ウェークアップ

毎週土曜 あさ8時〜

辛抱
ウェークアップ

特 集

2018/01/13

特集01

広辞苑 10年ぶりの大改訂!

東京・銀座。

(北村聡さん)
「お待たせしました。スナイパーです」

ジンとライムジュースに
グリーンアップルのリキュールを入れたカクテル。
その名もスナイパー。

(北村聡さん)
「カクテルを提供するときにネーミングも大事。
 創作意図の参考にならないかということで広辞苑を利用する」

オシャレな店内の片隅には広辞苑が置かれている。
オリジナルカクテルを作る際ネーミングの参考にしているという。

ちなみにスナイパーは
「あなたの心を打ち抜く」というイメージで作られた。

広辞苑は意外な所で必要とされていた。

(書店員)
「岩波所書店の広辞苑、10年ぶりの第7版本日発売になります」

(坂木リポータ―)
「10年ぶりに大改訂した広辞苑。
 店内にはポスターも貼られていますし
 あちらには広辞苑がずっしり積み上がっていますが
 今日発売となりました」

店内には早速、広辞苑を求める人が…。

(購入者)
「頭脳です。日本の頭脳です。
 一家に1冊ぐらいは必要な気がします」

10年ぶりの大改訂。その裏には何があるのか?
24年間、広辞苑の編集に携わっている平木さんは。

(岩波書店 平木靖成副部長)
「言葉の定着度とか変化を見るのが10年程度。
 言葉の変化を見るスパンなのかなという気がします
 これが(広辞苑に)入っていないであろう言葉を
 リストアップしているファイルになります」

日頃の生活の中で言葉を見つけてはメモし、ストックしているという。

今回候補となった言葉はおよそ10万語。
そのうち1万語が新たに追加・改訂された。

ではその言葉はどうやって決めていくのか?

(岩波書店 平木靖成副部長)
「日本語として定着したか?という広辞苑の大きな選定基準がある」

年代や性別の違う14人のスタッフが集まり、
載せるべき言葉かどうか議論する。

新しく収録された言葉には、時代をうつす“スマホ”や“iPS細胞”も。

追加された言葉にはどんな意味が記されているのか。

(坂木リポーター)
「“ツイート”を調べてみたいと思います。
 鳥のさえずりの意。ツイッターに短文を投稿すること。
 また、そのその段階。文字数に制限がある。”つぶやき”と書かれています。」

さらに、こんな言葉も…。

(坂木リポーター)
「では“お姫様抱っこ”を調べてみたいと思います。
 10年前はお姫様抱っこする男性はいなかったのかしら?
 お姫様の欄に抱っこも表記されています。
 “童話などで王子様が御姫様を抱える抱き方から
 大人の女性を両手で横抱きすること”。大人の女性が限定になってます」

この10年で変化したのは「言葉」だけではない。
スマホなどを使ってネットで手軽に言葉の意味を検索できる環境が当たり前になった。

そのあおりを受ける形で書籍版の広辞苑は
1983年発売の第3版をピークに年々減少傾向にある。

しかし平木さんは広辞苑のニーズがまだ社会にあると感じている。

(岩波書店 平木靖成副部長)
「世の中の方にありがたいことに“広辞苑によれば”という引用をしていただいて
 ある言葉を一言でわかりやすく提示したいという場面は
 辞典が売れなくなってきていたとしても
 人間社会の(使用する)場面は減ってきていないと思うんです」

その書籍版の広辞苑を愛用している人がいる。

画家の堀川理万子さん。

作品を描いている最中、突然手を止めて…。
広辞苑に向かい始めた。一体何を調べるのか?

(堀川理万子さん)
「タイトルとかのイメージを探したくて、
 今ピアノを描いているところなので
 ピアノについて調べているところ」

言葉の意味を正しく知ることで作品のイメージを膨らませるというのだ。

堀川さんが“書籍版の広辞苑”にこだわる理由は?

(堀川理万子さん)
「紙の辞書は偶然の出会いがあるんですね。
 パラパラとめくる中に。
 ネットだとピンポイントでしか出てこないので
 “ネットサーフィン”というよりか“辞書サーフィン”って感じ」

(坂木リポーター)
「こちらの会場では子供たちが真剣な眼差しで辞書に向かっていますが
 何をしているのでしょうか?」

これは「辞書引き学習」という勉強法。
知らない言葉を引くのではなく、知っている言葉を引いて付箋を貼っていく方法だ。

(辞書引き学習発案者 深谷圭助さん)
「わからないことを調べるというよりも
 わかっていることを明らかにするという方が、子供たちにとっては嬉しいこと
 子供たちは楽しい活動なのは間違いない」

(参加した子ども)
「24いったぜ!」

付箋を貼ることによって達成感も得られるという。

(坂木リポーター)
「いっぱい調べてるね。」
(参加した子ども)
「今は(付箋が)520」
(参加した子ども)
「付箋付いた本が大きいから頑張ったなと思える」

(辞書引き学習開発者 深谷圭助さん)
「ネットに流れるのは便利だからとかめんどくさいからとか
 便利に調べたからといって、それが記憶に残るとは限らない。
 ある程度負荷をかけながら記憶する学習するのが必要だろうと思います」

デジタル社会の今だからこそ、
辞書を引くという負荷をかけることで学習した内容を記憶に残すことができるのだ。

ところで!きのう改訂された広辞苑に載っているのはおよそ25万項目。
その最後を締めくくる言葉は一体なんだと思いますか?

BACK NUMBER

btnTop