ウェークアップ

毎週土曜 あさ8時〜

辛抱
ウェークアップ

特 集

2017/02/18

特集01

韓国・平昌オリンピックまで1年、現地を徹底取材!

今月初め取材班が向かったのは
韓国の首都ソウルから車でおよそ3時間の平昌。

オリンピック開催地、平昌とはどんな町なのか?

そこで見たのは、民族衣装で踊る人々。
さらに…!

イノシシのはく製を仕留め雄たけびをあげる若者たち。

(ディレクター)
「これ何やってるんですか?」

(参加者の女性)
「この麻から糸を作り
 それで編んだ民族衣装を着て踊るんです。」
(参加者の女性)
「雪の花祭りというものをやっていまして、
 オリンピックのために行っているんです。」

実はこれ、毎年冬に平昌で開かれる地元のお祭り。
来年のオリンピック開催に合わせ
町の民俗文化を紹介することに。

そのリハーサルを兼ね、今年盛大に行われていたのだ。

人口およそ4万6000人が暮らす平昌。
緯度は、新潟県などとほぼ同じだが
この時期、気温がマイナス20℃近くまで下がることも。
しかし…

(ディレクター)
「現在の気温、手元の温度計では4℃となっております。」

取材班が訪れた日、路上の雪はほとんど溶け、
わずかに軒下などに残っているだけだった。

(ディレクター)
「あちら平昌2018。
 オリンピックを歓迎するモニュメントがあります。」

町にオリンピックがやって来る。
歓迎ムードを盛り上げようと沿道には、
平昌大会の幟が立ち並んでいた。

(ディレクター)
「平昌ってどんな町なんですか」

(平昌の住民の男性) 
「いい町です。食べ物が美味しく、人情に厚い町です。」

そんな平昌の"冬の風物詩"がコレだ。

(ディレクター)
「たくさんテントが張ってあって
 向こうのほうに人がたくさんいます。」
「魚をたくさん取ってる人がいますね!?」
「これ川の上ですね!川凍ってますね」

人々が集まっているこの場所は、分厚く凍った川の上だ。
手には日本の「ハエ叩き」のような物が握られている。

(観光客の女性)
「マスを釣ってるのよ」

(ディレクター)
「なるほど!日本のワカサギ釣りみたいな感じですね」

行われていたのは、その名も「平昌マス祭り」。
毎年、冬の間 開かれるイベントで、
凍った川に穴を開けて疑似餌で「マス」を釣るという。

(ディレクター)
「あっ来た来た来た!マスがあがって来ました。
 デカい!イキがいいですね!」

次々と釣り上げられるマス。
大きいモノだと40センチを超える。

町の主要産業「マスの養殖業」が観光に一役買い、
韓国全土から大勢の人を呼び込んでいるのだ。
  
(ディレクター)
「これ今日の晩ごはん?」

(観光客の男性)
「刺身にして食べます」

そんな楽しい平昌で来年の冬開かれるオリンピック。
競技場の数は12。その内6つが新たに建設された。

今回、この内の一つフィギュアスケート会場への立ち入りが許された。

(ディレクター)
「これ選手控え室と違いますか!
 ここで振付の確認とか色々するでしょうね。」
「観客席が出来上がっています」

ショートトラック競技も行われるこちらの会場。
内装は、ほぼ完成している。
だが、気になることが…。

(ディレクター)
「天井周り、やたら丹念に工事が進んでいますね。」

去年11月、リンク中央の天井に吊るされた電光掲示板が氷の上に落下。
重さ25トンまでしか耐えられないワイヤに
27トンの電光掲示板を無理に吊したのが原因と、
地元メディアは報じている。

韓国国内では安全性に疑問を持つ声も少なくなく
そのための補強工事が行われていたようだ。

続いて向かったのは、雪上競技などが行われる会場だ。

(ディレクター)
「ほぼ出来上がってます」

こちらではクロスカントリーやノルディック複合、
さらに、日本のメダルも期待されるスキージャンプなどが行われる。
すでにどの競技場も9割以上が完成しているという。

そんな平昌で懐かしいモノ発見。

(ディレクター)
「こちらのほうにはヨン様とチェジウさんの等身大パネルが
 立っています」
 
実は平昌は、韓流ブームの火付け役となったドラマ『冬のソナタ』の
舞台となったことで知られるリゾート地。

去年は、日本人を含む外国人観光客270万人以上が
訪れた一大観光名所なのだ。

今でも"冬ソナの聖地"として数多くののオブジェが飾られているが
実は今年で見納め。
来年はオリンピックに合わせ全て撤去される予定だという。

そんな「冬ソナ」ゆかりのゲレンデ近くにあるのが
オリンピックのアルペンスキー大回転の競技場だ。

(龍平リゾート スポーツ事業部 李慧星さん) 
「スロープの拡張工事が去年12月に終わりました。」

しかし…。

(ディレクター)
「雪少ないですね。コースの所は雪があるんですけど横の山とか
 土とか結構見えてますし、スキー場としては結構
 雪ちょっと少ないような感じに見えますね」

スキー場なのに雪が少ないとは一体、どういうことなのか?

(龍平リゾート スポーツ事業部 ジョン・ウハ マネージャー)
「実は最近この地域は雪が少なくなっている傾向があります。
 オリンピックに関しては、
 天然の雪は期待できないので人工雪に頼らざるを得ないです」

実は平昌、もともと積雪量がそれほど多くない上
近年の地球温暖化で雪が激減。
ゲレンデの雪は数日前、
記録的な大寒波がもたらしたわずかな天然の雪の上を
大量の人工雪で覆ったものだった。

(ディレクター)
「この黄色い物体が人工雪を作る機械だと」

ヨーロッパから購入したというのが
この最新型の人工降雪機だ。
来年のオリンピックに合わせ、新たに26台を投入。
合計150台の人工降雪機で雪不足を補うという。

気になる、滑り心地は?

(スキー客)
「転びやすいです。天然の雪より人工の雪の方が
 すごくスピードが出ます」

ちなみにこれは過去、同じ時期に平昌で開かれた
バイアスロン世界選手権の様子。
来年のオリンピックは、
こんな状態で行われないことを願いたい!

とはいえ、競技場や選手村など大会に必要な施設の建設は順調な平昌。

さぞかしソウルでも盛り上がっているのでは?
と思い、今月オープンした平昌オリンピックのマスコットキャラクターなどが並ぶ
公式グッズショップを訪ねてみると…。

(ディレクター)
「店内にいるのは店員さんだけで
 お客さんが誰もいないという感じです。」

暇を持て余したレジ担当者が化粧直しをする姿も…

一方、先月からソウル駅に設置されたオリンピック関連の展示物に
子ども達は興味を示しているが、
大人たちは気に留める様子もなく、どこか冷めている。

ソウルに住む日本人に聞いてみると。

(ソウル在住の日本人)
「(盛り上がっていると)あまり肌で感じない。
 ほとんど(平昌五輪の)話題にならない」

開幕までちょうど1年となった今月9日、
オリンピックの記念イベントが開かれたが、
そこに国のリーダー、朴槿恵大統領の姿は無かった。

(大機規模デモ)
「パククネを逮捕しろ!」

去年の秋以降、政権のスキャンダルが次々と明らかになり、
国民の怒りが噴出。

大統領の職務が停止され、
いま韓国の政情は、かつてない程混乱している。

(ディレクター)
「ソウル市内ですけど、もの凄い群衆が抗議デモを行っています。
 大行進をしています。親朴派の抗議集会のようです。」

ソウルでは今、
それまで鳴りを潜めていた朴大統領を支持する
「親朴派」が勢いを増していた。

今月初め、特別検察官が大統領府に捜査に入ろうとしたことに抗議し
火がついたのだという。

(親朴派シュプレヒコール)
「弾劾棄却!弾劾棄却!」

同じ頃、そこからわずか300mほど離れた広場では
大統領の逮捕を訴える「反朴派」の大規模集会が開かれていた。
今でも毎週末、ローソクを手に集まっているという。

(デモの参加者)
「今はずっと大統領弾劾の関連ニュースばかりを見ています。
 平昌オリンピックのことは全然、実感すら湧きません」

親朴派と反朴派に分断された韓国国民。
彼らにホスト国としてオリンピックを迎え入れる余裕はあるのだろうか。

そこで今回、街ゆく韓国の人50人に聞いてみた!
平昌オリンピック、あなたは関心が高いですか?
その驚きの結果とは…!

開幕まで1年を切った平昌冬季オリンピック。

そこで今回首都ソウルだけでなく
韓国第2の都市プサンでも聞いた!
あなたは平昌オリンピックの関心が高いですか?

(否定派 ソウル市民) 
「関心ありません。
 こんな混乱がずっと続くのであれば、
 平昌オリンピックを成功させるのは難しいでしょう。」

(否定派 ソウル市民)
「大統領が交代するかもしれないので、
 今はそっちで頭がいっぱいです。」

(否定派 ソウル市民) 
「開催都市に地域の利益だけを優先に考える利己主義が多く見られます。
 政治家たちがそれを利用しようとしているのが透けて見えます。」

(肯定派 プサン市民) 
「関心は高いです。
 我が国で開催するから、関心が高いのは当然です。」

(否定派 プサン市民) 
「正直オリンピックへの関心はありません。
 政府が国民に向けて平昌オリンピックを開催するとずっと広報していますが、
 それを見るたび不愉快な気持ちになります。
 国民の気持ちを無視して国が勝手に推進しているような気がします。」

結果は13対37で
オリンピックに否定的な声が圧勝。
関心が高いと答えた人は、4分の1程度だった。

国民だけでなく企業にも
オリンピックへの消極的な空気が漂う韓国。

今年に入り、
一連の政権スキャンダルの影響でオリンピック担当大臣が逮捕されるなど、
韓国国内では平昌大会そのもののイメージに傷がついてしまった。

そのため、出資を約束していた企業が相次いで萎縮。
オリンピックへの協賛金は
開幕まで1年を切った今でも目標金額に達していない。

さらに、問題になっているのが
大会終了後の競技施設の活用法だ。

中でも開会式が行われるメーンスタジアムは、
使い捨てと揶揄されている。

建てられたのは、人口わずか4000人の過疎の集落だ。

(地元住民の女性) 
「スタジアムを存続させておくと維持費がかさむので、
 大会が終われば撤去すると聞いています。
 でも本当のところは私たちにも、はっきり分からないんです。」

大会後、競技施設はどう活用されるのか、
担当者を直撃した。

(江原道庁 オリンピック運営局 李善鐘係長)
「13の競技場の内、
 11か所は選手育成施設としての活用案ができています。
 損失は国が補てんしてくれるでしょう。
 私たちが重要と考えるのは、
 "観光のオリンピック"、"文化のオリンピック"です。
 大会終了後、たくさんの観光客が来ると思います。」

国が混乱する中、進められているオリンピック。
専門家は危機感を募らせる。

(東亜大学体育学部 鄭熙俊教授)
「平昌オリンピックはスポーツの発展のためではなく
 単なる地域おこしのために行われようとしています。
 オリンピックで金儲けをするという荒唐無稽な考えをするなと言いたいのです。 
 本来オリンピックには、国民の応援や関心が絶対必要なんですが、
 それを失うしかない状況になってしまったのが最大の失敗です。」

開幕まで1年。
平昌オリンピックは
国民の関心と期待を取戻すことができるのだろうか。

BACK NUMBER

btnTop