番組審議会報告とはProgram council report

「番組審議会」とは、放送法という法律で定められた審議機関のこと。
テレビ局が放送する番組の充実・向上と適正をめざして審議するために設置されています。
讀賣テレビ放送番組審議会 委員は、さまざまな分野の有識者10名で構成されており、
原則として審議会を月1回開催しています。
少し難しい内容かもしれませんが、あなたが知っている番組について話し合っていることもありますので、
ぜひ一度読んでみてください。
いつもとは違った視点でテレビを見るようになれるかもしれません。

※読売テレビの番組は、放送基準にもとづいて製作しています

第611回2020.4

4月の番組審議会は、新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が発令されたことを受け、
通常の開催を中止。
委員から審議対象番組に対する意見等を書面にてお寄せいただく形で開催しました。
今回の対象番組は、2月23日放送の『ますおか引越センター』です。

今年度から新たに梶山寿子(ノンフィクション作家)、島尾恵理(弁護士)、白羽弥仁(映画監督)の3氏が委員として加わりました。
また委員長には勝田泰久委員、副委員長には馬淵かの子委員と北前雅人委員が就任しました。

ほかに、3月に視聴者の皆様から寄せられた声を委員に書面にて報告しています。


□出席委員
勝田泰久 馬淵かの子 北前雅人 佐古和枝 藤野可織
足達新 小林順二郎 梶山寿子 島尾恵理 白羽弥仁

『ますおか引越センター』に対して
委員の皆さまから寄せられた主なご意見は以下のとおりです。

「引越しという共通するイベントを取り上げつつ、離島への移住エピソードでは今後交流することになる地元の人たちに、ゴミ屋敷エピソードでは10年の歳月をかけて累積されてきたゴミを取捨選択して搬出するプロセスの中で浮かび上がる生活や心身への影響に、アイドルへの転身エピソードでは家族、特に母との関係に、と異なる側面に光が当てられており、飽きさせない構成になっていた」
「目の付け所の良い面白い企画だった。
3件の引越のそれぞれにドラマがあり、最後まで飽きさせなかった」

番組のコンセプトは、委員からは好評でした。

「企画は大変面白いと思います。『えー!』とか『本当!』と思うような事例を良く取材していると感心しました」

番組で紹介した3件の引越についてのご意見です。

「離島専門の引越し屋さんがいることにまず驚いた。
西表島での取材は、旅行バラエティー番組以上の贅沢さ。
美しい風景も楽しめ、ご夫婦のゆったりとした幸福感が感じられるエピソードだった」
「10年に渡ってゴミ屋敷を築き上げた方が、自分を立て直されたことに感動した。できればゴミの片付けの様子をもっと詳細に見せてもらいたかったが、番組全体のゆるいのんびりした雰囲気のつくりからすると、これはこれでリラックスできていいのではないかとも思えた」
「アイドル志望の女性のチャレンジ精神には脱帽。ただわざわざ母親への手紙を読ませたりするところは演出過剰と感じた。引越は不安と期待が交錯する人生の節目。涙の別れあり、新たな出会いあり……そんな悲喜こもごもの人間ドラマを、おかださんの人柄と話術で自然に引き出したほうが、しみじみとした感動を呼んだように思う」

一方で、番組に成り立ちに関する疑問も寄せられました。

「取材対象の選択の仕方(応募方法、審査基準など)や、依頼者が引越をしようと決意した動機やきっかけについて、また引越しの費用はだれが払ったかなど、もう少しきちんと説明が欲しかった」
「取材対象者の選択方法や引越費用についてなどをきちんと番組内で表現することが必要だったのではないか。引越しの密着取材という視点は面白いので、こうした点を解消して、是非、続編を作ってほしい」

こうした意見に対する制作者のコメントです。

「貴重なご意見の数々を、ありがとうございました。
この番組は、企画立案から放送まで8か月をかけ、スタッフのみならず出演者とも大いにディスカッションしながら作り上げました。
増田さんがお持ちの、一般の方々の人情を引き出す取材力と
岡田さんがお持ちの、明るく実は繊細なキャラクターによる番組展開で、
引越される方のみならず、これから新たなスタートラインに立つであろう視聴者の方々をも応援したい、という思いを込めています。
今回引越された取材対象者が直面するドラマとともに、
引越にまつわる未知なる世界を楽しんでいただけたならば嬉しく思います。
取材対象者に友人として接するような密着取材を常に心掛け、
視聴者に共感してもらえるよう注意を払って制作してはおりましたものの、
ご指摘の点につきましては、改めて我々の至らなかった側面に気づかせていただけたと深く受け止めると同時に感謝いたしております。
制作方針としましては、引越に密着させていただける方のリサーチから始まり、その後ご本人様とのご相談、そして引越に同行させていただく了承をいただけた方の中から今回の3人の方の取材を行いました。
引越に密着させていただくという趣旨のお願いでしたので、引越費用は番組負担ではありません。あくまで、ますだおかだのお二人が引越を手伝う、というコンセプトでの密着であることのご理解をいただいて取材収録を行いました。
誤解を与える展開であったのであれば、今後の反省材料として生かしたいと思います。
また、取材対象者の選考は、近々引越される方がいらっしゃるかを
スタッフの友人関係から紹介してもらったり、多くの引越業者への聞き込みであったり、個人SNSで発信されている情報から得たものであったりと、多岐にわたるリサーチによって得られた候補者情報の中から
ご協力いただける方々を探し出した次第です。
並大抵の数ではありませんでした。
我々も初めて制作する番組でしたので、その方向性を見出すまで
リサーチから広範囲の活動を続けておりました。
次回につながる企画として作り上げた1本ですので
今後を楽しみにしていただけるとの温かいご意見を活力として胸に秘め
新たな取材対象者との出会いに向け頑張ってまいります。
今回の審議、誠に有難うございました」
『ますおか引越センター』について、
出席委員からの主な意見とともに、制作者からのコメントをご紹介しました。
  • 2020年度讀賣テレビ放送番組審議会 委員
  • 委員長    勝田泰久   大阪経済大学前理事長
  • 副委員長    馬淵かの子   兵庫県水泳連盟   顧問   元オリンピック日本代表
  • 副委員長    北前雅人   大阪ガス株式会社   顧問
  • 委員    佐古和枝   関西外国語大学教授
  • 委員    藤野可織   小説家
  • 委員    足達新   読売新聞大阪本社   取締役編集局長 
  • 委員    小林順二郎   国立循環器病研究センター 名誉院長
  • 委員    梶山寿子   ノンフィクション作家
  • 委員    島尾恵理  弁護士
  • 委員    白羽弥仁   映画監督