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特 集

2018/08/04

特集01

新世紀のマーケティング!「ブランデッドムービー」の魅力に迫る!

ことし6月、都内で開催された
「ショートショートフィルムフェスティバル(SSFF&ASIA)2018」。

国内外の優秀な短編作品が一堂に会するこの祭典で、
3年前から開設された新たなジャンル」がいま、
“熱い視線”を集めている。

(SSFF主宰・俳優・別所さん)
「“ブランデッドショート”という、
 広告とシネマの“ハイブリッドな新たな関係”。
 いま21世紀になって、インターネットの時代になって、
 再び解き放たれた短編の魅力、短編の可能性というのが、
 広告とのハイブリッドの“ブランデッドショート”。」

CMほど、短くない。映画ほど、長くない。
CMのようで…CMとはちょっと違う“不思議”な動画。
それが「ブランデッド・ムービー」という新たなジャンルだ。

説明よりも…観るが易し。
この部門で“初代グランプリ”を受賞した作品を 
まずはノーカットで、ご覧いただこう。

(「早稲田アカデミー」ブランデッドムービー ~へんな生き物~)

この動画を製作したのは、関東一円で進学塾を経営する
「早稲田アカデミー」。動画を公開したところ、たちまち視聴者から
「感動する!」「泣いた!」と“絶賛の声”がネットで拡散した。

動画には、ラストシーン以外、企業名は一切、出てこない。
それでも、視聴者には、動画に感動した記憶とともに、
企業への「親近感」が静かに刻まれる。伝えるのは、
商品ではなく、観る者の心を揺さぶる「ストーリー」だ。

(東京ガス・ブランデッドムービー ~家族の絆~)

「東京ガス」のブランデッドムービーのテーマは、“家族の絆”。
シリーズで描くのは、日々の暮らしに隠れた“ささやかな幸せ”。
通常のCMとは違う「ブランデッドムービー」を、なぜ作りつづけるのか。
 
(東京ガス広報部 高橋寛子氏)
「企業の“思い”とか、私達とお客様とのエンゲージ(結びつき)を深める
 といった意味が大きいかなと思っている。これを観て、少しでも
 「良い企業だな」とか、エネルギーってあったかいなと感じて頂けたら…」
 
今年、審査員を務めた放送作家の小山薫堂氏。
人気キャラクター「くまもん」の生みの親、マーケティングを知り尽くす
小山氏も、ブランデッドムービーの未来に大きな期待を寄せる。
 
(放送作家・小山薫堂氏)
「今までは(CMは)商品の魅力を伝えたい企業が多かったんですが、
 これからは“企業が何を考えているのか”“どういうものを応援しているのか”
 企業の「哲学」をわかってもらうほうが、モノが売れる時代になりつつある。」

大阪市内に本社を構える、老舗の造船会社・サノヤス。
今から8年ほど前、「会社を世の中にもっと知ってもらいたい!」と
一本のCMを制作。造船所のある「岡山県限定」で放送したところ、
その“インパクトの強さ”が、たちまち話題となった。
 
(サノヤスホールディングス・CM ~造船番~)

いかついリーゼントの髪型に学ラン姿。
アニメのタッチは昭和を感じさせる「劇画調」にあえてこだわった。
別バージョンでは…男性の野太い歌に、字幕には「社長」の名前が。
会社の「福利厚生」の紹介まで載せる気合の入れようだ。
 
(サノヤス・坂根誠人事部長)
「今の若い方には、“番長”という言葉がピンとこない。
 けど我々の世代は番長って"恐い"ってイメージもあるけど、
 "強い"ってイメージもあるんですよね。 
 だから造船ってものを知っていただくという中で、
 “船を作るぜかっこいいぜ”というテーマが、
 船を作るってものすごく力がいるけれど…
 こんなにすごい楽しいことなんだよ。というのを知ってほしい。」

放送前は社内の一部から、視聴者の反応を心配する声も上がったというが…
蓋をあけてみると、動画はSNSを中心に瞬く間に拡散!
動画サイトなどで、爆発的な再生数を記録したこの動画は、
海外でも話題となり、フランスの由緒ある広告賞も受賞するなど、
インターネットのもつ「拡散力」に、担当者もただただ驚いたという。
さらに、その影響は企業のリクルート活動にも…

(サノヤス・坂根誠人事部長
「説明会で(学生に)“うちのテレビCM見たことありますか?”と聞いたら
 ほとんど手があがるわけですよ。“どこで見たの?”って聞いたら
 『ネットで、youtubeで、ニコニコ動画で』と。
 あららと…これ(ネットの拡散力は)は凄いね、というのはあった」

動画の影響もあって、入社試験の希望者は前年度からなんと「倍増」!
現在、入社3年目の赤澤さんも、就職活動で会社に興味を持ったきっかけは、
「造船番長」のインパクトが大きかったという。

(サノヤス人事部・赤澤さん)
「はじめ見たときはなんのCMか正直言ってわからなかった。
 今のアニメとは全然違って…“劇画チック”なタッチで、
 すごい若い世代には印象に残る映像だったので」
(Q)実際に会社に入ってみて、イメージ通りの会社だった…?
「そうですね。自由な、チャレンジングなCMをつくるだけの
 会社ではあるな、という気持ちで今はいます。」

株式会社・ネスレ日本の高岡浩三CEO。
フェスティバルの主宰者である別所哲也さんとともに、
ショートムービーと広告の可能性にチャレンジしてきた
動画マーケティングの“パイオニア”の一人だ。

(キットカットCM ~受験シリーズ「母編」~>

これは、今から15年ほど前に、高岡氏が手がけた
看板商品・キットカットのテレビコマーシャル。 
「受験シリーズ」と題し、“頑張る人を応援する存在”という
「ブランドイメージ」をドラマ仕立てのストーリーで表現した。

(ネスレ日本・高岡浩三CEO)
「目標に向かって頑張っている人に、
 そっと「頑張ってね」という気持ちを伝える。
 そういうものを一つのストーリーの中で表すと、
 “大きな共感”をたくさんの人に、より深く刻むことができる。
 世の中にこれだけたくさんブランドがあるわけで、そういう中では
(顧客との)“深いコミュニケーション”が求められる時代になった。
 僕らの言う“ブランドの体験”、それが大きなブランドの価値になってくる。」 

顧客とのコミュニケーションの場として、ネスレ日本では、
「ネスレシアター」と題して、ホームページに国内外の良質な短編作品が
いつでも気軽に観られる動画コーナーを常設している。

(ネスレ日本制作・ショートムービー「いつか会える日まで」)
近年では、韓国人の監督と俳優を起用し、
キットカットをモチーフにしたショートムービー、
「いつかあえる日まで」を自社で制作。

動画によって、ブランドイメージの向上と、
共感する「ファン」を獲得するマーケティング手法で、
おととし韓国で発売を開始した“メイドインジャパン”の
「キットカット・抹茶味」は、瞬く間に大人気商品となった。

(韓国インターネット通販サイトのレビュー)
「おいしい!」「サイコーです!」
「濃い抹茶味で、大好きなチョコレートです!おすすめします!」

インターネットの世界に「国境」はない。
ブランデッドムービーと新たなマーケティングのカタチ。
その「ストーリー」、企業の「哲学」に心を動かされる“新たな顧客”は、
今や「世界中」に存在している。

(ネスレ日本・高岡浩三CEO)
「20世紀につくられた広告の概念が21世紀にはどんどん変化している。
 今みなさんがブランドをどうやって選んでいるか?というと
 “サーチ”(検索)している。
 いかにしてお客様に選んでもらう、探しに行ってもらうブランドになるか。
 これが今まで、先にブランドの名前を覚えてもらおう、
 という“広告ありき”の時代とは違っている、
 という風に考えてもらうとわかりやすいかな、と。」

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