ウェークアップ

毎週土曜 あさ8時〜

辛抱
ウェークアップ

NEWS

2017/12/09

NEWS01
NEWS02
NEWS03

エルサレムをイスラエルの首都に 広がる波紋と衝突

厳戒態勢の中
”聖地”はきのう、トランプ大統領の宣言後初となる
イスラム教の集団礼拝の日を迎えた。

(記者)
「金曜礼拝を終えた人たちが続々と集まって
 トランプ大統領に対する非難の声をあげています」
「いま治安当局とパレスチナ人の衝突が始まりました」

礼拝直後から各地でパレスチナ人と治安部隊が衝突。
人々の怒りが高まっていた。

(パレスチナ人)
「トランプはパレスチナ問題を解決しようとしているのではなく、
 危害を加えようとしている」

中東情勢を一気に緊迫化させたトランプ大統領。

(トランプ大統領)
「きょう我々は明らかな事実をようやく認める。
 エルサレムはイスラエルの首都だ
 アメリカの国益、イスラエルとパレスチナの和平の追求にとって最善だと判断した」

トランプ大統領はイスラエルとパレスチナが
帰属を争っているエルサレムを
イスラエルの首都と認め、
アメリカ大使館を移転すると宣言した。

エルサレムは1キロ四方の壁に囲まれた旧市街に
キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の3大宗教の聖地があり、
聖書にもコーランにもその名が記されている。
その帰属は宗教が複雑に絡み争われてきた。

イスラエルは1948年の建国以降、
周辺のアラブ諸国との4回にわたる戦争の結果、
エルサレム全域を実効支配し首都と定めた。

一方、パレスチナ側も
エルサレムを首都とする独立国家の樹立を目指している。
双方が”エルサレムを首都”と主張しているのだ。

日本を始めとする国際社会はイスラエルの主張を認めていない。
混乱を避けるため他の都市に大使館を置いてきた。

一方、アメリカは1995年、
議会が大使館をエルサレムに移すことを決定。
しかし歴代大統領は中東地域の安定を優先し移転を見送ってきた。

1993年にはクリントン大統領が仲介し
2国家共存を目指すオスロ合意を締結。
他でもないアメリカがこれまで中東和平の仲介役だった。
しかし。

トランプ大統領は大統領選で大使館のエルサレム移転を公約に。

(トランプ大統領・去年3月)
「我々はアメリカ大使館を
 ユダヤ人の永遠の首都であるエルサレムに移す」

ことし5月には
現職のアメリカ大統領として初めて
ユダヤ教の聖地、「嘆きの壁」を訪れるなど
親イスラエルの立場を鮮明にしてきた。

(トランプ大統領・去年3月)
「私は長年イスラエルの絶大な支持者だ」

そして、今回の決定は国連決議に反する
イスラエルの主張をアメリカが追認した形だ。

背景には来年1月の政権発足1年を前に
「選挙公約の実現」を
支持者へアピールする狙いがあるとみられている。

今回の決定に対し、
パレスチナや中東諸国は反発を強めている。

パレスチナ自治政府のアッバス議長は強く非難した。

(アッバス議長)
「アメリカが中東和平の仲介役を
 放棄すると宣言したのと同じだ」

現地メディアによると
ティラーソン国務長官とマティス国防長官は
エルサレムの首都認定に反対していたという。

そのティラ―ソン国務長官はおととい
「アメリカ国民の思いを実行に移しただけだ」と決定の正当性を主張しつつ
反米感情を抑えるためなのか、こう述べた。

(ティラ―ソン国務長官)
「移転する場所を確保したり建設計画を策定したりしなければならず
 一夜にして起きることではない」

保たれてきた
均衡が崩れつつあるパレスチナ情勢。

パレスチナ自治政府のガザ地区を実効支配する
イスラム原理主義組織・ハマスの最高指導者は、こう民衆に呼びかけた。

(ハマスの最高指導者 ハニヤ氏)
「12月8日を『怒りの日』とし、
”インティファーダ”の始まりとする」

「パレスチナ人による反イスラエルの民族蜂起」
「インティファーダ」につながりかねない衝突は全世界へ。
 怒りは拡散し続けている。

(トランプ大統領)
「アメリカは和平合意の仲介にこれからも深く関与し続ける」

今後も中東和平に向け
「全力を尽くす」と強調したトランプ大統領だが
和平への道はさらに遠のいたと言わざる得ない。

NEWS04

BACK NUMBER

btnTop