読売テレビ・日本テレビ系 獣医さん事件ですよ

毎週木曜よる11:59放送 7月3日(木)スタート!
プラチナイト

ストーリー Story

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第9話第10話

9月4日23:59~放送

健太郎(陣内孝則)の街に移動動物園がやってきた。
健太郎と日菜子(吉本実憂)はさっそく出かけ、親子水いらずのひと時を楽しむ。しかし和やかな空気の中、「カンガルー学習塾」と書かれたチラシを配られ、健太郎の気分は一変。その動物園には学習塾のスポンサーがついていて、来園者の子供たちをターゲットに宣伝している様子。
「動物をダシに使って子供たちを騙しているんだ」と不機嫌を露にする健太郎。きっと心根の腐った奴らの仕業だと日菜子を連れて帰ろうとしたその時、園長の水沢塔子(石野真子)が現れる。
「何か失礼がありましたでしょうか?」――その美しさに目を奪われた健太郎は「とっても素晴らしいイベントですよねぇ」と、たちまちテンションアップ。スキップする健太郎を、日菜子は白い目で見つめる。「また始まってしまった」。

そんな中、健太郎は元気のないヤギのカン太が気になる。その場で触診すると、胃の中に異物がある様子。健太郎は塔子の許可を取り、カン太を自分の病院に連れ帰ることに。

診察の結果、カン太には手術する必要があると分かるが、費用を聞いた塔子は、自分一人では決められない額なので、スポンサーに相談すると言う。旅から旅の暮らしの塔子は、明後日の朝には仙台に移動しなければいけない。健太郎は、許可が下り次第、カン太の手術を決行すると約束する。

そして、さらなる事件が勃発。移動動物園の豚が一頭逃げ出したという知らせが入る。動物園に引き返すと、近隣住民はそろって不満をぶつける。
「だいたい、近くに動物がいるだけで匂いがたまらないのよ!」
「鳴き声だって、うるさくて仕方ないんだ!」
動物園に今すぐ街から出て行って欲しいと訴える住民たち。怒号の中、たまらず健太郎が反論するが、住民の怒りは一向に収まらない。すると塔子が静かに語り始める。
「私の父は、動物たちを見る子供たちの笑顔が好きでこの動物園を始めました。私もその意思を継いで、いろんな街を動物たちと回っています」。子供の笑顔が見られることが親子にとってどんなに幸せなことかと、涙ぐんで訴える塔子。
しまいには「明日の入園料は無料にします。ですから一度お子さんたちをここに連れてきてあげて下さい」と、真摯な姿勢を見せるのだった。これには住民たちもさすがに黙り、健太郎も感動の眼差しで塔子を見つめる。
しかし、住民たちが帰ると「あの話、鉄板なんです」とケロッと言ってのける塔子。動物を連れて旅していると、地元の人間とのトラブルは日常茶飯事。そういう時は決まって同じ話をしているらしい。思ったよりもサバサバとした性格の塔子は、その後、健太郎を飲みに誘い、豪快にビールを飲み干す。時間が経つにつれ意気投合していく二人。酔いが回った塔子は、旅から旅というような移動動物園の仕事に対する疲れと寂しさをさらけ出す。
「どっかいい人のそばで落ち着きたいなあ、なんて思う夜もあるわけですよ」「先生みたいな人がいてくれたらな」――塔子からのアピールを受け、健太郎は動揺を隠せない。「今までにない展開だ……」
その頃、自宅で待つ英恵(野際陽子)と日菜子も、今までと違う展開を予感していた。
「動物関係の仕事をしてる人って、初めてじゃない?」「獣医と動物園の園長か……」。
そして夜が更けても健太郎は帰らず――。

翌朝、動物園の宿舎で目覚めた健太郎。昨晩の塔子の告白めいた言葉に気持ちが高まるが、当の本人は何も覚えてない様子。それでもうれしさを隠せない健太郎は、動物園のイベント準備の手伝いをすることに。二人は昨日に引き続き、やはりいい雰囲気で……。
すると突然、動物園のスポンサー「カンガルー学習塾」の社長が現れる。動物園に対するクレームが塾の本社にまで届き、イメージダウンを恐れた社長は、急遽イベントの中止を命じる。
「私、昨日住民の方に約束したんです。無料でいいからお子さんたちを連れて来て下さいって」
「無料? だったらやっても意味ないでしょう」
冷徹なスポンサーを前に、為すすべもなく片付け始めるスタッフたち。移動動物園の苦悩を知った健太郎は、何とかしたい衝動に駆られ、その後、塔子に切り出す。
「移動しない、普通の動物園にしたらどうですか?」
「でも、そんないい場所なんか」
「いい物件が見つかったんですよ」
なんと健太郎は、短時間で動物園にふさわしい物件を探し出したのだ。大きなビルの地下、だだっ広い屋上、そして港に浮かぶ漁船……。しかし、どれも現実的には無理だと分かると、しまいに自分の動物病院で動物たちを預かると言い出す。
「動物をダシに金儲けしか考えてないヤツになんか、世話になってほしくない。ボクがあなたと動物たちを守ります」。非現実的な健太郎の申し出に、塔子は「いい加減にしてください」と感情を露にする。そして、動物園の利益はほとんどなく、社長の援助がないとやっていけないというシビアな現状を告げるのだった。
「きれいごとだけじゃ、生きていけないんですよ」。ヤギのカン太のことも費用がないため手術ができない、安楽死させてやって欲しいと言い出す始末。
「カン太のために、他の動物たちを飢えさせるわけにはいかないんです」――それは園長としての苦渋の決断。健太郎は去っていく塔子をただ見送るしかなかった。
塔子の苦しみを感じ取った健太郎は、独断でカン太の手術を決行する。メスを握る健太郎に、これまでの塔子の言動がフラッシュバックしていく。やがて玉木(牧田哲也)の補助を得て、佳境に入る手術。
明日は、いよいよ塔子率いる動物園が街を去る日。
健太郎はカン太を救い、塔子を引き止めることができるのか――?

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