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特 集

2018/06/02

特集01

空飛ぶクルマが現実に!?日本にも波が!

ドバイで、中国で、
ドローンやIT技術を駆使した「空飛ぶクルマ」が、
すでに空を飛び始めている。
実用化に向けた動きは日本でも…

(山本隆弥アナウンサー)
「人とクルマのテクノロジー展に来ています。
 クルマの最新技術を紹介する場なのですが、
 ひときわ注目をあびているのが、
 この奥にある「空飛ぶクルマ」です」

ひと昔前まで、
夢の乗り物だった「空飛ぶクルマ」が、
今まさに現実のものになろうとしているのだ。
 
この乗り物は、私たちの生活を一変させるのだろうか?

まるで、SF映画のワンシーンのような映像。
アメリカ西海岸に拠点を置くベンチャー企業
「ホバー・サーフ」が開発した空飛ぶバイク「ホバー・バイクS3」だ。

これまでに中東ドバイの警察に10台が納入されたこの空飛ぶバイク。
渋滞の際、
交通整理をする警察官が
素早く現場に向かうのに威力を発揮している。

最高時速70キロ、
3時間のフル充電でおよそ20分間の飛行が可能だ。
ちなみに価格は約660万円、
ネットで注文すればおよそ半年で納品されるという。

一方、こちらは…。

中国のIT系ベンチャー企業「イーハン」が開発した
人を乗せて飛ぶドローン、イーハン184AAV。

今年2月、有人飛行試験に成功した際の映像を公開している。

この時の最高飛行高度は300メートル、
航続時間は公表されていないが、
最高巡行速度は時速130キロに達したという。

一方、ヨーロッパでは、
大手航空機メーカーと自動車メーカーがタッグを組んで
「空飛ぶクルマ」を開発する動きが…。
エアバスとアウディ、そしてザイン会合同のプロジェクトを紹介した映像は、
今年3月のジュネーブモーターショーで大きな話題となった。

自動車メーカーだけでなく、
航空機メーカーやITベンチャーなどが今
こぞって開発を進めている「空飛ぶクルマ」。
その波はすでに日本にも押し寄せている。

(山本隆弥アナウンサー)
「「空飛ぶクルマ」は大変注目されていますので
 たくさんの記者がブースの前に集まって、
 (説明員は)質問攻めにあっています」

VTRの冒頭で紹介したこの機体。
若手技術者やベンチャー企業の関係者らが開発を進める
日本「発」の空飛ぶクルマ"スカイドライブ"だ。

(福澤知浩共同代表)
Q「空飛ぶクルマ」のつくりはどうなっている?
「主に走行部分と飛行部分に分かれていて、
 走行に関してはタイヤが3つあり
 後輪の内側にはモーターが入っていてそちらで駆動する。
 飛行に関しては8枚のプロペラを使って安定して飛んでゆく」

実はこのプロジェクト、
トヨタ自動車やアイシンなど多くの企業が資本参加している。

そこには、次世代の新たなモビリティの可能性を探る
日本のモノづくり企業の姿勢が見え隠れする。

(トヨタ自動車 豊田昭男社長)
「私はトヨタをクルマ社会を超え、
 人々の様々な移動を助ける会社、
 モビリティー・カンパニーへと変革することを決意しました。
 私たちができること、その可能性は無限だと考えています」

カーティベーターの目標は
2020年の東京オリンピック開会式でデモ飛行させ、
聖火を点灯させることだという。

(福澤知浩共同代表)
「一番面白いのは何だろうと考えたとき、
 "空飛ぶクルマ"だということになった」

日本のモノづくりのプライドを垣間見ることができるのが、
このプロペラを回す部品だ。

(福澤知浩共同代表)
「こちらのモーターでプロペラを回します
 それと同時にこの可変ユニットでプロペラの角度を変え
 (飛行を)制御してゆきます」

プロペラの角度を変えるこの装置は、
通常ヘリコプターなどに使われるもので、
航空機専用の大きなサイズが主流。

その為、より小型で精密なモノをゼロから作りあげる必要があった。

(福澤知浩共同代表)
「通常のドローンはプロペラの回転数を制御するが
 SD01(スカイドライブ)に関しては回転数だけでなく
 プロペラの角度も制御しようというカタチ、
 そうすることで安定して飛行できるようになる」

機体の安定を優先した彼らのモノづくりはハードルは高いが
航空機としては外せない技術だと、
自身もパイロットの経験を持つ航空ジャーナリストの坪田敦史氏は語る。

(航空ジャーナリスト坪田敦史氏)
「航空機として考えれば飛行機というのは、
 空気の中を飛んでいるので気流の影響を受けるし風の影響も受けるので、
 そういう条件の中で安定した乗り物を作るというのは
 ものすごく大変」

こうした中、市民レベルで夢の飛行機づくりに情熱を注ぐ人たちがいる。
彼らの活動にカメラが密着した。

神戸の山林の中にある作業所。

(森本高広代表)
「67、100、120…」

ここで開発が進められているのは、
パイロットがいなくても自動運転で飛ぶ個人用の飛行機だ。
プロジェクトリーダーの森本高広さんは
開発を始めた理由をこう語る。

(森本高広代表)
「空へのあこがれというか飛んでみたかったから
 2つ目(の理由)が新しい
 交通機関を作り上げて行きたいという思いがありまして…」

このプロジェクトが目指しているのは
操縦技術がなくても誰もが気軽に乗ることができる言わば「空飛ぶ原付」。

(森本高広代表)
「行きたいところをタブレットとか
 そういうもので選んで頂けたら、
 そのまま自動でフワッと飛んで目的地で降りてくれるという
 機体を目指します」

森本さんは、仕事で輸送機器の設計の経験はあるが、
飛行機の設計は専門外。
そのためモノづくりのイベントなどでメンバーを募ったという。

目標は最高時速120キロ、一度に200キロ飛べる機体…。
より力強く飛ばすためには
プロペラの動きが重要になってくる。

やはりここでもカギを握るのは、プロペラの角度の調整だ。
この角度をプログラムが自動で調節し
必要な推力を限られた燃料で効率よく得られるようにするのだ。

こうして迎えた先月の初飛行。
成功すれば、最終的な自動運転に向け大きな弾みとなる。

(坂本三津也さん)
「初めてのことだから緊張しますよね
 ダメならダメであきらめます」

この日パイロットを務める坂本三津也さん。
ハンググライダーの第一人者だ。

いよいよ離陸!

機体はふわりと空へ舞いあがった。

プロペラの角度の自動調整もノートラブル。
100メートル以上の高さまで上昇し、
推力もしっかり出ているようだ。

この日の初飛行は大成功だった。

(森本高広代表)
「めちゃめちゃ嬉しいな、というのはあるんですが、
 プロジェクトとしては最初の一歩をやっと踏み出せたところ。
 自動制御で誰でも飛べるという
 現実をできるだけ早く味わって頂こうと思っていますので
 それに向けて頑張ってゆこうと思います」

一方で、実用化に向けては
法律の整備も重要な課題となる。
これには開発者と監督官庁の密接な連携が欠かせないと
航空ジャーナリストの坪田氏は言う。

(航空ジャーナリスト坪田敦史氏)
「航空機のカテゴリーに入れるのか
 クルマのカテゴリーに入れるのか、
 ある一定の研究者たちがモデルを
 作ってどうやったら実用化に結びつられるか
 報告書をきちんとまとめて認可の話が始まるだろう」

経済産業省はこの春から
航空機、自動車、そしてドローンを担当する
各セクションの連携を深めるためチームを立ち上げ、
ミーティングを行っているという。

また国土交通省は、
具体的な法案の検討はまだ先としながらも、
試験飛行など開発にかかわる新たなルールづくりに向け、
開発団体や関連企業などと前向きな協議は続けていく方針だ。

夢の乗り物で終わるのか、それとも現実のモノとなるのか、
それは私たちが「空飛ぶクルマ」に
どんな価値を見出すのかにかかっている。

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