第486回 番組審議会議事録

1.開催年月日
平成19年10月12日(金)
2.開催場所 読売テレビ役員会議室
3.委員の出席 委員総数 10名
出席委員数 8名
出席委員の氏名 熊谷信昭、秋山喜久、金剛育子、林 千代、馬淵かの子、阪口祐康、川島康生、吉岡征四郎
欠席者の氏名 佐古和枝、菊池卓雄
会社側出席者 ・土井共成 (代表取締役会長)
・髙田孝治 (代表取締役社長)
・越智常雄 (代表取締役専務)
        編成・制作スポーツ・東京制作・報道担当
・三山秀昭 (取締役)
        内部統制・コンプライアンス・コンテンツ・事業担当
・本田邦章 (取締役報道局長)
・森岡啓人 (執行役員コンプライアンス推進室長)
・位寄雅雄 (執行役員編成局長)
・村上博保 (執行役員制作スポーツ局長)
事務局 ・新谷 弘 (コンプライアンス推進室次長兼
        番組審議会事務局長兼視聴者センター部長)
・菱田千佳 (コンプライアンス推進室番組審議会
        事務局次長)
・森本泰輔 (コンプライアンス推進室考査・著作権部)
4.審議の概要 1.読売テレビ10月番組改編のご報告
報告者:位寄雅雄(読売テレビ執行役員編成局長)
2.読売テレビ番組全般についての意見交換
10月度の番組審議会は10月12日(金)に、読売テレビ本社で開催された。
審議会では、10月期の番組改編について読売テレビ側から説明したあと、今回の改編と読売テレビの番組全般について意見交換が行われた。
委員からは、「これから団塊の世代が退職し日中からテレビを見る機会も増えてくるので、そうした社会の変化を先取りした番組開発に取り組むべきだ」といった意見や「テレビ局の特徴が薄れてきている読売テレビならもっと読売テレビらしいカラーを打ち出すべきだ」といった意見が出された。
このあと、9月に読売テレビに寄せられた視聴者の意見・苦情について概要を報告した。
出席は、熊谷信昭、川島康生、秋山喜久、林 千代、阪口祐康、金剛育子、吉岡征四郎の各委員と読売テレビからは、土井会長、髙田社長以下12名。
5.審議内容 別掲の通り
6.審議会の意見に対して取った措置
特記事項なし(議事録は関係部署に配布)
7.審議会の答申・意見の公表
●10月25日(木)付け読売新聞夕刊に議事の概要を掲載。
●11月10日(土)午前5時14分から放送の「声~あなたと読売テレビ~」の中で議事の内容を放送。
●本社コンプライアンス推進室に閲覧用として議事録を備え置く。
●インターネット読売テレビホームページ「テレビの門・話し合ったもん」で議事録を公表。(http://www.ytv.co.jp)
●社内LANにて全ユーザー(全社員および関連スタッフ)に議事録を配信。
8.配布資料 ●報告概要
●2007年8月に寄せられた視聴者からの意見・苦情
9.送付資料 ●民放連機関誌「月刊民放」
●民放連機関紙「民間放送」

【審議内容】

社側
 おはようございます。それでは10月の番組審議会を始めさせていただきます。
 まず、委員の方々のご出席の状況ですけれども、きょうは佐古委員と菊池委員のお二人が所用のためご欠席でございます。私ども読売テレビ側は、レギュラーメンバー全員出席をさせていただいておりますので、よろしくお願いをいたします。
 この10月読売テレビでは、大幅な番組改編が行われましたので、きょうは、まず、この10月からの読売テレビの番組について、どんな番組を放送しているのかというのをご説明を申し上げた上で、読売テレビの番組全般について、自由なご議論をいただければというふうに思っております。
 早速ですが、編成局長から今回の改編についてご説明をさせていただきます。

社側
 よろしくお願いします。お手元のほうに長い資料がございますが、「10月基本番組表(決定稿)」というのをお配りしてございます。なおかつ、その中で、上半分のほうの『情報ライブ ミヤネ屋』というのとゴールデンタイムの『秘密のケンミンSHOW』というところにマーキングをさせていただきました。
 基本的に、これは我々の作業稿みたいなものなのでありまして、斜線がかかっている部分が、いろいろ変えたという部分でございますが、特に、その中で、日本テレビと読売テレビと共同で番組というのは変えてまいりますので、マーキングさせていただきました2枠が、この10月で読売テレビの責任枠として改編をいたしました枠でございます。
 まず、下の『秘密のケンミンSHOW』という木曜日の21時枠に印がついてございます。実は昨日から、この番組がスタートいたしました。約1年がかりで特別番組として、スペシャルで2時間ほど昨年からやってまいりました。お陰様で特別番組としては47都道府県の出身のタレントないしは関係者というのを一堂に集めますので、大変ボリュームある形でスペシャルという放送をいたしました。
 今期は、それを1時間番組のレギュラーにしてやっていきたいということで番組を変えました。前の番組は、関口宏さんと三宅裕司さんの『旅×旅ショー』という番組でございまして、古くは『どっちの料理ショー』という番組で約10年余り走った枠でございましたが、なかなか成績が振るわない部分もありまして、実は三宅裕司さんと関口さんというのは、それぞれ十数年、お付き合いをしておりましたが、そこのメーンキャラクターを替えるということで、この『秘密のケンミンSHOW』という番組は、みのもんたさんと久本雅美さんのダブルMCでやってございます。
 昨日スタートしまして、実は、まだ各局が特番でしのぎ合っている時期でございます。大阪のほうは、ようやく11%という数字が出ましたが、裏の特別番組の『医龍』でありますとか、『お宝大発見』特番など、いろいろございまして、一応来週以降、落ち着いた形でレギュラーでの戦いになるだろうというふうに思われます。大変期待もし、自信もあって送り出したい番組でございます。
 なお、昨年やりました、そのスペシャルが、実は、あるところで表彰を受けまして、ATP賞と申しまして、全日本テレビ番組制作者連盟という社団法人がございます。主に日本の制作プロダクションは、皆さん加盟していらっしゃいまして、我々媒体側は賛助会員ということで加盟している連盟でございますが、そちらのほうの昨年度、1年間のバラエティー部門の優秀賞ということで、実は表彰を受けました。
 これまでになかった47都道府県の出身者を全員集めたことと、それぞれの県民性のものを取り上げた、ある種バラエティーとして面白いという評価を、実は、そのスペシャル番組ではいただいております。再来週ですか、表彰式もあるのでございますが、そういう意味では、幸先のいい形で褒めていただいて、ある種、知的な形でも対応できますので、いわゆる知的エンターテインメント番組ということで育てていきたいなというふうに思ってございます。これがゴールデンの中の我々の責任枠で申しまして一番大きい改編になりました。
 それから昼のところに大枠で、正確に申しますと13時55分から16時43分になりますが、大枠で『情報ライブ ミヤネ屋』という番組にマーキングさせていただきました。これそのものは、昨年のうちに一度、ご審議をしていただいております。なぜマーキングをつけたかと申しますと、実は昨年の7月から16時台、今ですと14時台になりますが、約2時間下のほうで、2時間ベルト番組という番組としてスタートさせました。約1年数か月、走ってまいりまして、今回は大きく13時55分、1時55分からの大枠への転換というふうになりました。
 若干ご説明申し上げますが、事情がございまして、この14時台、15時台というのは、長く『ザ・ワイド』という番組で、草野仁さんの司会で読売テレビと日本テレビのある種、共同制作ということで、十数年前から、ずうっと一緒にやってまいりました。特に、この04年からは、読売テレビが主体的に、それを受け持つということで、読売テレビの社員が、たくさん実は日本テレビのスタジオへ行って、読売テレビの責任枠として、この『ザ・ワイド』、草野さんの司会部分をやってまいりました。
 昨年来、いろいろYTV社内で議論いたしまして、人員の問題でありますとか、制作費の問題でありますとか、いろいろ検討した結果、約1年がかりの交渉で、枠的にはYTVとしては下がって、日本テレビさんにお渡ししたいということで、実は話をつけてまいりましたが、突然、今年度に入りましてから、日本テレビは、そこを受け取らないということが、実は判明いたしまして、現実問題、日本テレビは、そこに番組をつくる形ではなくて、再放送で実はやっていきたいと、実際、ドラマの再放送とバラエティーの再放送というのを、実はこの10月から日本テレビは掲げております。
 そういう情勢が分かりましたものですから、私ども社内で検討いたしまして、今まで十数年、ずうっと生情報番組をやってきた時間に、なかなか再放送ものでは、この昼の時間戦えないという判断をいたしまして、会長、社長にもご相談して、その4時からやっておりました『ミヤネ屋』を、時間をうんと拡大して、生番組としてやるべきだろうという判断で、実はそういう意味では枠を拡大いたしまして、最初のころは大阪だけの放送でも構わないという判断をいたしました。
 ところが、実はこれ『ザ・ワイド』というのは、YTV、日本テレビを含めて28局ネットの番組でございましたので、それぞれ北は札幌テレビ、南は鹿児島読売テレビという系列局が一斉に、その番組を取ってございまして、それぞれの局が、日本テレビさんのそのリピートものを受けるのか、YTVを取るのかと、いろいろございました。
 結果的には、我々が関西ローカルだけでいいと思っていた、この『情報ライブ ミヤネ屋』が26局に行くことになりました。結果的には、各局さんが、今までの生を受け取っていた部分を、変わらず生情報に対応したいということの展開になりましたので、そういう枠として設定いたしました。
 昨年の立ち上げ、実は2年がかりで、一昨年からずっと手掛けてまいりまして、YTVの社内では、制作局と報道局と編成局が、互いに協力しながらつくっていこうということで、実は1年間、温めてきた枠でございます。それを、このタイミングで、最初はローカルと思いましたが、結果的には全国に行く番組ということで、先週からスタートいたしました。
 先立って、この場でご審議していただいた内容とは変わらずに、ある種、ニュースと芸能情報を織り交ぜながら、全国に送り出していく枠となりました。
 従いまして、相当大きい改編、時間数的には、全日帯で30%を超える改編というふうになりましたが、YTVの根幹の改編といたしましては、先ほど申し上げましたゴールデンの『秘密のケンミンSHOW』と、それとこの『情報ライブ ミヤネ屋』というもので、この10月は大きくタイムテーブルを変えて改革に臨みたいというふうに思ってございます。
 なお、この『情報ライブ ミヤネ屋』につきまして、私ども編成局だけではなくて、きょうは報道局長も、制作局長もおりますので、一言ずつコメントをさせていただきたいと思います。

社側
 実は7月に今の報道局長を命ぜられまして、担当することになりました。それまで『ザ・ワイド』をつくる東京制作局に勤めてまいりました。今、申し上げましたような事情で、結局『ザ・ワイド』と、ほとんど変わらない局に、ですから準全国ネットというか、東京へは行かないんですが、ほぼ全国を網羅する形になってしまいましたので、この辺についても責任を持って仕事をしていこうというふうに思っています。
 基本的には、この『ミヤネ屋』ですが、『ザ・ワイド』を放送していた時間帯でもありますので、その『ワイド』というのは、関西でも7、8%、全国ザーッと見てみますと大体7%から8%ぐらいの視聴率をとってまいりました。
 このお客さまたち、『ワイド』をずうっと見ていただいていた、お客さまたちを逃さないということを、まず考えまして、その当時からの『ワイド』のエッセンスですね。これは事件や事故が起きたときには、直ちに、それに反応して入れる。また選挙があれば、その選挙について掘り下げる。
 この時間帯に、どうしてもF3、M3、50歳以上の方たちが見る傾向が強いんですけれども、その方たちが世の中を知るということの、その手段にしていただくような番組づくりを考えてまいりました。また、これまでの視聴傾向を見ても、芸能情報に対するニーズというのは、ものすごく高いものがありましたので、この芸能情報についても、これまでと遜色ないような形で入れていこうというようなことで、今つくっております。
 なるべく、つくりものではなくて、まさにこれ『情報ライブ』という名前を銘打っておりますけれども、新しい情報をどんどん入れるような形で、社会性の強い番組、ニュース情報番組という形にしていきたいということで取り組んでいます。
 まだ2週間足らずのところなんですが、地方からの反応も、まずまずかなというふうに思います。

社側
 よろしくお願いします。もう今、編成局長並びに報道局長のほうから、いろいろと報告がございましたので、付け加えてはあまりないんですが、少し数字だけのことを言っておきますと全体で3時間という枠でございます。
 ただしCMが30分ございまして、3時間のうち、30分がCM、正味は2時間半という中身になっております。
 今、報道局長のほうからもご説明がありましたとおり、なるべく『情報ライブ』と銘打っているとおり、ニュースを中心にやっていこうというふうには心がけておりますが、やっぱりそれだけでは、なかなか2時間半は埋まらないということでございますので、何もなければ、通常のときでございましたら、パーセンテージ的に言いますと、ニュースの部分を今42%、芸能を30%、いろんな主婦ターゲットの企画ものを22%、それから、お天気情報を4%といったような2時間半をパーセンテージで分けると、そういうような形でもって2時間半を構成しておりますということです。
 あとスタッフの数でいいますと、現在、全部で111名です。月~金、3時間、毎日、111名というのが、多いとか、少ないとかという、よくどういうふうにとらえるかということで言いますと、東京のキー局さんの、こういうふうなワイド系の情報番組でいうと、もっとすごい倍ぐらいの人数をかけているんじゃないかなというふうに思いますが、その半分ぐらい、それでも111名のスタッフを総動員して毎日やると、先週からスタートしたばっかりなので、まだまだスタッフは意気軒高でございますが、ちょっと私の立場的には、これから健康面とか、いろいろ大変だなとは思いますけども、横並び激戦区でございますので、関西のニュース情報バラエティー番組としては、やっぱりトップを目指そうという意気込みでやっておりますので、これからもご注目していただけたらなというふうに思っております。
 スタッフ111人のうち、当社の社員は23名ということになっております。あとは外部スタッフということです。
 以上でございます。よろしくお願いします。

社側
 以上がマーキングをつけさせていただきました枠でございますが、それ以外の特に日本テレビさんに関連するところ、若干だけ触れておきます。
 今の『情報ライブ ミヤネ屋』の上に約2時間で『おもいッきりイイ!!テレビ』というのが斜線になってございますが、これは今回の改編は2点ございます。
 1点は、時間のスタート時間を5分繰り上げました。11時55分から番組を始めまして、今まで12時からの枠でございまして約20年間、みのもんたさんの司会、高橋佳代子さんというお二人でやられてまいりましたが、この10月からスタート時間を11時55分にして、なおかつ、みのもんたさん以外のところを相当変えまして、ある種20年、走ってまいりましたので、一世代ちょっと若返りを図るということで、出演者、あるいはコーナー、スタジオというものを、この10月期に変えましたという意味で斜線がかかってございます。
 あと下のほうのゴールデンタイムでございますが、月曜日の22時の『オジサンズ11』という番組と、火曜日の19時の『おネエ★MANS』というのが新番組で出てございますが、この2本とも、実は日本テレビが特番であったり、夕方の枠でやってございましたものを、今回はゴールデン番組で新番組として改編したという枠でございます。
 あとドラマが3本ございまして、火曜日の22時のドラマ『有閑倶楽部』、水曜日の22時の『働きマン』、これ、いずれもコミックを原作といたしました新ドラマの改編でございます。それと、もう1本が土曜日の21時に『ドリーム・アゲイン』ということで、これは、どちらかというとオリジナルに近い脚本をベースにしたドラマでございます。ドラマ3枠は、1クールごとに変わる通常改編でございます。
 以上が、この10月、特に読売テレビを中心にした形でご報告させていただきましたが、改編の状況でございます。

社側
 それでは、この後は委員長にお任せをいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。

委員長
 どうもありがとうございました。NHKの場合は、法律によって番組の改編は、ほんの一部の改編でも、番組審議会の了承が必要とされていて、改編のたびに委員長の署名がないと変えられないということが定めになっているんですが、民放の場合は、そういう法律の定めはないようなので、きょうも、これはご報告として承りましたので、我々としても、自由に意見を申し上げることができると思います。
 ですから、これは皆さま、ご自由に何なりとご感想、ご意見等をお述べいただきたいと思います。
 今、伺っていると、ほかのメンバーは大幅に若返りを図るけれども、みのもんたは、そのままにして、これは、みのもんたさんという人は、やっぱり、こういう放送界では、特にテレビの分野では非常に貴重な人材ということなんですか。

社側
 私、東京制作を担当しているときに、この『秘密のケンミンSHOW』のレギュラー化の前に、特番でお付き合いをしていたんですけれども、ちょっと、やっぱりオーラのある方ですね。入ってきただけで、周りが明るくなってきます。47都道府県、これはスペシャル番組ですから豪華にやったわけですけども、47都道府県出身のタレントを、みんな集めて、それなりに皆それぞれタレントさんですから、ワイワイ、ガヤガヤしているところへ、みのさんがポンと入ってきただけで、急にシーンとなって、一瞬でスタジオが、締まっていくといいますか、そういう力をお持ちの方だと思います。
 やっぱり、これだけテレビにたくさん出ているということが、その源泉なんだと思いますけれども、何というんですか、すごくエネルギッシュで、そういうものを感じます。そういうものが、やっぱり世間に認められているのかなというふうに感じられます。

委員長
 いろんな局で、いろんな番組に、これだけ出ていて、これだけの長期間、何だかんだ言われながらも、ずっと続いているというのは、やっぱり滅多に得られない人材なんでしょうね。
 もう一つ、昔の番組の再放送のお話が、さっきありましたけれども、古い映画の再放送で、あれは深夜、夜中ですけれども、私は比較的、最近、『男はつらいよ』シリーズとか、『釣りバカ日誌』のシリーズを見て、あれ結構、映画として見てなかったのが大部分ですけども、面白いですね。ああいうのは、大分前にも私は、そういう映画の再放送のことを伺ったら、結構お金もかかるし、何か版権というか、あれがあって、あんまり簡単じゃないんだということを伺いましたですが。
 どこかの局は今でもやっていますね。何か2人ペアになった解説の人がいて、いつもタキシードを着ている。あれ結構、面白いんですけどもね。

社側
 ちょうど10年ぐらいで大きく変わってまいりました。もともとは地上波で、我々が深夜であったり、ゴールデンで、すごくたくさん映画をかけていた時代がございまして、今どちらかというと、そういう映画は、どこへシフトしているかというと、いわゆるケーブルテレビでございます。ケーブルが映画専門チャンネルをつくったり、時代劇チャンネルをつくったり、いろいろしてございまして、どちらかというと地上波とのすみ分けが、この10年で非常にできてきたと思っています。
 我々、編成の側で見ますと、10年前ぐらいは、必ず深夜でシリーズを組みまして、シネマシリーズ、シネマ大好きシリーズなど、いろいろなことをやってきましたけれども、ほぼ今、それがケーブルテレビのほうに役割的には分担してございます。
 それ以外は、私ども、この金曜日に『金曜ロードショー』というのを持ってございますが、これは、もちろん新作ものをかけて、それぞれ私どもの枠も、あるいは関テレさんの枠も、朝日さん枠も、ちょうど金、土、日とございますけれども、テレビ局が出資をして当たった映画は、早めに、そういうわけで、まずテレビが放送しますが、それ以外の再放送ものというのは、ほとんど今ケーブルテレビが、その役割を担っているという媒体のすみ分けが、この10年で、すごくできてきたのではないかと思います。

委員長
 委員、何かご意見ありませんか。

委員
 今ご説明いただいた昼の3時間番組についてですけども、50歳以上の人が、よく見るんだという話ですが、性別はどうですか。

社側
 女性のほうが多いと思います。時間が夕方に近くなるほど男性のほうが多くなります。

委員
 女性は年齢にかかわらず芸能情報がお好きですから、それが非常に大きな割合を占めているんだと思うんですけれども、少子・高齢化で団塊の世代が、だんだん退職いたしまして、その人たちがテレビを昼の時間帯から見るようになると、その割合は変わってくるんではないかと思いますね。
 変わってきますと、その人たちが本当に今までと同じように芸能番組を、芸能情報を好むかどうかです。我々は、その年代の人に話を聞くと、やはり「テレビは見るものもないしな」という話が、よく出るんです。こういう、これは情報番組ですけども、半ばバラエティー番組になっているんだと思うんですけども、このバラエティー番組が、このまま本当に生き続けるのかどうかということは、私は大変疑問だと思うんです。
 商品開発にしても、やはり退職していく団塊の世代をターゲットに絞ってやると、例えば、旅行なんかも、今までのように、出来るだけ、たくさんの人を集めて、安い運賃で運ぶというんじゃなしに、もっと規模は小さくてもいいから、少し高級な旅程を組んでマネージするというふうなのが、だんだん伸びてきております。
 それと同じように考えますと、バラエティー番組も、私は少し変わっていくんではないかという気がいたしますので、これからは社会生活を一応終えて、自分の趣味とか、教養とかで生きていこうとする人たちが、テレビを見るようになってくる。そうすると、その人たちの目に耐えられるのかどうかということが、やっぱり大きな問題になってくるんではないかと。
 今までよりも、少し教養を要するような、あるいは教養が得られるような、平たく言えばレベルの高いバラエティー番組に変えていくのがいいのではないか、それをうまくキャッチすることができたテレビ局が、視聴率を上げていくんでないかというような気がいたしますので、今のパーセンテージが、こうであるから、そのままでいいというわけにはいかないんではないか。
 さっきのみのもんたさんの番組も、みのもんたさんは替えないで、ほかはスタッフを若返らせたというお話がありましたけども、スタッフを若返らすというのが本当にいいのかな、視聴者は年とってきているんですよという気が、ちょっとするんです。
 ですから、時代とともに、リニューアルしていかなければならないのは事実ですけども、リニューアルする方法が、単にその時代とともに、新しい若い人にというのだけでは済まないのが、これからの番組制作ではないかなという気がいたします。
 そうすると今おっしゃいましたワイドの3時間番組の中の企画ものとおっしゃるんですね。どんな番組が入っているのかなという気が、ちょっとするんですが、例えば、この企画ものの中に、メタボリックシンドロームだけではありませんけれども、高齢者の健康管理に関するようなものも、お入れになるとか、読売テレビさんは、非常にいい番組を持っておられますので、そっちのほうのノウハウは大変よくご存じだと思いますんで、そういうものを、うまく組みこむとか、少し内容をレベルアップというと、ちょっと言いにくいんですけれども、変えていかれる。そういうのを試みていかれるのがいいんではないかなという気がして聞かせていただきました。

委員長
 今のお話に関連するんですけれども、番組を改編なさる場合の幾つかの指針というか、根拠があるんでしょうけど、どういう指針で、お考えになるんですか、やはり一番基本的な指針は視聴率ですか。

社側
 平たく申し上げますけども、商品として、まず価値のほうを問われて、先ほど申し上げました『どっちの料理ショー』というのは10年間走りましたですけれども、やはり14、5%は、ずうっと平均で取ってございまして、当然そこにはスポンサーさんが、大変いい銘柄で、なおかつカロリーがついてきて10年走れたと。それがやっぱり少し数字が悪くなっていくと、そういうスポンサーさんが、どんどん下りていくとか、いろいろなことがありますので、まず、そのファクターが大きいです。
 それから、この時間帯は、どんな視聴者の方に向けて番組をつくろうかという番組論が、もちろん2番目にございまして、それは、そこにいる視聴者に、どういうメッセージを送るのだということで番組づくりに入ります。ほぼ、この二つが一番大きな指標かなと思います。

委員長
 ですから視聴率というのは、現在、放送されている番組に対する視聴率であって、全く新しい企画とか、全く新しい分野をやっていこうというときには、そういう根拠がないんで、賭けみたいなことになるんでしょうね。
編成局長
 そうですね。

委員長
 それと、今、委員がおっしゃるような国民の平均年齢の変化等々ですね、いろんなファクターを考えて、新しい分野にも挑戦していかれることになるでんしょうね。

委員
 スポンサーというのは全く視聴率だけで、降りたり、乗ってきたりするんですか。
編成局長
 いや、だけではないと思いますね。もちろん番組の趣旨といいますか、その企業のコンセプトに合うか、合わないかという判断は、もちろんございますので、これまででも、過去でいえば、日本生命さんの『世界遺産』とかいう番組は、もちろん制作費も全部出して「数字は取らなくてもいいから、ちゃんとつくってほしい」という、そういう直接的な話もありましたし、花王さんが、『花王名人劇場』をつくられたときも、そういう言い方をなさいました。だから、そういうメッセージ性を持ったクライアントさんも、もちろん、たくさんいらっしゃいます。

委員長
 番組のレベルを見たら、スポンサーになっている企業のレベルが大体分かるという、そういう面がありますか。

社側
 そこまではっきりは言えませんが、やっぱり我々の業界で言いますと、トヨタさんがお付きになる枠と、別の企業がお付きになる枠、やっぱり営業的には若干ございます。

社側
 以前は、『花王名人劇場』とか、あるいは『日曜劇場』なんかも、そうですけども、一つのスポンサーが、1時間、30分という長い番組を1社で提供していると。こうなると、やっぱりその質というか、企業イメージというのが、ものすごく大事にされるんですけど、諸般の事情で、今ほとんど、1時間番組は6社ぐらいのスポンサーで分け合ってしまいますので、そうなってくると、皆さん志向するものが、いろいろ出てきますから、もちろん質は大事なんですけれども、やっぱり共通項で、まず視聴率があると、そこが最大公約数になってしまう傾向はあります。

委員
 今の委員長のお話と関連するんですけど、前も一遍、議論したように、視聴率なのか、あるいは企業も、これからだんだん番組の内容と自分の企業イメージとを重ねる時代がやがて来るんではないかと、こういうことで、韓流映画みたいに、韓国の映画で韓国のイメージをアップして、非常に観光客なんかが増えてきたというふうなことで、企業のほうも、順次、視聴率から、放送番組の内容と自分の企業のイメージを一致させる時代が来るんではないかという話が、この審議会で前に出ましたけども、そういった意味で、そういう時代の変化を、どう読んでいくか。
 今は、とりあえず視聴率でいかないとしょうがないと思いますけども、そういった時代になってきたときには、どういう番組の編成をしていけばいいのか、そのテレビの中で、ごく自然に会社の製品を使ってみるとか、何か、いろいろ、その辺の工夫がいるんではないかというふうな話があったんで、その辺を実験でテレビで放送するわけにはいかんと思いますけども、社内的には検討していかないと、なかなかテレビ局も生き残っていけないんじゃないかというふうな話で、それから、これから今のを性別、あるいは年齢別、あるいは都市と地方というもので、かなりその辺の趣向が変わってくるんじゃないかと、時代の変化としてね。
 都市部の人は、いろいろ娯楽がありますから、だんだんテレビを見なくなってくる恐れもありますわな。地方の人は、テレビが唯一の娯楽といったら失礼かもしれませんけど、非常にテレビ重視の時代がやってくるんじゃないかというふうなことになると、その先行きを、どう読んでおくかということが、これは現に、この番組編成に直ちに反映するというところではないと思いますけども、何か検討しておかないと、企業体として、ゴーイング・コンサーンにならんのではないかというふうな話があったので、車でも、何ですか、コンセプトカーというんですか、何か非常に奇抜な、「5年後、10年後の車はこうなるであろう」というのを今やっていますね。
 ああいうふうな形で、将来を見据えた番組のあり方みたいなものを、どこかで何か実験しながら、こうやっていって、5年、10年先のテレビ局として一流を目指すということがいるんじゃないのかなということで、それを、この番組の中でできるのか、あるいは、それはどこかの研究室みたいな中でやっていて、非常に小さい劇場みたいなところで映して、その内容をみんなに見てもらって、いいとか、悪いとか言ってもらうと。
 映画は、このごろそうですわな、試写会を40人とか、50人でやって、「ちょっと、これ、おかしいよ」とか、「こうしたほうがいいよ」と言ったら、また映画をつくり直して、上映会に持っていく前に、いろいろな映画の中身、ストーリーのあり方、あるいは「ここが、ちょっと不自然じゃないか」とか「ここは、あんまり感動しないんじゃないか」というふうなことで、見る人との対話をしながら映画をつくっていくということをやっているんで、テレビのほうも、何かそういった意味で、いろいろの年齢別、地域別、性別によって、「この番組いいよ」と、あるいは「このコンセプトでいいよ」と、こういうことを言ってくれるのかどうか分からないんで、何か、そういうことをやりながら、第一流のテレビ局になっていく先駆けをやっていだいたらどうかなと、こういうふうに思いますけど。
 地方重視ということについて、これ何をどうしていけばいいのか、今分からないんですけども、今我々がやっている関西広域機構では、大体府県を相手にやっていたんだけど、市町村長を集めたら「もうちょっと市町村に目線を合わせてくれ」と、こういうことで「市町村には非常にいい文化とか、歴史だとかがあるんだ」と「そういったものは全然発信してもらえない」と、こういう欲求不満があるわけです。
 また、そういうものを我々見ると非常に面白いものも結構あるんですね。日本の過去を知る意味で、あるいは、そういった地域の人々の気持ちなり、信仰心なりを見る意味で、いろいろ地方でやっている催し物の中に非常に面白いものがあるんで、何か、そういったものを情報発信していこうかということで、とりあえず広報センターなんかで外国に発信するとか、何かいろいろ考えているんですけども、そういったものの中で、面白そうなものを全国の市町村のものを、今さっきの全国番組の中でやっていかれると、結構、皆さん興味を持つかもしれないんですけどね。
 そういう意味で、少し視点を変えながら、いろいろなものを、ここへ入れていくと。いきなり26局に流すのは無茶だと思ったら、ちょっと一遍つくってみて、40人とか50人の人に見てもらって、それで「これは面白いよ」とか、「ちょっとつまらんよ」とか、「これは、こうしたほうがいいよ」と、こういう意見を聞きながら何か新しいものをつくっていくということで、何か制作に視聴者の視点を織り込んでいくような方策というものを考えながら新しい番組をつくっていかないと、どこを見ても全部バラエティー番組で、それを面白い人もいるみたいですな、若い人は「あれは面白い」と、それは年齢の差かもしれませんけども、我々全然面白いと思わないんだけど。
 そういった意味で、その次を、ここ2、3年や4、5年はもつかもしれませんけど、その次を何か考えておかないかん。
 そういったときに、どういうふうにして、その次を見出すか。あんまり「放送してだめだったよ」「視聴率悪かったよ」じゃ、ちょっとやりにくいと思いますんで、何か試験的に、映画が今取り入れているような手法を取り入れながらやっていくと、こういうことも一つの方法じゃないかなと思うんで、我々の命よりも長く、読売テレビが生きてもらわないと困りますから。

社側
 ここで、今、編成局長が主な改編を報告いたしましたけど、深夜以降にも、いろいろな番組をやっていて、そういうことを我々の場合、実験的にやっています。それで評価を定めて、いいなと思ったら表、ゴールデンといいますか、そういうような方法を今までは繰り返しています。

委員
 だから、何か、ちょっと一遍、粗っぽくつくってみて、ちょっと見てもらって、この番組審議会のメンバーだと、ちょっと偏りますからね。もうちょっと若手だとか、地方の人だとか、いろいろの人を入れてみて。

社側
 先ほども、みのもんたの話が出ていましたけど、新番組きのうから始めたんですけど、これも、やっぱり一応特別番組で、まずやってみて、視聴者の反応はどうなのか、それから、これをもしレギュラーにしたらどうなるのかというようなことも、いろいろ試しながら、今申し上げましたように深夜で、いろいろ試してみるとか、それから特別番組で試してみるとか、見ながら何とか、ぶつけているんですけれど、それでも、うまくいかなくて悩んでいるみたいな。

委員
 その先を読んで、ちょっと、よその局よりも一歩先に出るには、どうすればいいかということで、今のような深夜も一つの方法でしょうけど、何か映画は、このごろは何か、ちょっと集めて見せて、ストーリーを変えるんだそうですね。「ちょっと、ここは不自然だ」とか、「ここは涙が出てこない」とか、こういわれたら変えていくというふうなことで、みんなで見てもらって映画をつくっていくというふうな視聴者参加番組的なものをやっていると。

社側
 かつて私どももテレビでドラマをいろいろやりまして、視聴者の反応、意見を聞きながらストーリーを変えていくというような実験的なことも過去に二度ほどやったことがありますが、いろんなトライアルをやっていきたいと思っております。

社側
 『ケンミンSHOW』が、そういう意味では、いま委員がが言われたように、地方というものを少しテーマにしているわけです。日本は47都道府県ありますけど、その県民という名前にしていますけど、ある場合には、もっと小さい市町村レベルで、その習俗、あるいは、そこだけで伝わっている食べ物なり、「こういうところが日本にあるんだ」というようなものを、掘り起こしてやっていこうかなと。
 先ほど来、ご指摘があるように、一般的なバラエティー番組は、若者向けにつくられているので、どうも私のところだけども、タレントが悪ふざけしているか、何か食べているかみたいな、まさに芸なんだか何だか、よく分からないようなものがあり過ぎると思いますんで、そういう意味では、ちょっと違う番組、さっき言った知的エンターテインメントというような報告をいたしましたけれども、もうちょっとテーマ性のあることをやっていこうという試みで、ただ、それだけ出すと、えらく地味なものに聞こえちゃうものですから、やっぱりそこで今、当代一番人気のある、みのさんを連れてきてやってみようと、これをスペシャルでやってみたところ、なかなか評価があったんで、これをレギュラーにしようというようなことも、実はやってきているんです。
 実は、きのう初めて放送いたしましたけれども、まだ正直な話、合格点の数字にはいってないんですけども、実際に、その視聴率の流れを見ますと、実際、見た人は最後まで落ちてないので、見た人は、そのまま見続ける。これは我々が意図していることが浸透すると、いけるのかなというふうに思っていまして、そういうことで、この『ケンミンSHOW』については、そういう意味では、やや先駆的取り組みをしているというふうに自負しています。

委員
 どこをひねっても、みんなバラエティーだから、もう嫌になるね。どこか1局ならいいんだけど。

委員長
 難しいでしょうね。その深夜に放送して喜ばれたといったって、それを昼間にやって、いけるかどうかも分からないし、難しいでしょうね。

社側
 難しいと思います。個別の反応を精査しなければ。

委員長
 年齢層にもよるし。

社側
 もちろん、そうですね。

委員長
 都会と地方でも違うだろうし、大変でしょうね。
 委員、何か意見があれば。

委員
 私も『ミヤネ屋』は、ずっと休みの日は見ていたんですけれど、えらく長くなって、先ほどお聞きすると何か26局にまでなって、その中でコマーシャルの時間が30分と聞いてずっこけたんですけど、そこまで測ってなかったんですけど、30分間コマーシャルに費やすということは、何社ぐらい入っているんでしょうかしら、同じコマーシャルも出てきますしね。

編成局長
 120本ですね、本数でいうと120本ということです。

委員
 そうなんですか。

編成局長
 でも比率としましては、まだ少ないほうだと思います。3時間で30分のCM量といいますと少ない、他局のほうが多かったりもしますし、民放の中では割と少ない分量のほうですね。

委員
 無意識に見ていると、そういう30分て、えらい無駄やなとか、トイレに行ったり、手を洗ったり、ちょっと用事したり、ちょこちょこするんですけど、こんなにあるんかと思って、ちょっとガクッときました。
 私は、委員がおっしゃったようなことに本当に同感なんですけれど、この前、国体が秋田でありまして、ちょっとホテルに帰って、何気なくチャンネルをカチャカチャやっていると何と『ミヤネ屋』が出てきて、びっくりして、「いや、こんなとこにも来ているわ」と、びっくりしたんですよ。
 それで、そのときは秋田の方も一緒だったので、しばらく、10分か15分ぐらい時間あって、お茶を飲みながら部屋でテレビを見ていたんですけど、テレビをこうして見ていたら、この『ミヤネ屋』は、もう関西弁丸出しでやっていますので、たまたま見ていたときが、すごい関西弁、丁々発止でやっているところを、じっとを見てはったんで、「あんた、これ分かる」と聞いたら「半分わかる」というんですね。
 やっぱり関西弁のニュアンスが全部理解できてないんですね。ただ面白いから、言っていることは日本語やから分かるんですけれども、何か、ちょっと違和感があるような感じで、こんなん、ずっと見て、「本当に関西弁でやってたら分かる」というたら、分からないことがいっぱいあるみたいです。
 だから、そういうところで、今26局ですか、行ってらっしゃったら、皆さん、どんな感覚で、こういう関西から発信している番組を見ているのかなと、ちょっと考えました。
 また、最近は東京へ行っても、私たち、昔、高校時代ですか、東京へ行くと、関西弁をしゃべっていたら、みんなこっち見て、電車の中でも関西の人というだけで、ものすごく侮蔑的な目でにらまれて、東京へ行ったら、私たちも自然と東京のアクセントでものを言ったりして、2週間もして帰ってくると、今度は友達に怒られて「何や、あんた、東京弁使うて」と怒られていた、そんな時期があったんですが、最近はもう関西弁が、もうほとんど標準語と同じで、もう東京で、私たち関西弁を、いくら大きな声でしゃべっていても、皆さん理解してくださるし、そういう意味では、関西のテレビ局の力はすごいなと、もう芸人さんたちも、こぞって行ってらっしゃるから、胸張って関西弁をしゃべれるようになったというのがあります。
 それと私、もう一つ、何かテレビを見ていて、最近、普通のテレビ、もちろん『ミヤネ屋』もそうで、インタビューなんかしていて、必ず字幕がトットッ、トットッ、トットッ、トットッ出てくるんです。あれ関西弁を標準語に直しているのでもないし、ちょっと言い損ないをきちんと直しているようなんですけれども、家でテレビを見ている者にとりまして、例えば私は、自分の部屋のは大きいんですが、茶の間のテレビは小さいし、一番大きいテレビは居間へ行かないと見られない。一番見やすいところで、一番よく見る時間のテレビは、ちょっと画面が小さいんですけど、40、50歳になると老眼になりますね。あれ見ないといけなくなるんです。そうすると非常に疲れるんで、こうして見て、それで中には黄色で出てきたり、赤い字で出てきたり、枠がついていたり、あれ何か統一してくれないかしらと、いつも思うんですよ。追いついていって、やっとまた次、目が疲れます。だから、あれを読まなくちゃいけない。私たちは映画を見ていると、外国映画を見るんですけど、この前、映画を見たんですが、字幕が大きいんですよ。だから、すごく違和感なく見てたんで、テレビは、やっぱり小さいし、何行にもなっているときがあったり、疲れてきます。これ見るのやめようと思っても、突然、外国人がしゃべられたら、また日本語が出てきますでしょう。また見ないといけないし。
 それと一番嫌なのは寝転がって見るときが困るんですよ。何でかといったら読めないですよね。あっ、これはあかんわといって、また起きると、疲れるんでね。あの字幕を、テレビ局でちゃんと、皆さん、そう思いません。私だけかな、目が悪くなったということで、ちょっと老人向けの字幕を、ちゃんと考えてしないと、誰も、ああいうのを見なくなってきて、「もうテレビは疲れるわ」ということになるんじゃないかなと思うんです。

委員
 ちょっと感想めいた話と、ちょっと質問ということになると思うんですけど、二つほどです。
 1点は、例えば番組編成を考える場合、ゴールデンタイムを想定しますと、大体どういう視聴者のターゲットを想定して番組をおつくりになるのかということについては、どうなんでしょうかということで、全世代向きに考え、想定されているのか、若い方を中心に考えておられるのか、その辺はどうなんでしょうか。

社側
 基本はオールターゲットを取りに行きたいのですが、もう私どもが番組を考えるということは、そこに他局のプログラムが決まっておりますので、要するに取り合いになります。
 例えば、そこで女性の20代をガバッと取っている番組がドラマの形式のものがありますと、それを取りにいくとなると無謀になりますので、オールターゲットにしながら、裏にある強弱のプログラムを見て、取り方ですね、それを研究して、はまったときは、ごっそり、こっちが逆に戦って取れますし、無残になれば、どんどん取り切れないということになりますが、基本的に、そこの裏に、どういうプログラムがある中へ戦いに行くのかということが、まずベースになるかと思います。

委員
 なるほど、先ほど、ちょっと委員がおっしゃったんですけども、やっぱり高齢化の時代でして、やっぱり少し若い人向けの番組が高いような印象は、どうしても受けてしまうんですけども、実際、実証したわけではありませんから、そんな印象が一つあるということです。
 それから、もう一つは娯楽番組です。バラエティーとか、それから、いわゆる報道番組とか、あるいはドラマとか、全体のバランスみたいなものは、当然、考えて編成されていると思うんですけども、それはこの何年かの中で、そのトレンドというのは、大体変わってきているんでしょうか、それとも大体同じようなバランスになっているんでしょうか。

社側
 大きく言えば、そう変わってないと思いますね。『報道ステーション』、かつての『ニュースステーション』が出ましたときには、裏にTBSも同じニュース枠をぶつけて、すぐ撤退しましたですけれども、いわゆる純然たるニュースというのは、あれが22時台にできた1985年からの比率は、ほぼ一緒ではないでしょうか、大体動きとしては。
 そんなに報道が大きくなったり、バラエティーが多くなったり、ドラマも十数本減ったり、増えたりしていますけど、1局当たり3.4本ぐらいずつ、チャンネルで持ってございますので。

委員
 さらに言えば、報道番組の視聴率いうのは、経年的に見て、あんまり変わってないんですか、やっぱり上がっているんですか。

社側
 夕方の変化はありますか、あんまりないですかね。グロスでは。

社側
 どうですか、ゾーンによって違うんでしょうけれども、今は純粋な、いわゆる報道番組という点では難しいですけど、いわゆるニュース情報番組という時代になっちゃっているんですが、そういう意味合いでいうと、そういう番組が増えましたから、トータルで積んでいったら高くなってくると思いますね。

委員
 こういうお尋ねをしておるわけですが、もともとテレビはエンターテインメントと、報道といいますか、ジャーナリズムと二本柱といわれてきたわけですけど、だんだん、その報道のほうが、ジャーナリズムのほうが、結構、視聴率が高くなりつつあるんではないかという印象を持っています。
 それと、そのエンターテインメントが、だんだん融合の方向に行っているんじゃないかと、今、局長がおっしゃったように、ニュース情報番組が融合の方向に向かっているんじゃないかなという、そういう印象を持っていますが、その辺が編成に実際に表れているのかなという印象を持ちました。

委員
 『情報ライブ』3時間になったので、ちょっと驚きですけど、これを初めから終わりまでテレビの前で座って見ている人は、多分いないと思うんです。この2時から6時ぐらいまで、お買い物に行ったり、それから子どもが幼稚園から帰ったり、小学生が帰ったりする中で、この番組が、チャンネルがつけられていたら、同じように大人の番組を子どもが見るという形になるときに、企画ものが22%か何か入っていると、ちょっと私、見たことないから、子どもの目線で、その時間帯が楽しめるものがあれば、この『情報ライブ ミヤネ屋』の特徴が出てくるんではないかと思うんですけれども、若い人が興味を持ち、要はスタッフを替えたということで、視聴率ターゲットは50歳代であるのに若い人がつくっているということは、若い人が興味を持って、面白がっているものが放送されるということに偏るということは、それはないんでしょうか。やっぱり読売テレビの社員の方が、広い視野でつくられているんですか。

社側
 ただ、これは当然マークをしっかりかけていきますので、そういうモニターさんのことも、随時、意見をお聞きしながら、むしろ、それを勉強しながらつくらなくてはいけないということになっていますから、必ずしも若い人が面白がって、勝手に送っているというふうには、もちろんしたらいかんと思っていますから。

社側
 ただ、ご指摘のように実際、若い人がマーケティングの結果を見て、例えば「ここのゾーンは料理が、ものすごく興味がある」と「料理やるぞ」といって、その料理をどう出すかというときに、実際に見ている方たちに、まさに微に入り細に入りにわたった部分で、きっちりやっているかというと、そういうズレは、それはきっとあると思います。
 ですから、いろいろな年代の人間が、こしらえたほうがいいとは、つくるほうも、そういう場合にいいんだろうかという気はしております。

委員
 だから、さっき、どなたかの委員さんが言われたように、このごろテレビを見てないという部分の中に、やはりそういう人たちが見るに耐える内容になってないのも、きっとあるんじゃないかと思うんです。
 それと、もう一つは、ずっと、ちょっと親がテレビの仕事をしていたということもありまして、結構、早い時期からテレビは家にあったんですけれども、そのころに各テレビ局の特徴いうものが、もっと強くあったように思うんです。そのころは視聴率というのは、電通から送られてくる、こういう紙に丸をつけていくということをやっていたように思うんです。そういうときに、確実に子どもの目で見ても、もう少し特徴があったと思うんです。
 これから21世紀、ずうっとテレビが生活の中に密着している。それこそ24時間、ずうっと流している中で、読売テレビであれば読売テレビ、朝日であれば朝日という特徴を、もう少しつくっていただいたら、いろいろと年代別に見る人が増えてくるんじゃないかと思います。

委員長
 委員、何か。

委員
 これ、ものすごい番組量やなというのが第一印象です。これが民放だけで、NHK、どこも似たような番組にならざるを得んなというのが正直な、といいますのは、例えば、情報、ニュース番組といっても、世の中に確かにニュースってぎょうさんありますけど、そうかといって無限ではないわけですから、ずうっと朝から情報、ニュースと続いていくと、ある程度、どこかで飽きられるところって出てくるんじゃないかなという気もします。
 そうすると結局のところは、企画もので差をつけなしょうがなくなってくるように思うんです。例えば、きょうご説明いただいた『情報ライブ ミヤネ屋』も、今はニュースが42で、芸能が30で、企画ものが22となっていますけれども、その後を見てみると、ずっとニュース番組が17、18時台と続いてとなると、やっぱり比重的には、どうしても企画ものを増やしていかざるを得なくなるんやないかなと。そうすると読売テレビの独自の企画、あるいは視点、これが非常に問われるものになるなというのが、ちょっと思いました。
 それと、もう一つ、これちょっと、今、私も、ずうっと全部見て、ふと思ったんですけれども、昔は、もうちょっと海外ドラマというものがあったように思うんです。今、うちの家内も、ドラマは海外ドラマ、ケーブルのを見ている比重が高いように思います。家内に聞いても、やっぱりドラマは日本のドラマより、海外のほうが面白いというんですけど、こうやって見て、確かにケーブルと先ほどテレビ、地上波のすみ分けという話があったんですけれども、今、海外ドラマをやっている、ドラマって、そう古いやつではないように思うんです。あれは地上波のほうには、昔は、そういうのがあったと思うんですけど、今は、ちょっと見当たらないんですが、何か理由があるんですか。

社側
 何局か、いろいろ試しにはやっているんですが、基本的に数字的に、そのご支持がいただききれないというのと、そういうドラマをかけるということについては、実はクライアントさんが、あんまりお喜びにならないんですね。

委員
 そうなんですか。

社側
 今までもERだとか、幾つかはあるんですけど、やっぱり長続きしていません。もちろん民放は当初、ほとんどアメリカ映画が多かった時代がございました。我々の小さいときは、みんな「名犬ラッシー」だ、「ララミー牧場」だとかで育ちましたけど、今は、むしろ本当に先ほど申し上げたように、やっぱりすみ分け的なところになっていくのと、地上波では、なかなか放送というのが、今成り立ってないですね。

委員
 仕入れのフィーが上がってきているということではないんですか。

社側
 そうでもないんです。それはやっぱり一度、360円から円高になったときに、実はものすごく海外ものが安くなりまして、一斉に買ったりもしていたんですが、結局プログラムすると、なかなか支持を受けられなかったというのは事実だと思います。

委員
 これは、もうあれなんですけど、こんだけの番組をつくるというたら全部自社でというか、ある程度、手をかけたら、とっても大変やなと。それやったら、そういった点では単純な発想で海外ドラマにして、その分を、ほかのところの企画ものに力を入れるとか何か、そうやって見たら「海外ドラマがないな」というのが、ちょっと気がついたんで述べさせていただきました。
 それと、これ単純な疑問なんですけど、27時とか28時に、何かテレビショッピングの番組が、ものすごい並んでいるんですけど、こんな時間に買う人っていうか、まず見る人がいるのかというのがあるんですけど、全くコアの方がおられると思うんですよ。これ買う人はおるんですか。

社側
 どちらかというと、ここだけの実利というよりは、それはプレゼンスだと思うんです。実は最近、先ほど秋田へ行かれたお話もありましたが、ローカル局へ行くと、もう深夜って、ほとんど通販番組なんです。通販番組は、テレビショッピング代わりに、そういうところを買い占めに来るんです。
 まだ我々、一番下にしか置いていませんけど、準キー局やキー局は、なるべくテレビショッピング、こういう通販番組を入れないように、入れないようにしているんです。これは営業の仕切りなんですけど、従って、こういう時間しか出さないで、「ここでもいいから」というので、実は買いにいらっしゃっているんです。
 必ずしも、ここでおそらく通販のほうが成立しているとは、そんなには思わないんですが、その逆には通販会社のプレゼンスとして、一つのイメージに近い形でお買いになっているというのが、関西のこの辺のプログラムだろうというふうに思うんです。
 ただローカル局へ行きますと、もう土日の昼から、いい時間から通販番組だらけです。

委員
 そうなんですか。

委員長
 ちょっと時間がなくなってきたので申しわけないですが、委員、何かございますか。

委員
 私も、今回、番組全体のことということなので、ちょっといろいろ気をつけて、いろいろなテレビを見るように、また、それから新聞を広げてテレビ欄をバーッと見たり、いろいろしているんですが、結局、先ほどから、いろいろお話ありましたように、なかなか「これ見たいな」とマークしたいというのは、本当に探すのが大変で、先ほどから、お話あるような、いろいろバラエティーですとか、あまりドタバタみたいな、そういう番組の合間に、キラッと光る、いい番組があるなというのが感想でして、私だけかなと思って、いろいろな方に、いろいろ聞いてみると、やはり世代が、若い人は、また違うことを言われるかもわかりません。私どもの世代の人は、みんな同じようなことを言って「あんまり見たいと思わない」と、みんなが、そういうことを言うのが、一つ大きな、ちょっと最近のテレビの特徴かなというふうに思うんです。
 結局、そういう意味で、先ほどから、いろんな話が、昔のテレビと変わったとかありますけど、今そういうテレビが人気があって、そういうのが視聴率がとれて、スポンサーもつくということであれば、これは視聴者側の問題で、結局、今の日本、私どもが、そういった志向があって、そういうものの考え方をして、そういうのを好むという、何かそういうことになってしまうんだなというふうに思います。
 そうすると、テレビというのは、これだけ影響が大きいので、その国のテレビを見ると、大体その国の大げさにも文化みたいな志向が分かるというか、そういうことになる。
 ですから、これは視聴者側にも、すごく責任がある問題だなというふうに思ったりしていますんですが、そういう中で、例えばNHKさんなんか、全然スポンサーとか関係なくつくれるんで、好きなものがつくれるわけで、例えば、今人気のガーデニングも、すごく若い世代の方に人気があるんですが、ああいうのは再放送になったりして、また本が出たり、すごく今、自然と共生というふうな自然環境の意味でも、すごくいい番組として、すごく人気があるんですが、そういう、いい番組を提供して、必ずしも、そういうのが、なかなか受けないいうよりは、非常にそういう支持があったり、人気が出たりもするので、やっぱり新しい番組のつくり方の発想というか、先ほどからお話ししているように、次の時代の、そういう番組というのを、やっぱり新たに先駆的に、ぜひつくっていただきたいなというのがすごくありまして、今までにも、いい番組だなと思うと、深夜、夜中に放送されたり、そういうふうに、なぜゴールデンタイムにならないのかなみたいな話が今までありましたけど、やっぱりそういう視聴者をテレビ番組が、テレビ局が視聴者を育てるというふうな観点も、ぜひ見ていただいて、視聴者とともに育っていくというか、何かそういう本当に、いい番組をしたら、やっぱりそれだけ支持があると思いますので、そういう番組づくりということを非常にしていただければなと、ちょっと希望ですけれども、そういうことでございます。

委員長
 ありがとうございました。じゃ、これで。

社側
 きょうは幅広いご意見をいただきまして本当にありがとうございました。最後に9月に視聴者の方から寄せられました声について、簡単にご紹介をさせていただきます。
 9月は、総計で6,933件、平均よりは大分多い件数の声がございました。その中で、一つの番組について一番多かったのは、9月の中旬ですが、野球の巨人×阪神が競り合いになった時期がありましたが、そのときに放送を9時で打ち切ったことに対して136件の抗議というか、「なぜ打ち切るんだ」というふうな声がありました。
 ちなみに、これは来月ご紹介することになるんですが、10月2日に読売ジャイアンツが優勝を決めた日に、野球の放送がなかったことについては150件余りの同じような抗議の電話がございました。一つの番組で100を超えるというのは相当大きな数ですので、そんなことがございました。
 それから先月の審議会でも、一部ご紹介いたしましたが、橋下弁護士の件については、その後も、パラパラとご意見が来ていまして、1か月集めると53件、多くは「橋下弁護士の言っていることが正しいんだ。頑張ってくれ」というような声ですが、一部には「ああいうことをテレビで放送するのはいかがなものか」というご意見もございます。
 それから『結界師』というアニメーションをやっているんですが、これを10月の改編から、時間帯を深夜に移したことについて、「元に戻してほしい」というふうな声を、たくさんいただいております。
 最後につけておきましたが、こんなことをテレビ局に言われても、どうしようもないんですが、先月も申し上げましたように、社会的に何か事が動くと、そのことに対する意見をテレビ局に言ってくるという傾向が、このごろ非常にありまして、安倍総理が辞任されたときには、一斉に電話が鳴り出して、こういう感じで「やめろ」とか、「かわいそうだ」とかみたいな意見がテレビ局に寄せられるという時代になってきています。
 番組上ではないので、関係ないといえば関係ないんですが、でも、やはり世相を映す鏡であることは確かなので、こういうことも、こんなふうに視聴者は考えているというのは、情報としては、出来たら出していきたいなというふうに思っております。以上でございます。
 きょうは本当にありがとうございました。
 来月でございますが、来月は11月9日、金曜日、この場所で同じように開催をさせていただきます。事務的な手続きが、うまくいきましたら、きょうご紹介しました新しくスタートした番組を見ていただければなというふうに考えております。
 どうも、きょうはありがとうございました。

以上

  • 平成19年度読売テレビ番組審議会委員
  • 委員長    熊谷信昭   兵庫県立大学名誉学長、大阪大学名誉教授
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    川島康生   国立循環器病研究センター   名誉総長
  • 委員    秋山喜久   関西電力株式会社  顧問
  • 委員    金剛育子   能楽「金剛流」宗家夫人
  • 委員    林  千代   脚本家
  • 委員    阪口祐康   弁護士
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    北前雅人   大阪ガス株式会社   代表取締役副社長執行役員
  • 委員    谷  高志   読売新聞大阪本社   専務取締役編集担当