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特 集

2018/03/31

特集01

不登校から東大合格へ 注目のトライ式教育法

今月14日、大阪。

街中のイベントホールでとある卒業式が行われた。
出席したのは高校3年生の生徒。
挫折を乗り越えこの日を迎えた。

(卒業生・代表)
「私は中学1年生で体調を崩し、学校に通えなくなった
 その後はほとんど家から出ず同世代の人とも接することなく
 過ごすようになった」

会場にいる200人の生徒の多くは、
学校に通えなくなった不登校の生徒たちだ。

卒業生の1人、寺内夢羽さん。
将来に不安を感じ希望を失ったが、
ある扉を叩いたことで夢を見つけ笑顔を取り戻した。

その扉とは通信制高校サポート校・トライ式高等学院。
家庭教師でお馴染みのトライグループが運営する
不登校の生徒向けの学習教室で全国規模で展開されている。
必要な単位を取得すれば
連携する通信制高校の卒業資格を得ることができるのだ。

そのトライ式高等学院の梅田キャンパス。

卒業式にいた寺内さんは
高校1年生の時に学校を辞め、この教室に通い始めた。

(寺内さん)
「実はこれ勘でやっているんです」

彼女が不登校になったのは、小学校低学年の時。
中学では1年生のうちはなんとか学校に通ったものの2年生の秋から再び不登校に…。

(寺内さん)
「正直、これがきっかけで行けなくなったとかなくて
 足が動かなかった
 何で行けなくなったわからいので、誰にも相談できなかった」

現在、不登校の中高生は、全国におよそ15万人。
不登校がきっかけで、引きこもりのまま大人になったケースもあり
対策が急がれる社会問題だ。

トライ式高等学院では、8年前の開校以来5000人以上が無事に卒業。
進路決定率はなんと99%で中には東大京大に合格した生徒も。
その実績を生んでいるのが、トライ式・サポート法だ。

正午。
梅田キャンパスで昼休憩の時間になると…。
寺内さんは他の生徒らとにぎやかに食事を始めた。

周りは同じ境遇の子ばかり。
その環境が生徒に安心感をもたらしている。

そこに声をかけてきたのが寺内さんの担任の福田知佐子先生。
この学院では担任の先生が特別な存在になる。

授業は、マンツーマンが基本。
担任は卒業まで変わらない。

(談笑する2人)

授業の間2人はとにかく楽しそう。

(寺内さん)
「(いつも)笑いながら…」
(記者)
「何かやれとかではない?」
(寺内さん)
「全然、自分に合わせて進む」
(記者)
「気持ち的に楽?」
(寺内さん)
「楽」

(福田先生)
「先生というよりは友達に近いような話をしたいなと思っていて」
「最初の挨拶とか「何かあった?」とか「私はこんなことがあった」とか
 (授業の)最初に話をするようにしている」

重要視しているのは生徒と先生の距離感。
神戸・三宮キャンパスの岡林瞭太君と、
担任の鷹野先生は4年近い付き合いになる。

(記者)
「フランクでしたね?」
(鷹野先生)
「基本的に僕がボケ役で、突っ込み役」
(岡林くん)
「すぐボケるから」

岡林君は、病気で入退院を繰り返し不登校に。
直後は強いストレスを感じ、気力がわかなかったというが…。

(岡林くん)
「最初はやる気あんまりなくて、
 さぼりたいなと思ったこともあったけど
 楽しいから遊び感覚で来られるようになって全然苦しいとかなかったです」
(鷹野先生)
「一緒にいて気を使わないで普通に接して、
 仲良くなったり話をしてもらうテクニックが大事。
 何回も「これどう思う?」と聞いているうちに
 自分の考えを書けたりしゃべれるようになってきた」

同じ担任が卒業まで1対1で指導にあたることで、
1人1人に合った接し方を見つけ細かな気配りが可能になる。
不登校で不安を感じる生徒に、安心できる場所を作り出しているのだ。

(岡林くんの母親)
「話ができる相手が少ないので授業も大事ですけど
 先生とそういう話ができて 居場所というか。
 うちの子にとっては、ありがたい場所」

また、この学院ならではの特徴は、
家から出られない生徒には家庭教師と同じ自宅型指導が可能なことだ。

関西に住む17歳のA君。
小学校4年生のとき家の外に出ることが突然怖くなり中学校では引きこもりの状態に。

そんな彼のもとに週に1回訪ねてくる人が…。

小林春男さん。
少々年配だが…学院から派遣されている英語の先生だ。

小林先生の前ではA君は自然体でいれるようだ。
当初は別の若い先生だったが、
もっと落ち着いたペースがいいと要望したところ、
温和な小林先生を紹介されたのだ。

トライは、家庭教師の事業で全国に14万人の先生を抱えているため、
生徒が望むキャラクターの先生を見つけやすい環境にある。

別の日、カウンセラーの資格も持つトライの社員が訪ねてきた。
いずれは外に出られるよう定期的な面談でメンタル面をサポート。

すると、A君の内面にも変化が。

(トライ式高等学院 久住和浩 大阪キャンパス長)
「1人で(外に)行く?何分くらい?」
(A君)
「歩きだけなら30分くらい」
(カウンセラー)
「今年1年、どう変わっていくか楽しみ」
(A君)
「期待して頂いて結構ですけどね…」

(トライ式高等学院 物部晃之 副学院長)
「全てのお子様の夢や目標を必ず叶える。
 そういう強い気持ちを持って取り組むこと。
 我々1対1で見ているので、お子様の小さな灯がつく、
 気持ちが沸き立つ瞬間を見逃さないようにしている」

先月、西日本のキャンパスの責任者が集められ研修会が行われた。

(トライ式高等学院 久住和浩 大阪キャンパス長)
「(目標を)実現していくにはこういったことが必要だと見せる、
 話すのではなくて、見せる」

この日のテーマは学習カリキュラムの作り方。
目標が定まっていない子をどうするのか、
社員同士がノウハウを教え合う。

(研修会)
「大学受験が遠すぎる、高校1年生だったら。
 英検・漢検を身近な目標として持ってはどうかと」

実績は積み上がっているが、
すべての生徒を立ち直らせることができるわけではない。

(トライ式高等学院 物部晃之 副学院長)
「強いうつ状態になってしまった場合は
 医療行為が必要になってくる。
 その場合はご家族と相談してサポートを中断するケースもある」

トライ式では学習以外に
スポーツ大会や修学旅行などのイベントも企画。
自由参加だが、思い出作りに加え社会性を高めてもらうのが狙いだ。

そして卒業の日を迎えた寺内さんと岡林君。
共に第一志望の大学に合格し4月からは新たな環境に飛び込んでいく。

(寺内さん)
「無事、卒業できてすごくほっとしてます」
(福田先生)
「嬉しですよ、1年生の時からずっとみてたんで」

(鷹野先生)
「中学から比べたらすごく大人になったので、感動しました。
 ネクタイを締めるようになるとは…」
(岡林くん)
「自分でできないけど」

道は決して、一つではない。
そう信じ胸をはって歩んでいく。

(岡林くん)
「今のところはソーシャルワーカーになりたい」
(記者)
「頑張れますか?」
(岡林くん)
「はい」

(寺内さん) 
「将来の夢は看護師になることです。ありがとうございました。泣いちゃう」

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