たぶらかし~代行女優業・マキ~

毎週木曜ヨル11:58

ストーリー

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今週のゲスト

6話「さよなら ノクターン」

 マキ(谷村美月)はイギリスから一時帰国中のピアニスト、桐嶋美響(松山愛里)から15年前に母親と離婚した父親、神崎隆一(浅野和之)に、自分の代わりに娘として会って欲しいと依頼される。最近、美響は会いたいと神崎から頻繁に連絡を受けていた。3年に1度の国際コンクールを控える美響。優勝すれば世界デビューも夢ではなく、この大事な時期に神崎に心を乱されたくないので、縁を切って来て欲しいとマキに頼む。マキは父親なら娘が本物か偽者か、すぐにわかると心配するが…。

 マキは美響として神崎の自宅を訪ねるが、神崎はマキを偽者だと気付かない。昨年、神崎は視力を失っていたのだ。神崎はマキを歓迎するが、家政婦の佐藤伸子(緒川たまき)は会う約束を一度破ったマキを非難する。先週の金曜日、美響は神崎と会う約束をしていた。伸子はマキに、神崎が好きなショパンのノクターンを弾いてもらおうと言い出す。ピアノが弾けないマキは動揺が、ピアノの調律が狂っていると咄嗟に言い訳を思いつき、弾く事を回避する。

 マキは音大出のミネコからオルガンでバイエルを教えてもらい必死で練習をする。神崎の気持ちに応えられる娘を演じ、縁を切るまでの過程を良い思い出にしてあげようと考えていた。だが、それを聞いた美響は思い出なんていらないと言い放つ。美響はむしろ思い出を消したいと望んでいた。翌日、美響はピアノが弾けなくなった事をマキに打ち明ける。美響はピアノに向かうと神崎の事が頭を過ぎって演奏できなくなっていた。美響はどうすれば元通りピアノが弾けるようになるのか、わからず苦しんでいた。マキは手掛かりを掴むためにも神崎と会わなければいけないと美響を説得する。

 後日、マキは美響を友人として神崎に紹介する。会話中、神崎がピアノを弾く女性は美しいと言うと、美響はピアノより女性の方が好きそうだと神崎に嫌味を言う。さらに美響が友人として、美響と母親を不幸にしたと神崎を非難すると、伸子はテーブルに何かを置いた。それを見て驚くマキと美響。なんと美響の顔がジャケット写真になっている美響のCDだった。伸子はどちらが本物の美響か知っていたのだ。伸子はマキにショパンのノクターンを弾くよう促す。それを聞いて動揺する美響。この曲は神崎との思い出の曲だった。『私のためにノクターンを弾いて欲しい』という神崎の言葉に、とうとう感情がコントロールできなくなった美響は、娘として思いの丈をぶつける。ずっと黙っていたが、実は、美響が20歳の誕生日に母親から離婚の原因を聞き、そのせいでピアノが弾けなくなったと告白。神崎にはピアニストの愛人がいたのだ。愛人を囲うような男の嫌らしい血が流れている指から美しい響きなんて生まれるわけがない、そう美響は思い込み、ピアノが弾けなくなってしまった。神崎は美響の言葉を聞いて、友人を演じているのが本物の美響だと気付く。

 伸子は神崎に恨み節を言う美響をたしなめ、弾けないのは才能がないからだと言い放つ。神崎は無神経な伸子の頬を叩き、「お前なら弾ける」と美響を必死に励ます。その様子を見て、マキはピアノが弾けるようになっているかもしれないと考えた。しかし、美響はまだ弾く事ができなかった。夜、マキは事務所に残り、1人でオルガンの練習をしながらミネコや松平(段田安則)の言葉を思い出していた。翌日、マキはシャワーを浴び、メイクをして最後の芝居が待つ神崎家へ向かう…。

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