里山再生プロジェクトin 丹波 2018
~11月10日(土) 実施報告~
「里山再生プロジェクトin 丹波 2018」について
兵庫県丹波市は、日本海側に生息する動物や草木、また瀬戸内海側に生息する動物や草木の両方が共生する日本でも稀な地域です。そんな豊かな自然を保護するために、地元では2012年代から様々な森林の整備に取り組んでいます。
しかしながら、2014年8月に起こった豪雨による大規模な水害・土砂災害によって、 森林の木々は流され、川の流れも変わり、地形をも変えてしましました。 災害木の搬出はじめ、更なる森林整備が必要となっています。 この事態を受けて、「丹波の豊かな自然を保護し、災害に強い地域を作る事」を目的に、 24時間テレビの環境保護活動支援の一環として、昨年「里山再生プロジェクトin丹波」を立ち上げました。
昨年に続き、2回目となる今年は、ボランティアと現地スタッフなど82名のご参加を頂き、 「遊歩道の再生」「間伐木・除伐木の搬出」「菌打ち」などの作業を実施しました。
一人一人が、環境について真剣に取り組めば、災害の軽減にも繋がり、 また災害に強い地域づくりができると考えています。
【実施日時】2018年11月10日(土) 10:00~15:00
【実施場所】丹波市市島町近隣
【参加者】参加ボランティア42名 現地スタッフ35名 計82名
実施内容
開会式に続き、豪雨による災害状況の一部見学と現状説明を受けます。
つづいて、参加ボランティアは「遊歩道の再生」「間伐木・除伐木の搬出」「菌打ち」の3つの班に別れて作業に入ります。
昼食を挟んで、間伐木を利用した24時間テレビのロゴ入りコースターの作成、引き続きの搬出作業、また参加者全員による「植樹」を行い、夕暮れを前にこの日の作業を終了します。
豪雨による災害状況の一部見学と現状説明を受けるボランティアの皆さん
遊歩道の再生
土砂災害の影響で、本来あった「登山道」が流されてしまいました。地元では、急斜面の中、木と石を使って遊歩道の再生(作成)、補修を日々行っています。
この日の活動では、「狸穴命水」の源流まで繋ぐ既設遊歩道の急傾斜部分の補修(約100m 20Stepsの追加)と、間伐木を利用した休憩用ベンチの新設を、地元学生ボランティアチームがお手伝いしてくれました。
間伐木・除伐木の搬出
森林の保護と整備のために伐倒された間伐木・除伐木を、枝払いしての回収・搬出に協力しました。
搬出された木々は、決められた大きさに切り分け、乾燥させることで、ボイラー用の薪などに有効利用されています。
菌打ち
間伐木を利用しての菌打ち作業。それぞれ幹の数か所にドリルで穴を空け、「しいたけ」や「なめこ」の菌を打ち付け栽培します。この日は、子供たちや学生ボランティアの皆さんに体験していただきました。
また、昼食時には、以前ボランティアが活動時に菌打ちを行った「なめこ」を収穫し、「なめこ汁」を参加ボランティアの皆さんに味わっていただきました。
とても好評で、10杯以上のおかわりをしたお子さんも・・・!
ドリルで穴を開けて、「しいたけ」や「なめこ」の菌打ち
オリジナルコースターの作成
昼食を終えると、オリジナルのコースター作成に参加いただきました。
間伐木を輪切りにし、24時間テレビのロゴの焼印を入れるコースター作りには、思い思いの手作りとあって、参加者の笑顔がいっぱい!
オリジナルのコースター作りに夢中!
植樹
プログラムの最後は、参加ボランティア全員で土砂災害に強い地盤の生成を目的とし、「ウリハダカエデ」の植樹を行いました。
植樹を終えたボランティア・スタッフ全員で記念撮影、2018年の「里山再生プロジェクトin丹波」は夕暮れを前に無事終了しました。
植樹に設定された場所は、日当たりのいい急斜面、スタッフの指導のもと、慎重に慎重に・・・
「またここに戻って来たい、数年後の少し育ったカエデが楽しみ・・・!」
里山再生プロジェクトの活動を終えて
今年は、7月の西日本豪雨をはじめ、想定外の大型台風が連発、また大地震と、自然災害に悩まされ続けました。このプロジェクトも、正に2014年8月の豪雨による大規模水害を受けて立ち上げたものですが、実施日当日を迎えるまで、(屋外イベントとして )天候の行方には、全く予断を許さなかった。
そんな中、当日を迎えだ現地は、幸運にも日差しも感じるベストコンディション、里山再生プロジェクトは好スタートを切りました。
今回の作業プログラムは、遊歩道の再生や間伐木の枝払いと搬出など、なかなかのボリュームもありますが、「なめこ」の菌打ち体験やオリジナルのコースターづくり、また植樹など、いろんな初体験に、ボランティアの皆さんには、有意義な一日を過ごして頂いたのではと感じています。
参加頂いたボランティアの皆さんの声
●以前から、ボランティアには興味を持っていて、 24時間テレビのHPから応募。
被災した現場を見て、改めてその規模に驚いた。
今日の作業については、楽しんでやらせて貰ってます。
(介護士をされている男性)
●今日の作業については、楽しんでやらせて貰ってます。
初めての参加。地元以外の方とも、作業をご一緒して、より丹波(豊かな自然と被災の現状)を知ってもらうことに意義があるかと思う。
(地元から参加された男性)
●ベンチ作成や間伐木の搬出など、自然の木とふれあい楽しい経験でした。と同時に、自然の猛威を改めて知り、復旧作業がより進むめばいいなと実感。
(知人の誘いで参加の女性)
●災害からの復興作業に、皆さんがご苦労されていますが、そんな現状を見ること、また、何か自分にできることがあればとの思いから参加しました。
担当した菌打ち作業は、みんなの今後の生活にも繋がっていくようで、楽しい経験をさせて貰ったと思います。
(誘われて参加の地元主婦)
今回のプロジェクトの輪が、参加ボランティアによって、ますます広がることで、自然保護活動への理解、防災意識の向上、また自然災害に強い街づくりに繋がることを願っています。