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2017/10/21

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中国共産党大会開幕・・・習近平国家主席の思惑は

人口14億人を擁する中国はどこへ向かうのか。

今後の針路を決める、中国共産党大会が
今週水曜日から始まった。
5年に1度開かれる最高意思決定機関だ。

今回の大会は、
習近平国家主席の
長期政権に向けた思惑が透けて見えるものとなった。

両隣りには、
習主席と権力闘争を繰り広げてきた
江沢民元国家主席。
そして、胡錦濤前国家主席の姿が。

習主席は、初日の政治報告で2人を上回る業績を誇示。
「今世紀半ばの未来像」を語るなど
格の違いを見せつけた。

(習主席) 
「中国の社会主義は”新時代”に入った」
 科学技術”強国”
 高品質”強国”
 宇宙事業”強国”
 インターネット”強国” 
 交通”強国”
 革新型国家の建設を加速する」

およそ3時間半に及ぶ報告の中で
繰り返された言葉が
「新時代」そして「強国」だった。

中長期の目標も示された。

まず、2020年から35年までに
経済力や科学技術などを大幅に向上させ、
建国100年を迎える「今世紀半ば」までに
社会主義強国を築くと宣言した。

さらにー。

(習主席)
「2035年までに
 国防と軍隊の現代化を実現し
 今世紀半ばまでに人民軍を世界一流の軍隊にするよう努める」

軍事力拡大の意向を表明した。
海洋進出については、南シナ海の南沙諸島に
人工の島を建設したことを1期目の成果だと称えた。

さらに、自画自賛したのが”汚職の撲滅”だ。

(習主席)
「トラ、ハエ、キツネを摘発し、
 腐敗を許さないという目標を実現した」

このとき会場が拍手に湧く中で、
江沢民元国家主席は、険しい表情で軽く手を合わせた。
江沢民派の幹部らが
少なからず摘発の対象になったためなのか。

軍の制服組ツートップだった、
徐才厚氏と郭伯雄氏。
いずれも江沢民派だが収賄の疑いで党籍をはく奪された。

つい先月にも、
「ポスト習近平」と目されていた
江沢民派の孫政才・前重慶市書記が、
党の規則違反を理由に失脚した。

代わりにその職に就いたのが、
習主席に近い陳敏爾氏だ。

「汚職撲滅」は習主席にとって、
権力闘争に勝つための手段でもある。

習主席の一強体制を
さらに盤石なものにするためには、
これまで江沢民氏に近い人物が過半数を占めてきた
政治局常務委員7人のうち、
習主席に近い人物が多数派を握ることが重要だ。

新たなメンバーは閉幕翌日の25日に決定する。

これは、貴州省にある、
「腐敗撲滅基地」と呼ばれる展示室。
汚職で摘発された中国共産党の幹部の写真が
見せしめとして展示されている。

薄暗い中には、囚人となった腐敗官僚の模型が。
これらは習主席の思想を植え付ける”教材”になっている。

権力の集中が進む中、
習主席の業績をたたえ、権威付けるための取り組みも進む。

陝西省には習主席が青年時代、
暮らした崖をくりぬいただけの横穴式住居がある。

(ガイド)
「ここに習主席が住んでいました
 2番目の布団で習主席が寝ていました」

もともと習主席は
父親が副首相を務めたほどのエリート家庭に生まれた。
しかし、文化大革命の混乱の中、
父親は政争に巻き込まれ投獄。
当時15歳の習氏も貧しい農村に送られ、
ここで過酷な生活を強いられた。

習主席が中国トップになってから、
ここには博物館やレストランができた。
習主席の「不屈の精神を学ぼう」と訪れる人たちの聖地となっている。

(訪れた人はー)
「学ぶことばかりでとても感動した」

今回の共産党大会では、
党の規約に習主席の名前がついた思想が
書き加えられる見通しが強まっている。

(習主席)
「中華民族の偉大な復興を実現する行動指針で
 長期に堅持し発展させなければならない」

習主席の名前が付いた思想が規約に入れば、
建国の父・毛沢東氏に並ぶ指導者に位置づけられることに。
2期目を前に、自身の”格上げ”を狙う習主席。
すでに3期目を見据えているという指摘もある。

習主席の一強体制が固まりつつある一方で、
反発する声も出始めている。

夫が政権批判をネット上に書きこんだ途端、
当局に拘束されたという女性を取材した。

(夫が拘束された女性)
「夫はネットに”習肉まん”と書いたのです」

≪R-1≫
中国当局が強化しているのがインターネット上の言論統制だ。

(習主席) 
「ネットを管理し
 健全なサイバー空間を作り上げる」

習指導部はことし「ネット安全法」を施行。
社会の秩序を乱す書き込みを放置したとして
大手SNS会社「ウェイボー」に調査に入った。

山東省に住む孫文娟さん。
夫の王江峰さんは、
ネット上に政権批判を書き込み身柄を拘束された。

(夫が拘束された孫さん)
「法律の不公平さ 暗闇を目にして不満を発散したのだと思う
 夫はネットに”習肉まん”と書いたのです」

習主席はかつて肉まん店を訪れ、
庶民性をアピールしたことがあった。
この出来事をきっかけに人々が社会への不満を表す時、
揶揄する言葉として「習肉まん」が広まった。

この言葉をネット上に書き込んだだけで夫は拘束され、
懲役2年の実刑を受けた。
「指導者の名誉を傷つけ社会の秩序を乱した」というのが
判決の理由だった。

(孫さん)
「ネットで個人の意見を言ったら犯罪になるってどういうこと。
 市民が弾圧された文化大革命と同じじゃないですか」

言論を力で封じ
異例の速さで権力を掌握した習主席。
注目の中国共産党大会は、来週火曜日まで続く。

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