある。
誹謗中傷対策や危機管理を十分に行ったうえで、
取材記者や解説者の存在をもう少し前面に出すことが、
情報への信頼や関心につながるのではないか」
といった意見のほか、
「ネット配信は視聴が個別化しやすく、
社会全体で同じ情報を共有する機会が減少している。
分断ではなく人と人をつなぐような情報の届け方が求められる。
双方向性をどのように実現するかが大事だ」
「『多くの人たちに見られるニュース』と『見せるべきニュース』の両立は
従来のテレビと同様に難しい課題だろう。
再生回数やページビューに偏ることなく、
報道機関としての役割とのバランスを取っていってほしい」
「良質なコンテンツでもネット上では大量の情報に埋もれてしまい、
発見されにくいという現状がある。
Yahooトップへの掲載だけでなく、SNSなども含めて
自らユーザーを取りにゆくための発信や工夫が必要だろう。
『どうやって見つけてもらうか』が大きな課題だ」
さらには、
「動画ニュースへのシフトが進む中でも、
内容によってはテキストの速報や記事のほうが有用な場合がある。
すべてを動画付きで発信する必要はない。
災害映像や現場の様子など、
映像で伝える価値のあるものとそうでないものの使い分けが必要だ」
「デザインや見せ方について、
他系列などと比べて統一感や洗練度に差があるように思える。
サムネイルやテロップなどのビジュアル面も
視聴者の印象や信頼感に影響する要素で、改善の余地があるのではないか」
「『タカオカ目線』だけでなく、
深夜に放送されるドキュメンタリーなどのネットでの展開は
長期間にわたり多くの人に見られる可能性を生み出し、
新たな価値を生んでいる。
ytvのデジタル報道で展開されている医療や子どもをテーマにした動画は
丁寧で真摯な取り組みとして評価されるものだ」
「デジタル報道は使命感や責任から取り組んでいる側面があり、
採算だけで判断できない領域でもある。
事業モデルの検討は今後の大きな課題だろう」
といった声もいただきました。
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。
第672回2026.5.15
5月の番組審議会は、15日(金)に開催されました。
今回は元NNN上海支局長報告として、
海外事情や取材の実際をお聞きいただきました。
このほか2025年度下半期の番組種別の報告のほか、
4月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要などの報告も行いました。
□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子 一ノ瀬メイ 谷本奈穂 吉村和真 平尾武史
委員の皆様からの主なご意見です。
「中国は近い国でありながら知らないことが多く、
思い込みで理解している部分が多い。
報道から受ける印象と、
実際に留学生や現地の人とふれあったうえで受ける印象が
異なるという実感がある」
「中国についての報道はどうしてもネガティブな側面が注目されやすく、
視聴者の関心もそちらに偏りがちな傾向がある。
日中関係の影の部分だけでなく光の部分にも目を向けないと
実像を見誤るという指摘は重要だと思った。
バランスよく伝えることの難しさはあると思うが、
色々な側面からの立体的な報道が必要だと感じた」
といった意見のほか、
「文化やエンターテインメントを通じたつながりの強さが印象的だ。
政治的には緊張関係があっても、
漫画やアニメ、アイドル文化などを通じた相互理解の動きは
根強く存在している」
「中国の若い世代の日本への関心や親近感は強いと思う。
実際に日本に来て文化に触れたり学んだりしようとする人も多い。
政治と民間の交流は切り分けて考えるべきという意識も
広く共有されつつあるのではないか」
「現地での取材活動の難しさが具体的に理解できた。
限られた人数での運営も含め、現場の負担の大きさがうかがえる。
そのなかで現地スタッフの安全を守ることを大事にしているという
支局運営の姿勢は非常に大事だし評価したい」
さらには、
「中国の若者の就職難や将来不安は深刻であり、
社会の閉塞感につながっている一方で、
体制そのものへの強い不満が噴き出しているわけではないという現状が
よくわかった。
また中国は消費が冷え込んでデフレ圧力が強いとされる一方、
EVやAIといった経済成長分野がある。
停滞と成長が混在する『まだら模様』であるという指摘から、
巨大な国家で多様性を前提に捉える見方が必要だと思った」
といった声もいただきました。
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。
第671回2026.4.10
4月の番組審議会は、10日(金)に開催されました。
2026年度の委員長には勝田泰久委員が、また副委員長には小林順二郎委員と島尾恵理委員が
それぞれ選出されました。
今回は3月5日(木)放送の『6世代で協力! ロクジェネクイズ』について委員からご意見をいただきました。
このほか3月に視聴者の皆さまから寄せられた声の概要などの報告も行いました。
□出席委員
勝田泰久 小林順二郎 島尾恵理 梶山寿子 白羽弥仁
古川綾子(書面参加) 一ノ瀬メイ(書面参加) 谷本奈穂 吉村和真 平尾武史
『6世代で協力! ロクジェネクイズ』について、
委員の皆様からの主なご意見です。
「6世代が協力してクイズに挑むという企画意図は分かりやすい。
世代間ギャップによる対立ではなく
協力する姿を楽しく見せようという狙いは理解できた」
「誰かと会話しながら楽しむことを前提とした番組だろう。
視聴者も出演者と一緒になって参加できる設問が多かった。
ただ若い世代が積極的に選んで視聴するというより、
上の世代が楽しみやすい内容に寄っている印象を受けた。
また特定の時代に流行した事柄を知らないとわからない問題が多く、
考えて解くクイズを好む視聴者にとっては不満が大きかったのではないか」
といった意見のほか、
「各世代で流行した6曲を同時に流して曲名を当てるクイズは独自の面白い試みだ。
ドラマ仕立てのクイズも面白い試みだったが、中身がいかにも強引だった。
せっかくドラマ仕立てにするならもっと練りこんでほしかった」
「昔の商品の価格や発売順を扱ったクイズは上の世代だからこそ分かる内容で、
年齢による差がはっきり出ていた。
一方でファミリーレストランの人気メニューなどは思ったほど世代差が表れず、
世代間ギャップを見せる題材としては弱く感じられた。
テレビ局が豊富にもっているアーカイブを利用したクイズなど、
ブラッシュアップの余地はあると思う」
「勝敗や点数、賞金の位置づけが曖昧で分かりづらかった。
対抗戦にすることで緊張感を出そうとしている意図は感じられたが、
『6世代で協力する』というコンセプトとはあまり噛み合っておらず、
クイズ形式である必然性が弱く感じられた。
クイズ番組というより、6世代間のやりとりを楽しむバラエティとして見た」
といった声、さらには、
「アンタッチャブルのふたりは楽しみながら番組を進行しているよいMCぶりだった。
回答者側の坂上忍さんや陣内孝則さんのトーク力はさすが。
浅野ゆう子さんが若い女性タレントにキレて詰め寄る場面などは
思わず笑ってしまった。
芸能界の上下関係はありながら遠慮なく突っ込み、突っ込まれる空気が楽しい」
「家族のつながりが希薄になっている時代、
またテレビ離れが進んでいる時代にあって、
世代を横断して楽しめるクイズ番組を作ろうとする試みから、
現在のテレビの在り方と正面から向き合おうという姿勢が感じられた」
といった意見もいただきました。
『6世代で協力! ロクジェネクイズ』について
委員の皆さまからいただいた主なご意見をご紹介しました。
- 2026年度 読売テレビ放送番組審議会 委員
- 委員長 勝田泰久 (学校法人大阪経済大学 前理事長)
- 副委員長 小林順二郎 (国立循環器病研究センター 名誉院長)
- 副委員長 島尾恵理 (弁護士)
- 委員 梶山寿子 (ノンフィクション作家)
- 委員 白羽弥仁 (映画監督)
- 委員 古川綾子 (大阪樟蔭女子大学准教授)
- 委員 一ノ瀬メイ (パラリンピアン)
- 委員 谷本奈穂 (関西大学教授)
- 委員 吉村和真 (京都精華大学理事長)
- 委員 正岡明 (読売新聞大阪本社執行役員編集局長)