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『道浦TIME』

新・ことば事情

7252「計画運休」

「台風19号」の襲来を前に、JR東日本など首都圏の鉄道会社が、週末(10月12日・13日)の運行予定を発表しました。「様子を見ながら」ということもありますが、今から難を避けるために、あらかじめ「運休」を決めた

「計画運休」

が採用されました。この、

(1)「計画〇〇」

という「計画」が最初に来て、その後に何か言葉が続く形と、

(2)「〇〇計画」

と「計画」が後ろに来る言葉の形の違いについて考えました。

これまで一般的には、

(2)「〇〇計画」

がよく使われていて、例えば

「都市計画」

と言えば、

「都市を発展させる・プラスの方向に向けるプラン」

を意味しました。

ところが、(1)「計画〇〇」という場合は、

「〇〇をコントロールして、野放図に伸ばさないようにする」

という意味になります。どちらかというと「現状維持」あるいは、

「マイナスのイメージ」

です。似たようなものには、

「計画停電」

がありましたね。これも、

「電力をの消費をコントロールし抑制する」

という意味の「計画」でした。

つまり、同じ「計画」という言葉が使われていますが、明らかに意味が違う。別の言葉に置き換えると、

  1. コントロール、抑制

  2. プラン、発展

と、「全く逆のベクトル」になる気がします。

旧ソビエト連邦の「経済計画」は、

「計画経済」

と呼ばれましたが、

「限られた資源を配分して」

という意味で「(1)のコントロールの意味」ですね。それで「(2)発展」を目指すという、ある意味「矛盾した形」だったのではないかなと思いました。

(2019、10、29)

2019年10月30日 10:58 | コメント (0)

新・ことば事情

7251「海外の『法相』の読み方」

9月20日に名古屋で開かれた「新聞用語懇談会放送分科会」で、

「海外の『法相』の読み方」

について質問しました。

『韓国の「曺国(チョグク)氏」が「法務部長官」に任命されましたが、日本テレビ系列では、この役職名を日本になぞらえて「法相」とテロップでは出しています。この場合の読みは、日本の大臣だと、表記は「法相」でも「法務大臣」と読むのですが、外国の場合、たとえばイギリスの「ジョンソン首相」は「首相」と書いて、そのまま「シュショー」と読みます(日本の場合、NNN系列は「安倍首相」と書いて「安倍ソーリ」と読んでいます)。それにならうと、「ホーショー(法相)」と読むことになるのですが(実際、日本テレビ・NHK・テレビ朝日の各局はそう読んでいました)、

「日本の場合は、『ホーショー』は、耳で聞いて分かりにくいので『法務大臣』と読み換える」

のに、なぜ海外の場合は読み換えないのでしょうか?

この理由に関してご存じの方は、ご教示ください。

これに対する各社のご意見は、以下の通りでした。

(NHK)海外は「法相」と書いて「ホーショー」と読んでいる。

(日本テレビ)外国は「〇〇相(ショー)」。慣用が定着しているものは「長官」とする。(例:アメリカ「国務長官、国防長官」など)これまで海外のニュースで「法相」が出てくることは少なかったので、目立たなかったが...「法務大臣」と読み換えても良いと思う。韓国は「法務部長官」が正しいが、わかりにくいので「法相」で。

(テレビ朝日)外国の大臣は、スーパーもナレーションも「相(ショー)」。日本だけの名称である「総理大臣」は使わない。これは日本独自のポストで、古くは「太政官制度」に基づく「太政大臣」を指した。

(TBS)「日本」の場合ナレーションは「(ソーリ)ダイジン」で、「シュショー」「ガイショー」は使わない。「外国」のナレーションは「(ソーリ)ダイジン」は使わずに「シュショー」「ガイショー」とする。理由は「大臣」という呼称は、律令制度の太政官制度によるものなので、外国の政治制度には、なじまないからと、ルールを明文化している。

(テレビ東京)外国の場合は「ホーショー」「ガイショー」と読む。理由はわからない。

(フジテレビ)各社と同じ。外国は「相(ショー)」と読む。

(ABC)テレビ朝日に準拠。『放送で気になる言葉2011』96ページに「外国の閣僚は音声、画面表示ともに『××相』とする。慣用のあるものは『長官』などを使う(例)キャメロン首相 ヘイグ外相 クリントン国務長官」と載っている。

(MBS)外国でも「大臣」と言い換えた例もあるが、「大臣=おおおみ」なので、外国に使ったらおかしい。

(KTV)外国は「ホーショー」「ガイショー」と読む。

(テレビ大阪)扱いがない。テレビ東京に合わせる。

(共同通信)各社と同じ。理由は答えられない。表記に「大臣」は使わない。

(時事通信)表記は、日本の場合も「大臣」は使わず「首相」「法相」。放送原稿も。

(共同通信)韓国など外国の役所の場合、名刺に「外交部」と書いてあっても「外務省」に置き換える。「〇〇部」だと「会社の経理部・総務部」のように感じてしまうから。なお「世界年鑑」には「Agency」で表わされる部署は「長官」にするように記されている。(例:「CIA長官」)

ということで、結論は「全社」、

「『法相』を書いて『ホーショー』と読む」

でした。

日本の場合は、なぜ「法相」を「法務大臣」と読むのか?については、

「大臣は、律令時代の太政官以来の『日本独自の制度』なので、日本以外の国に使わない」

とのことでした。

ということで、それ以降「ミヤネ屋」でも、韓国の「曺国(チョグク)法相」の読み方は、

×「チョグク・ホームダイジン」→〇「チョグク・ホーショー」

になりました。

(2019、10、29)

2019年10月29日 20:27 | コメント (0)

新・ことば事情

7250「『関電』のアクセント」

「関西電力」のニュースでよく出て来る「関西電力の略称」の、

「関電」

これを放送では、どういうアクセントで読むでしょう?

(1)カ\ンデン(頭高)

(2)カ/ンデン(平板)

私は、

(2)カ/ンデン(平板)

ですが、東京のアナウンサーが読むのを聞いていると、

(1)カ\ンデン(頭高)

と読んでいるのを、よく耳にしますが、何ともなじみません。

実は、関西人が普段の会話で言う際は、(1)でも(2)でもなく、

(3)カ/ン\デン(中高)

(4)カンデ/ン(最後だけ上がる関西アクセント)

となるはずです。同じような現象は「関西国際空港」を略した、

「関空」

でも出て来ました。つまり、

(1)カ\ンクー(頭高)

(2)カ/ンクー(平板)

(3)カ/ン\クー(中高)

(4)カンク/―(最後だけ上がる関西アクセント)

というパターンがあります。

また、「東京電力」を略した、

「東電」

に関しても、少なくとも(1)(2)に当たる、

  1. ト\ーデン(頭高)

  2. ト/ーデン(平板)

のアクセントがあると思います。

知り合いのアナウンサー・アナウンス経験者にアンケートを取りました。

結果は以下の通りです。

(1) 頭高=9人

読売テレビ 4

フジテレビ 1

WOWOW 1

MBS   1

テレビ大阪 1

中京テレビ 1

(2)平板=20人

読売テレビ 9

MBS   4

テレビ大阪 3

フジテレビ 1

テレビ東京 1

南海放送  1

福井放送  1

(3)中高=0人

(4)最後だけ上がる=0人

(5)わからない(はっきり答えられない)=2人

テレビ大阪 1

テレビ金沢 1

その他、個別の意見としては、

・地元の「中部電力」は「チュー\デン」です。(中京テレビ)

・前提として電力会社を略称で読むことはないが、「四国電力」の略称「四電(よんでん)」を放送上「平板」で「ヨ/ンデン」と読む習慣があり、それに準じると「カ/ンデン」になる。ただ、愛媛県や四国電力の職員に「ヨ\ンデン」と「頭高アクセント」で呼んでいる人がいる。「四(ヨ\ン)」だけだと「頭高」なので、そのまま引っ張られて「ヨ\ンデン」になるのか?同じく「関電」の「関(カ\ン)」も「頭高」なので、「カ\ンデン」と「頭高」になってもおかしくないのかも。(南海放送)

・「関電」の場合は「平板」にすると「感電(カ/ンデン)」と同じアクセントになり、電力会社としては、あまり間違われたくない言葉になるのかもしれない。(南海放送)

・最終的には企業が決めた読み方で。(南海放送)

・弊社の原稿ではいつも「関西電力」と書いている。もし「関電」となっていたら、私は「平板」で読むが......(福井放送)

といった意見がありました。

(2019、10、15)

2019年10月29日 20:17 | コメント (0)

新・ことば事情

7249「猛打賞2」

10月2日に開かれた関西地区新聞用語懇談会で、

「エンゼルスの大谷翔平が『猛打賞』の活躍」

というように、

「本来『1試合3安打以上』の場合の『日本のプロ野球の制度』である『猛打賞』を、『メジャーリーグ』でも使うか?それとも直すか?」

というアンケートで、各社の意見は、

・直す=11.5社

・直さない=4社(読売・日刊・TVO・愛媛)

でした。個別の各社の意見は、以下の通りです。

【TVO】「猛打賞」は一般名詞として定着しているとアンケートでは答えたが、「米・メジャーリーグ」のニュースでは使わないので、訂正させてください。あと「高校野球」でも本来は使わないが、比喩的に使うことも。

【日刊】実例多数。メジャーでも高校野球でも問題なく使う。8月13日付紙面で、メジャーの「大谷翔平選手3安打、26回目のマルチ、7月30日以来7度目の猛打賞」という記事も出た。

【毎日】余談だが、野球で5打数5安打したことがある。その際には「ヨッ!猛打賞!」と言われた。

【MBS】実際、猛打賞にはスポンサーから「賞品(賞金)」が出る。

【ABC】ファーム(2軍)の中継では「猛打賞」(の賞品)が出ないので、言わない。

【神戸】元々は「猛打賞」はなかった。ある時期からスポンサーがついて、出るようになった。そのことから考えると、アマチュアである「高校野球」に「猛打賞」と言うのは、ふさわしくない。

【朝日】【京都】【共同】【ABC】【中国】=「具体的な安打数」

【毎日】普通名詞化しているが、「通算猛打賞回数」などの記録が成立するのはNPB(日本プロ野球機構)だけだとすれば、やはりNPBの制度として捉えるべきか。

【読売】見出しが大半だが、イチローが活躍していたころに比べ、使われなくなってきている。

【日経】「猛打賞」級の

【産経】そのままかツメ(〝 〟)をつける。言い換えるとすれば「マルチヒット」「マルチ安打」だろうが、少しニュアンスが変わってくるので、そのままのほうがわかりやすい。

【MBS】「3安打のかため打ち」など。「猛打賞」は日本のプロ野球のみ。

【KTV】「猛打賞」を使わない。

【ytv】わかりやすいので比喩として「猛打賞」もありかも。直すなら「マルチ安打」「3(4)安打」。

会議が終わってから、自分の過去に書いた原稿を検索したら...なんと2004年の11月に「猛打賞」について書いていました。

「平成ことば事情1967猛打賞」もお読みください。

(2019、10、28)

2019年10月29日 20:14 | コメント (0)

新・ことば事情

7248「シーソーゲーム」

ラグビーワールドカップ準決勝、「ウェールズ対南アフリカ」、息をもつかせぬ大熱戦、スゴイ試合でした。

まず南アフリカが、ペナルティーゴールで3点先制。すかさず、ウェールズもペナルティーゴールで同点。その後もペナルティーゴールで、着実に加点。なかなかトライは取れないであろうことを見据えた試合運びなのでしょう。前半を終わって9対6で南アフリカリード。

そして後半、ウェールズがペナルティーゴールで、再び9-9の同点に追いつく。そうすると南アフリカが、この日初めての「トライ」!コンバージョンキックも決まって16-9と再びリード。ところがウェールズは、驚くなかれ、トライ&ゴールを決めて、三度(みたび)同点に追いつくのです。そのシーンで実況を聴いていたら、

「まさにシーソーゲーム」

と言っていました。それが気になりました。

というのも「シーソーゲーム」というのは「シーソー」のように、ギッタンバッタン、

「抜きつ、抜かれつ」「逆転に次ぐ、逆転」

の試合を指すのではないでしょうか?この試合は、白熱の大熱戦ですが、

「ウェールズは一度もリードを奪っていない(逆転していない)」

のです。

「クロスゲーム」

とは言えても「シーソーゲーム」とは言えないのではないかな、と思いました。

(2019、10、28)

2019年10月29日 20:09 | コメント (0)

新・ことば事情

7247「フーディー」

(書きかけでほおっておいたら、もう半年も経ってしまいました...)

2019年4月9日の「ヒルナンデス」のファッションコーナーで、

「フーディーvsジャケット」

というのを、山口もえさんと南明奈さんでやっていました。この、

「フーディー」

という言葉、初めて見ました。

「フードが付いたジャケット」

ということかな?

ネット検索したら、「フーディーとパーカーは何が違う?大人女子的フーディーコーデ9選」というサイトが。https://toplog.jp/853007

それによると、「フーディー」とは、

「襟の後ろにフードが付いたスウェットなどのトップスのこと。」

と書かれていました。要するに

「パーカ」

と同じアイテムを指しているそうです。それならそういえばいいのに!

この「パーカ」は、

「パーカー」

と語尾を伸ばして呼ばれることが多いですね。NHKの新アクセント辞典も、それを認めていますが。

それがここ数年、「フーディー」と呼ばれ始めて、

「今どきで、おしゃれな呼び方」

のイメージになっているのだそうです。

ふーん、要するに「パーカー」なわけね。それがわかれば、おじさんは、いいです。

「フーディー」って、なんだか「食べ物」みたいだな。

グーグル検索(10月29日)では、

「パーカー」=2億6800万件

「パーカ」 =  2580万件

「フーディー」= 1310万件

でした。

まだ「フーディー」は、それほど一般化していないのかな?

いや、「パーカー」に比べたら、ですけどね。

(2019、10、29)

2019年10月29日 20:03 | コメント (0)

新・ことば事情

7246「さん・くん・君」

9月18日未明、さいたま市見沼区の集合住宅で、進藤遼佑君(9歳)の遺体が見つかりました。首を絞められて殺されたものと見られています。痛ましい事件です...。

この被害者の「遼佑くん」ですが、この日の「ミヤネ屋」では、平仮名で、

「くん」

と敬称を付けました。この日(9月18日)の夕刊各紙を見たら、

(朝日)さん

(毎日)さん

(読売)君

(産経)君

(日経)君

と分かれていましたが、平仮名の「くん」はありませんでした。

この話題はこれまでに何度も用語懇談会で話し合われていますが、最近議題に挙がったのは4年前でした。そのときの記録です。

【2015年11月(愛媛・松山)】

小・中学生の男子に対する「さん」と「君」の使い分けの基準は?(宮崎日日新聞・藤本委員)

→(朝日)未就学児は「ちゃん」、小学生からは「さん」で、男子は小学生から高校生まで「くん・君」でも良い。

(毎日)「さん・くん」の明文規定はなし。「ちゃん」は「9歳以下」と規定がある。男子に「さん」を使うことも、ままある。

(読売)『スタイルブック』では、未就学児は「ちゃん」、小学生から男子は「くん」、高校生以上は「さん」。

(日経)「さん・くん」の明文規定はなし。「ちゃん」は未就学児、「くん」は男子・高校生以下。

(産経)明文規定なし。未就学児は「ちゃん」、高校生以上は「さん」。最近、男子の「くん」が減り、「さん」が増えて来ている。

(共同)未就学児は「ちゃん」。小学生でも悲惨な事件では「ちゃん」でも良い。高校生以下は「くん・さん」。最近は、男子でも被害者は「さん」が増えて来ている。このあたりの基準については、今後、改定を検討したい。

(時事)未就学児は「ちゃん」。小学生は、男子は「くん」、女子は「さん」。中学生以上は、男女とも「さん」。

(NHK)『ことばのハンドブック』では、学生・未成年男子は「くん」でも良いとなっている。未就学児以外に「ちゃん」を使う場合は「本人が痛ましい事件の被害者」「愛らしさを強調したい場合」。川崎の事件の被害者の中1男子には「さん」を使った。これまでなら「くん」だった。寝屋川の事件でも、中1男子被害者に「さん」を使った。

(TBS)男子・小~高校生「くん」、大学生「さん」だが、最近は小~高校生に「さん」を使うケースが増えて来た。未就学児と小学生の事件被害者は「ちゃん」だが、少し古いのかも。地方局から「小学校では、男女ともみんな『さん』と呼んでいる。『ちゃん』は違和感がある」との意見もあったので、基準を変える方向で考えている。

(日テレ)未就学児は「ちゃん」、小学生~高校生男子は「くん」、大学生は「さん」。小学生・男子でも「さん」が一般化してきている。関東の小学校では「さん」で統一されているので、どうしても、小学生でも「さん」を使うケースが増える。

(フジテレビ)未就学児「ちゃん」、小学生男子「くん」、中・高生男子は「くん」または「さん」。大学生は「さん」。「さん」が増えているが、「くん」も使う。

(テレビ朝日)ANNでは、未就学児「ちゃん」、小・中学生男子は「くん」、高校生は「さん」だが、「くん」も可。

(テレビ東京)未就学児は「ちゃん」。それ以外は、ケース・バイ・ケース。

(ABC)ANNに準拠。高校野球の選手は「くん」。小学校への「出前授業」では、「男女別なく『さん』で呼んでください」と、先生から言われた。

(MBS)JNN系列なのでTBSと同じ。しかし「中学生以上の男子は『さん』ではないか?」という議論があった。

(KTV)フジテレビと同じ

(ytv)日本テレビと同じ。この件に関しては「放送分科会」で、ことしに入ってから2月と9月にも討議され、意見交換を行っている。いま、呼称(敬称)を見直す時期に来ているのではないか。寝屋川の事件に関しては、中1男子の被害者を「くん」で放送したら、「なぜ『さん』ではないのか?」という視聴者からの意見があった。しかし、最近は「男子か女子か、分からない名前」も増えており、全部「さん」にすると、男子と女子の区別が分かりにくい面もある。

(テレビ大阪)名前での男女区別は、テレビは映像があるのでわかる。

(熊本日日新聞)「くん」の使用は減っている。しかし、そもそも明治時代に「くん」は、年齢の高い、偉い人に使われていたものだから、使っていけないものではないと思う。

(2019、9、18)

2019年10月29日 19:49 | コメント (0)

新・ことば事情

7245「雨量と降水量」

この秋は、台風や豪雨のニュースをお伝えすることが多く・・・去年もそうだった。

千葉の皆さん、被災された皆様お見舞い申し上げます。

やっぱり、これって「温暖化」の影響ですよね。海水温が上がって、台風が次々と発生しているのでは?と思ってしまいます。そのニュースの中で、

「24時間雨量」「24時間降水量」

「1時間雨量」「1時間降水量」

「積算雨量」「積算降水量」

「降り始めから雨量」「降り始めからの降水量」

というように、

「雨量」「降水量」

という似たような2つの言葉が出て来ます。

冬は「雪」も降るので「降水量」のほうが妥当でしょうが、今の季節は「雨」だけだから、

「雨量」

の方が分かりやすいのではないか?

そう思い、会社のウェザールームの気象予報士さんに聞いたところ、

「気象庁は『降水量』を使っていますが、おっしゃるように今の時期は『降水量=雨量』ですから、同じですね」

という回答だったので、それ以降は、原則「雨量」を使うようにしています。

(2019、10、29)

2019年10月29日 19:47 | コメント (0)

新・ことば事情

7244「LVMHの読み方」

フランスの、

「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)」

が、「ティファニー」を買収するというニュースが、10月28日から29日にかけて流れました。それを伝えた10月29日の日本テレビの夕方のニュースで、男性アナウンサーが、

「LVMH」

を、アルファベットのまま、

「エル・ブイ・エム・エイチ」

と読んだのが気になりました。なんか、健康診断で目にする、

「コレステロール値」

のような感じです。この場合は、

「モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン」

と読んだ方がいいんじゃないかなと思ったのですが、通称は「エル・ブイ・エム・エイチ」なのですかね?

ところで「略称のアルファベット」と、「実際の名前」は、

「逆の順番」

になるんですね。

「三井住友銀行」

が、アルファベットだと、

「SMBC」

になるようなものかな?知らんけど。

2019年10月29日 19:40 | コメント (0)

新・ことば事情

7243「月見バーガーのCM」

もう、1か月以上前の話になりますが・・・。

中秋の名月の時期にいつも限定販売される、恒例・Mドナルドの、

「月見バーガー」

のCMの話です。

ことしは、この「月見バーガー」のコマーシャルソングに、私も大好きなアーティスト、

絢香とコブクロを起用し、2パターンあったのですが、どちらも歌っていた曲が、

「三日月」

だったのです!

おかしくないですか?だって、「月見バーガー」ですよ。「月見」は、

「満月」

に決まってるじゃないですか!

なんでまたCMソングが「三日月」なのか?

たとえば「さだまさし」の「まほろば」という曲では、歌詞に「満月」が出て来るのに。他にも探せば「満月」が出てくる曲はあると思うのに・・・と、いぶかしく思っているうちに「お月見シーズン」も「月見バーガー」の販売も終わってしまいました・・・。

(2019、10、29)

2019年10月29日 19:38 | コメント (0)

新・ことば事情

7242「女優か俳優か」

10月24日に八千草薫さんが亡くなったと、きょう(10月28日)報じられました。

88歳でした。謹んでお悔やみ申し上げます。それにしても、若い頃から見た目が全然、変わらないなあ。清楚なまま、年を重ねられた感じがします。

さて、その八千草さんは「女優」か?「俳優」か?

10月28日のネットなどで各社の様子を見てみると、

(日テレ)女優(「news every」)

(NHK)女優(16:17)

(テレビ朝日)女優(16:02)

(フジテレビ)???

(TBS)女優

(朝日新聞)俳優(16:20)

(読売新聞)女優(17:31)

(毎日新聞)女優(15:51、最終18:02)

(産経新聞)女優(16:20)

(日経新聞)女優(15:50、16:33更新)

(スポーツ報知)名女優(15:11)

(スポーツニッポン)女優(15:38、17:49)、俳優(18:35)

(東京スポーツ)女優(17:39)

(日刊スポーツ)女優(16:09)

(デイリースポーツ)女優(16:28)

で、「俳優」を使っていたのは「朝日新聞」と、途中から「スポーツニッポンアネックス」だけで残りはみんな「女優」でした。

翌日(10月29日)の朝刊は、

(読売・毎日・産経・日経)=女優

(朝日)=俳優

でした。

また、29日の朝の各局ワイドショーでは、

(日テレ)名女優

(TBS)昭和の大女優

(フジテレビ)名女優

でした。

「女優」だと、

「名女優」「大女優」

という表現ができますが、「俳優」だと、

「名俳優」

とは言いますが、

「大俳優」

とは言いませんね。

なお、この問題、過去に2012年10月と2017年11月の関西地区新聞用語懇談会で討議されています。その内容を、ここに残しておきますね。

【2012年10月(関西)】

幹事社の朝日新聞から「いわゆる差別用語の使用状況について」というようなアンケートが各社に配られており、その回答の発表と意見交換という形でした。

回答した社は全国紙5社、スポーツ紙4社、通信社2社、テレビ局5社、ラジオ局1社、地方新聞社8社の、合計25社。以下にその結果を記します。※( )内はテレビ局の数、★=ytvの回答。

「規定なし」は「規定はないが、できるだけ使わない」という意味です。

       (使う) (規定有り使わない) (規定なし)

女優   24(5)★    1        0

【2017年11月(関西)】

「女医」に対して「男医」はない。「医師」が普通は「男性の職業」であって、「女性」を例外的と見る呼称とも解釈できる。ただし女性医師の団体として「公益社団法人・日本女医会」はある。「女医会」は「『女医』という名前に違和感を覚える人もいると思うが、創設当時の先達の高い志と情熱を知ってもらえれば」と話している。また「女優」に関しては、映画祭の賞が「女優賞・男優賞」とするように、記事でも「女優・男優」としないとバランス欠くので、男女ともに「俳優」にしていい。最近は女性も「俳優」と表現することが増えている。「大女優」も、「大男優」という表現がないので、避けるべきか?男女共に使えるのは「名優」か?(朝日新聞)

(毎日新聞)読者から「俳優と女優の使い分けについて」の質問が来た。それに対しては元々「俳優」が出来て後から「女優」ができた。実際の女優の中でも「『女優』という呼び名はイヤ!」という人もいれば「『女優』じゃなきゃイヤ!」という人もいる。毎日新聞では、一般的には「俳優」としている。

(共同通信)ことさらに性別に関係ない場合には、一般的には「俳優」「医師」としている。英語を「アクター」で統一してしまうと男か女か分からなくなってしまう。外国の俳優・女優の場合は、外報部が「女優の○○さん」と書いてくることが多い。

(2019、10、29)

2019年10月29日 19:31 | コメント (0)

新・ことば事情

7241「ヒロイン」

ラグビーワールドカップ後に、ネットを見ていたら、

「ヒロインを見せろ」

という文言が出て来ました。

あれ?ラグビーは「男」のスポーツ、

「ヒロイン」

というのは、

「ヒーローの女性版」

ですよね。何のこっちゃ?と思ったら、この「ヒロイン」は、

「『ヒーローインタビュー』の省略形」

として、どうやら使われているようです。

知らなかった!ややこしい省略形ですね!!

もし、女性の選手だったら、「ヒロイン」の「ヒーローインタビュー」だから、

「ヒロインイン」

になるのかな?

グーグル検索では(10月25日)、

「ヒロイン」「ヒーローインタビュー」=6万8000件

でした。

(2019、10、25)

2019年10月25日 19:05 | コメント (0)

新・読書日記 2019_140

『この世を生き切る醍醐味』(樹木希林、朝日新書:2019、8、30)

樹木希林さん、亡くなって早くも1年が経ったが、まだ生きているようだ。本も売れ続けている。この世とあの世の境目に、ずっといるんじゃないかな。

この本、朝日新聞の記者が生前に(当然!)インタビューして、新聞記事に一旦なったんだけど、それを、

「本にしていいですか?」

と希林さんに聞いたら、

「ダメ」

と生前(当然!)言われたそうだ。

しかし、その後、相方の内田裕也さんも亡くなって、それも受けて娘の也哉子さんへのインタビューも収録することで、遺族の許可を得たということで、出版に至ったという、ちょっと複雑な経緯があるみたいだけど、出て良かった、読んで良かったと思いましたね。

もう、そこらじゅう、ページの角、折りまくり、赤ペンで線、引きまくり。

特に也哉子さんの話は初めてだから、希林さんの姿を別の角度から見ることできて良かったです。


star5

(2019、9、20読了)

2019年10月25日 18:58 | コメント (0)

新・読書日記 2019_139

『佐藤優の挑戦状~地頭を鍛える60題』(佐藤優、講談社現代新書:2019、8、20)

読む本だと思ったら、なんと「問題集」だった!

いやあ、大学受験の時以来ぐらいに、頭を使いました。

全60問!

数的推理、判断推理、政治、思想・哲学、経済、地学、世界史、現代文、日本史、社会、文学・芸術、生物、化学、英文、哲学・思想など、あらゆる分野から出題される問題は、佐藤優さんが作ったわけではない、実はこれ、過去の地方上級公務員試験の教養試験の問題なのだそうだ。

佐藤さんによると、この地方上級公務員試験の問題は、実によくできているとのこと。そこで佐藤さん2016年から教えている同志社大学神学部で、2018年度から毎回の講義で1時間程を使って、この大卒向けの一次試験で出題される教養試験の問題を解かせていると。

買ってしまって仕方ないから、私も挑戦しました。読み初めから、随分時間が掛かりましたが、なんとか全問回答して、正解は「33問」。辛うじて半分以上は正解でした。これはでも、覚えてないと絶対無理なのも多いから、勉強しないとだめだな。数学は、時間を掛ければ解ける感じでした。


star4

(2019、10、23読了)

2019年10月25日 18:56 | コメント (0)

新・ことば事情

7240「OKグーグル遊び」

中3の娘が、ソフアに寝転びスマホに向かって何やら繰り返しつぶいています。

耳をそばだてると、

「OKグーグル」

と言っているようです。それに対してスマホの音声が、こう答えていました。

「それは、アシスタント違いです。」

娘に、

「何してるの?」

と聞くと、

「OKグーグルごっこ」

という答え。繰り返し「OKグーグル」と言っているのですが、それに対するスマホから聞こえる音声が、毎回ちょっとずつ違うのです。

「それは別のアシスタントですね。私はSiriです。」

「いいですよ、私は別に気にしていません。怒っていません。」

「それは、リンゴと、リンゴ以外を比べるようなものです。」

「それは、座布団を差し上げるほどではありませんが、面白い冗談ですね。」

おもしろーい!

つまり娘は、音声アシスタント機能の「Siri」に向かって、わざと違う名前の、

「OKグーグル」

と言って、どういう返事が返ってくるかを聞いて遊んでいたのです!ヒマか!

ちょっと意地悪な「一人遊び」です。誰に似たのかな?

(2019、10、25)

2019年10月25日 18:26 | コメント (0)

新・ことば事情

7239「アレキサンダーか?アレクサンダーか?」

10月24日の「ミヤネ屋」の放送で出て来た、来日中のオランダの国王の名前。

きのうの、日本テレビに居るプロデューサーから、

『オランダ国王の名前について「アレクサンダー国王」としていたが、正式には「ウィレム=アレクサンダー」だと外務省から連絡あり。宮内庁は「ウィレム・アレクサンダー」としていたが、今後は「ウィレム=アレクサンダー国王」で統一します。』

と連絡がありました。

しかし、放送では「=」は用いません。今月2日の関西地区用語懇談会でテーマに出し、意見を聞きました(後から。会議が時間切れだったので)そこでの意見は、以下の通り。

****************************************

佳子さまが公式訪問された「オーストリアの大統領の名前」の表記が、「・」が「入る」か「入らない」かで分かれています。ネット検索をしてみたら、

(読売・毎日・産経・共同・時事)ファンデアベレン

(朝日)ファンダーベレン

(日経・テレビ朝日)ファン・デア・ベレン

で、外務省のHPが「ファン・デア・ベレン」です。

9月17日の「ミヤネ屋」の放送ではこの外務省のHPにそろえました。

ドイツ系の名前で「ファン」「フォン」などが入る名前の場合に「・」を入れるか入れ

ないかの基準は、どうされているのでしょうか?

また、「クロード・レヴィ=ストロース」などの「=」は最近見られませんが、「=」の代わりに「・」を入れるのか、それともつなげてしまうのか、そのあたりの事情をご教示ください。

【毎日新聞】基本は1人の名前に「=」を用いない。外国人の姓、名、称号などを区切る際に用いるのは「・」と用語集で規定されている。「=」を用いるのは外国人名を併記した際に使用される場合があるくらいである(ex.サイクス=ピコ協定。そもそもこの語の使用回数自体が少ないものの、それでも「・」の「サイクス・ピコ協定」が多数)。

ファンデアベレンが初出の2016年4月25日付のオーストリア大統領選の紙面では「ファン・デア・ベレン」と「・」ありで登場し26件が過去の記事検索にかかる。そして2019年5月20日付の紙面からはファンデアベレンと表記。こちらは4件が見つかる。南アフリカ出身ではあるが、似たようなつづりのラグビー選手、ファンデルバルト(Van der walt)は初出から「・」なし。オランダ国籍のサッカー選手、ファンデルファールト(van Der Vaart)の29件でも「・」はなかったが、モダニズム建築で有名なドイツ出身のミース・ファン・デル・ローエ(Mies van der Rohe)は6件とも「・」あり。

【毎日新聞】用語集で複数の語で一つの姓、名をなす場合は「・」「=」を使わないとしている。ベトナムのようなミドルネームがある国などは「・」で区切る。「ファンデア」は「出身」の意味だそうなので意味は切れず「ファンデアベレン」でひとつの姓をなしていると考えられる。フランスの姓や名について、ハイフンでつなげているのは一体と考えられるので「・」は入れない。ジャンポール・ゴルチエ、ジャンリュック・ゴダールらの名、サンサーンスやサンテグジュペリと同様レビストロースの姓も「=」も「・」も入れない。

【日経新聞】日経では明文化した決まりはなく、現地の記者の意見や通信社の表記なども参考に個別に判断しています。

「=」についても日経では明文規定はありませんが、何も入れずにつなげることが多いです。

ということで、オランダの国王も「=」

の代わりに「・」にしました。

もう一つ問題が。

きのうまでは、「宮内庁資料」も「外務省HP」にあわせて

「アレキサンダー」

で放送していたのです。それが、なぜか急に、

「アレクサンダー」

に。大体「外務省のHP」は、

「『アレキサンダー』のまま」

です。まずそちらを直すべきではないか?

これについて、東京駐在のOプロデューサーに電話で聞いたところ、

「きのうのメールで『アレクサンダー国王』は間違いで、正しくは『アレキサンダー国王』としていたのを『アレクサンダー』にすると」のこと」

であると。つまり、今回の変更点は2点で、

(1)「キ」→「ク」

(2)「ウィレム・」を付ける。

×「アレキサンダー国王」→〇「ウィレム・アレクサンダー国王」(「=」は使わない)

ということのようです。

そもそも、オランダ国王の正式な名前は、

「ウィレム・アレクサンダー・クラウス・ヘオルフ・フェルディナント・ファン・オラニエ・ナッサウ」

この、最初の所だけを取ったのが、

「ウィレム・アレクサンダー」

というわけ。「羽柴筑前守秀吉」みたいなものか?

ちなみに、スペインの画家・ピカソの本名は、キリスト教の聖人や親戚の名前を並べた長いもので、

「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセーノ・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・

トリニダード・ルイス・ピカソ」

で、略して「ピカソ」です。

あと「王妃」も、きのうまで、

「マキシム王妃」

だったのに、きょうは、

「マキシマ王妃」

に。「英語」から「オランダ語」に変更ということかな?

(2019、10、24)

2019年10月25日 18:25 | コメント (0)

新・ことば事情

7238「陛下・殿下」

10月24日の「ミヤネ屋」の放送前にフリップをチェックしていたら、

「ウィレム・アレクサンダー国王陛下

という表記は。これはダメです!海外の国王」に報道では「陛下」は付けません。

「ウィレム・アレクサンダー国王」

です。「陛下」を付けるのは「天皇」と「天皇皇后」のみです。理由は、

「他国の国王にも『陛下』を付けると、『同列』となってしまい、相対的に天皇の権威が下がるから。」

です。もっとも映画の、

『女王陛下の007』

などは固有名詞なので別ですが。

なお、「陛下」は英語では、「三人称」では、

「男性」は「His Majesty」、「女性」は「Her Majesty」

目の前にいらっしゃったら「二人称」で、

「Your Majesty」

で、映画『女王陛下の007』の英語の原題は、

『On Her Majesty's Secret Service』

で、割と「直訳」ですね。

ちなみに「皇太子殿下」は、

「His Royal Highness」

「妃殿下」は、

「Her Royal Highness」

です。つまり、

「いと、高き所にいらっしゃる方」

ですね。目の前にいらっしゃる場合の「二人称」は、

「Your Royal Highness」

です。現在、日本には「皇太子」はいなくて、

「皇嗣殿下」(=秋篠宮さま)

ですが、「皇嗣殿下」も「His Royal Highness」なのでしょうね。

(2019、10、23)

2019年10月25日 18:24 | コメント (0)

新・ことば事情

7237「サイゼリヤまで」

新社屋に移って、間もなく丸2か月。毎日通る通勤路の途中に、ファミリーレストランの、

「サイゼリヤ」

があります。その手前の、空中通路の天井部分にかかっている横長の広告看板に、こんな文字が。

「サイゼリヤ ここから171歩」

細かいな!

でもこの細かさが、「正確さ」というか「律義さ」というか「ごまかしていませんよ」という「誠実さ」というかが、「行ってみようかな」という気を起こさせるのですね。

「171歩」って近いのかな?本当に「171歩」なのかな?どうせ毎日、前を通って会社に行くのだから、「歩数」を数えてみることにしました。

きのう、実際に歩いて数えたら・・・驚くなかれ、なんと、

「172歩」

だったんです!正確やなあ、この広告!ウソがない!

それがきのうの話。きょうも計ってみたら、

「180歩」

でした。きのうより、店が遠くなってる!...というわけもなく、私の歩幅が狭かったか。こうなったら、毎日数えながら通勤しようかな。なお、その手前には、

「吉野家 ここから40m」

という看板もあるんですが、まさか「メジャー」を持って計るわけにもいかないからなあ。

「歩数」というのは、目の付けどころがいいですね。

昔、JR東京駅の八重洲口に、左右のタクシー乗り場までの距離を示した看板があった話を書きましたが、それとちょっと似てるかな。

「平成ことば事情243 左98米、右64米」も、お読みください。

(2019、10、23)

2019年10月23日 20:04 | コメント (0)

新・ことば事情

7236「寿詞(よごと)のアクセント」

10月22日、天皇陛下の「即位礼正殿の儀」が行われました。

その際、高御座(た/かみ\くら)の中の天皇陛下に対して、国民を代表して首相がお祝いの言葉を述べます。それを、

「寿詞(よごと)」

と言うそうです。知りませんでした。その「よごと」のアクセントは、

「ヨ\ゴト」(頭高アクセント)

「ヨ/ゴト」(平板アクセント)

のどちらか?と「ミヤネ屋」のナレーター・中矢さんに質問を受けました。私は、

「ヨ/ゴト」(平板アクセント)

だと思いますよ、と答えました。「ヨ\ゴト」(頭高アクセント)だと、

「夜毎(よごと)」

と同じアクセントになってしまいますからね。この言葉はアクセント辞典にも載っていませんでした。ツイッターにこの話を書いたところ、

「YouTUbeに、平成2年の現・上皇さまが『天皇に即位』した際の、当時の海部俊樹首相の『寿詞』についてNHKのアナウンサー(たぶん石戸谷アナウンサー)がしゃべってますよ」

と教えていただき、実際にその映像を見てみました。「1990年(平成2年)11月12日」、NHKの男性アナウンサーは、海部首相がお祝いの言葉を述べる前には「2回」、

「ヨ\ゴト」

「頭高アクセント」ではっきりと言っていたのですが、海部首相の「寿詞」が終わったときには、

「海部総理の『ヨ/ゴト』でした」

「平板アクセント」で読んでいたのです。アクセント、どっちやねん?

また「正殿」を、このNHKアナウンサーは、

「セ\イデン」

「頭高アクセント」で読んでいました。これは、宮内庁関係者などのアクセントと同じです。

ことし4月の用語懇談会の放送分科会で、この関連の討議があったので、その部分を張り付けます。

****************************************

(テレビ東京)皇居の「宮殿」の読み方・アクセント。「キュ\ーデン」と「頭高」だと言われるのだが、「NHKアクセント新辞典」には「平板」の「キュ/ーデン」しか載っていないが、各社どうされていますか?

(MBS)「キュ\ーデン」という「頭高アクセント」は「宮内庁の発音」に合わせているのだろう。

(テレビ東京)その通り。

(テレビ大阪)「和風総本家」のナレーションで「キュ\ーデン」と「頭高」で読んだら、視聴者から「キュ/ーデン(平板)ではないのか?」と問い合わせがあったことがある。宮内庁に「どちらが正しいのか?」と問い合わせたところ「どちらが正解とも言えない」と。「では、『キュ\ーデン』と『頭高』で言う人はいるのか?」と聞いても「答えられない」とのことだった...。

(日本テレビ)うちでは「宮殿」も「正殿」も「平板」で「キュ/ーデン」「セ/イデン」としている。宮内庁や皇族・皇室には「上方(京都)のアクセント」が残っているので、「頭高」の「キュ\ーデン」「セ\イデン」になっているのではないか?

(テレビ朝日)ちなみに「正殿」の読みは「セイデン」だが、伊勢神宮のみ「ショーデン」だ。

(MBS)うちは、「"座"禅」と書いたら「うちの宗派では『"坐"禅』だ」というクレームが来たことがある。一般的には「"座"禅」だろう。

(MBS)そもそも日本に「宮殿」はなかった。明治以降のことだ。それ以前は「宮殿」と書いて「くうでん」と読んで、仏壇の中に入れる「厨子(ずし)」のことをそう呼んでいた。明治以降使うようになった「きゅうでん」という呼び方を、「くう」ではないと強調するために、「頭高」で「きゅう」を強調して「キュ\ーデン」と呼ぶのではないか?

ということでした。

(2019、10、23)

2019年10月23日 20:00 | コメント (0)

新・ことば事情

7235「リーチ・マイケルか?リーチ マイケルか?」

ラグビーワールドカップ日本大会で、初のベスト8進出を果たした日本代表の主将、

「リーチ マイケル選手」

は、「日本国籍」を取得していて、

「名字=リーチ、名前=マイケル」

で「姓―名」の順で名乗っています。

この「リーチ」と「マイケル」の間に、各社「・」を入れるか?「・」を入れないか?について、新聞各紙を見たところ、

【「・」入る=×、入らないでスペース開ける=〇、入らないでスペース開けない=●】

(読売)  ●リーチマイケル

(朝日)  ×リーチ・マイケル

(毎日)  ×リーチ・マイケル

(産経)  ×リーチ・マイケル

(日経)  ×リーチ・マイケル

で、全国紙(一般紙)では、「読売新聞」のみ、「・」を入れていませんでした。

スポーツ紙は、

(報知)  ○リーチ マイケル

(日刊)  ×リーチ・マイケル

(スポニチ)○リーチ マイケル

(デイリー)×リーチ・マイケル

(サンスポ)×リーチ・マイケル

と、ほぼ半々に分かれていました。

放送は、私が見た限りでは、

(日本テレビ)○リーチ マイケル

(NHK) 〇リーチ マイケル

(テレビ朝日)●リーチマイケル

(TBS) 〇リーチ マイケル

(フジテレビ)●リーチマイケル

で、スペースを「開ける・開けない」の違いはありましたが、どの局も「・」は、入っていませんでした。調べていませんが、

「トンプソン ルーク」「ラファエレ テキモシー」「レメキ ロマノ ラヴァ」

などの選手についても、同様だったと思います。

また、日本国籍を取得していない外国籍選手 「ピーター・ラブスカフニ」(南アフリカ)「アマナキ・レレイ・マフィ」(トンガ)「ウィリアム・トゥポウ」(ニュージーランド)などは「・」が入って「名-姓」の順でした。

なお、「日本ラグビーフットボール協会」のHPでは、試合登録メンバー23人の内、

https://www.rugby-japan.jp/news/2019/10/18/50209

「トンプソン ルーク」「リーチ マイケル」「ラファエレ ティモシー」「ヴァル アサエリ愛」「レメキ ロマノ ラヴァ」

の5人は「・」がなく、

「ジェームス・ムーア」「ピーター・ラブスカフニ」「ヴィンピー・ファンデルヴァルト」「アマナキ・レレイ・マフィ」

の4人は「・」がありました。

この件に関しては、11月に開かれる「新聞用語懇談会秋季合同総会」で、各社の意見を聞いてみたいと思います。

(2019、10、21)

2019年10月21日 21:19 | コメント (0)

新・ことば事情

7234「『叩く』と『殴る』」

神戸の市立東須磨小学校の教師による教師へのいじめで、

「コピーの芯で尻を叩く」

という表現が出て来ました。しかし、VTRの中のテロップでは、

「尻を殴る」

と出て来ました。ここでハタと考えました。

「叩く」と「殴る」は、どう違うのでしょうか?

思うに、

*「叩く」=物理的な状況。手や手に持った道具で、対象物に物理的力を加える状態。

*「殴る」=暴力的な意思を持って「叩く」という物理的行為を行うこと。

ではないか?

どうでしょうか?

(2019、10、15)

2019年10月21日 21:16 | コメント (0)

新・ことば事情

7233「模試のアクセント3」

「平成ことば事情6102模試のアクセント」と「平成ことば事情6109模試のアクセント2」の続きです。

『狐狼の血』という映画のDVDを見ていたら、クラブのママ役の真木よう子さんが、自分の小学生の息子が、開店前の店のカウンターで勉強しているシーンで、広島弁で、

「来週、模試なんよ」

というシーンがありました。この「模試」のアクセントは、

「モ\シ」

という「頭高アクセント」でした。記録しておこう。

(2019、10、21)

2019年10月21日 20:38 | コメント (0)

新・ことば事情

7232「サイズアップ」

地下鉄の車内で、私の前の座席に並んで座った若い男女。おそらく会社の同期と思われます。その若手女性サラリーウーマンの話を、聞くともなしに聞いていました。すると、

「こないだ、研修に自分の部屋着を持って行って、いざ着ようとしたら、入らんへんねん!この1週間ぐらいで『サイズアップ』しててん。」

この話の中の、

「サイズアップ」

が耳に留まりました。これって、

「太った」

をオプラートに包んだ表現にしているんですよね!?

「外来語」を使うことで、ダイレクトさが和らいで、

「婉曲表現」

になる。しかも、

「アップ」

という言葉は「上向き」で「プラスイメージ」がありますから、良い感じですね。

私も使わせてもらおうっと、「サイズアップ」...でも私の場合、

「サイズダウン」

しないことには「プラス評価」につながらないんですけどね...。

(2019、10、18)

2019年10月21日 20:04 | コメント (0)

新・ことば事情

7231「運休と運転取りやめと運転見合わせ」

台風19号の襲来を控えた10月11日(金)に出た疑問は、

「『運休』と『運転取りやめ』は同じか?違うのか?」

ということでした。

放送上の答えは、

「同じ」

にしました。

厳密に言うと、

*「運休」=「運行(航)休止」あるいは「運転休止」の省略形。

「運行(航)休止」は「ダイヤ編成上」の見方。

「運転休止」は「現場サイドの電車の運転士」の見方。利用者にとっては「どちらも電車が止まる」ということで同じ。

*「運転取りやめ」=予定していた運転を途中で、あるいは、あらかじめやめること。これも「電車が止まる」という意味では、利用者にとっては「運休」と同じ。

と考えました。

この2つの言葉に「運転見合わせ」を加え、その違いについて、関西の私鉄関係者(運転士ではない)に聞いたところ、

「鉄道用語では、もちろん違いがある。『運転取扱心得』にはちゃんと書かれていると思うが、残念ながら私は所持していない。私の感覚から申し上げると、

*『運休』=文字通り運転を休止することだ、あらかじめ決まっていることに使われることが多い。」

*『運転取りやめ』=もともと運転している列車、あるいは予定の列車を何らかの理由により、その時点で運転を取りやめること

*『運転見合わせ』=運転再開を前提とした一時的な運休

とのことでした。

つまり、「運休」と「運転見合わせ」の違いで言うと、「運休」はもう完全に「休み」、それに対して「運転見合わせ」は、

「今は運転できていないが、条件が整ったら運転を再開するつもりである」

という姿勢があるようですね。

(2019、10、15)

2019年10月21日 19:53 | コメント (0)

新・ことば事情

7230「停電は『戸』か?『軒』か?3」

「平成ことば事情6943停電は戸か?軒か?」「平成ことば事情6958停電は戸か?軒か?2」の続編です。

9月9日の放送で、「台風15号」で停電した家の数が、

「約90万軒」

と出て来ました。停電した家の数は、

「戸」

だろうと思って直したところ、ディレクターから、

「東京電力のホームページは『軒』なんです」

と言われました。調べたら、確かにそうでした。放送を見ていたら、

(テレビ朝日・日本テレビ)=「軒」

でした。

(NHK)=「戸」

でした。新聞は、

「読売・日経・産経」=「軒」

「朝日・毎日」=「戸」

でした。従来は「戸」だったと思います。

一軒家は「軒」でも、いいかもしれませんが、マンションやアパートなどの集合住宅に「軒」は合わない気がします。

ちなみに去年、関西を襲った「台風21号」の際には、

「関西電力」=「軒」

「中部電力」=「戸」

「四国電力」=「戸」

でした。

これに関して、9月20日に名古屋で開かれた「新聞用語懇談会放送分科会」で、各社どのように対応されているかを聞いてみました。

(NHK)2016年1月、「停電」に関して、それまでの「世帯」から「戸」に変更した。電力会社に問い合わせたところ、契約には「自動販売機」や「倉庫」等「人が住んでいないもの」もカウントしていることが分かったため、「人が住んでいる」イメージの「世帯」をやめて「戸」にした。「東京電力」と「関西電力」の発表は「軒」だが。

(日本テレビ)東京電力のHPの発表が「軒」なので、それに合わせている。「戸」に変更すると、視聴者が混乱するのではないかと。経済部が電事連(電気事業連合会)に聞いたところ、「軒」は「戸」と同じ概念でどちらでも良いと。ただ「一軒家」で「2世帯住宅」だと、契約件数としては「2件(軒)」になる。慣例として「軒」を使っている、という話だった。

(テレビ朝日)「停電」「断水」は助数詞を統一しようと思ったが、決めきれずに当局(東京電力・水道局)の発表に従っているので、「停電」=「軒」、「断水」=「戸」になっている。

(TBS)テレビ朝日と同じ。

(テレビ東京)東京電力のHPに合わせて「軒」にしているが、違和感があった。しかし「契約件数」か「建物の数」かの裏取りができないので、東京電力の発表通り「軒」にしている。

(ABC)電力会社の発表に合わせる。

(MBS)ラジオニュースのデスクの判断。マンションやアパートなど「集合住宅」もあるので、「戸」のほうが「世帯」に近くてわかりやすいので、「戸」にしている。

(KTV)揺れがあるが、今回は「世帯」を使っている。

(テレビ大阪)発表で「軒(ゲン)」。あまり厳密には考えていないが、その時の記者・デスクの判断。

(共同通信)「戸」「軒」。「停電」に関しての決まりはない。「台風15号」については、翌日の9月9日(月)は「停電」が「(92万)軒」、10日(火)の「断水」は「戸」と混在。契約新聞社から「停電と断水で『軒』と『戸』が混在していて良くない」と指摘を受けて、翌日は「戸」に統一した。災害関連の被害件数の助数詞には「棟・戸・軒」があるが、「停電・断水」の使い分けは、「戸」に統一すればよいと思っている。

(時事通信)使い分けはしていない。

「停電」の記事の5年間の検索で、

「軒」=31件

「戸」=112件

だった。

その後、10月2日に開かれた「関西地区新聞用語懇談会」でも、放送分科会での討議を踏まえて同じ質問をしてみました。実は9月9日から1週間で、新聞は、

「読売新聞以外は全て『戸』」

に変更されていたのです。そのあたりも伺いたかった。

ちなみに電力会社のHP、全電力会社を調べてみたら、

*「軒」=東京電力・関西電力

*「戸」=北海道電力・東北電力・北陸電力・中部電力・四国電力・中国電力・九州電力・沖縄電力

また、「断水」の場合についても「戸」か「世帯」か「軒」か?聞いてみました。

各社の回答は以下の通りです。

(日経)ご指摘のように、当初の「軒」から「戸」に変えた。決まりはない。当初、東京電力の発表に合わせて「軒」にしていたが、共同通信が「戸」だったので9月12日に「戸」にそろえた。弊社の記事には、共同通信配信の記事もあるので。

(共同)加盟社の会議が今月下旬にあるのだが、その事前アンケートでも同じ趣旨の質問があった。最初は「東京電力の発表」に合わせて「軒」にしたが、その後「戸」に変更した。後から出て来た「自治体の発表」では、「停電・断水」は「戸」だったため。「軒」は「建物」の数。「戸」は「住居」や「事務所」を含む。「マンション1棟」の中にある「30戸」を「30軒」とするのは、やはりおかしいだろう。「事務所」や「商店」は「世帯」ではないので、「戸」がふさわしい。「自販機」が「戸」か?というのは、また別の議論が必要だろうが。

(読売)停電の数の「よりどころ」は「東京電力の発表」なので、それに合わせて「軒」にしている。

(毎日)火事のニュースは「軒」。しかし広範囲に被害が及ぶ場合は「戸」にすることがある。「発表元」にどこまで沿うか、取材状況で変更することはある。

とのことでした。

さらにその後、10月16日の朝刊を見たら、読売新聞が、それまで、

「軒」

で表していた「停電」の数を、

「戸」

で表していました。台風15号で停電が発生した千葉県は「東京電力」の管轄だったので、東京電力の発表通り、

「軒」

としていたのですが、千葉の自治体は、

「戸」

で発表していました。

今回は、「戸」で発表している「東北電力」や「中部電力」の管轄地域でも停電が発生したため、同じ紙面の「停電の数を表す助数詞」が、地域によって違う(電力会社が違う)からと言って、

「『軒』と『戸』に分けることの意味がない」

と判断したのではないでしょうか?

逆に、10月16日の日本テレビ「ニュースzero」は、全部の電力会社の停電を、

「軒」

で統一していました。それも一つの判断ですね。東京電力で「軒」で始めちゃったから。

しかし、これで10月16日の朝刊の時点で「読売・朝日・毎日・産経・日経」の5紙は、

「停電」は「全紙」、

「戸」

「断水」は「朝日」のみ、

「世帯」

で、他の4紙(読売・毎日・産経・日経)は、

「戸」

ということになりました。

読売テレビ「ミヤネ屋」は、台風15号の最初の何日かは、揺れがありましたが、その後は一貫して「停電」も「断水」も、

「戸」

で放送しています。

(2019、10、17)

2019年10月21日 19:24 | コメント (0)

新・ことば事情

7229「アン・サン・スー・チー氏の表記」

7年前の2012年5月に書いた「平成ことば事情4711アウン・サン・スー・チー『氏』か?『さん』か?」の関連です。

2019年10月22日の天皇陛下即位の礼に参加するため各国から政府関係者や王族が来日しますが、それに合わせて安倍首相も各国首脳と会談を行う予定です。その1つとして、きょう(10月21日)の午前、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家最高特別顧問と会談するということを「ミヤネ屋」で放送するためにチェックをしていた際、

「『アウン・サン・スー・チー』の表記で、『・』が入る場所は、これで良かったんだっけ?」

と思い、過去の事例を検索したところ、2017年12月26日に「ミヤネ屋」スタッフに送ったこんな、メールが出て来ました。

【表記注意】×「アウンサンスーチー」→○「アウン・サン・スー・チー」

「ロヒンギャ」問題で出て来る、ミャンマーの、

「アウン・サン・スー・チー国家顧問」

の表記ですが、日テレは「・」が全部入ります。

9月8日の日テレ「ZERO」で確認しました。

ちなみに新聞は、各社表記が分かれていて、2012年4月の用語懇談会で聞いたところ、「・」を入れないのは「朝日と毎日」。他社は「・」が入ります。

(読売)「アウン・サン・スー・チー氏」

(産経)「アウン・サン・スー・チー氏」

(日経)「アウン・サン・スー・チー氏」

(共同)「アウン・サン・スー・チー氏」

(朝日)「アウンサンスーチー氏」

(毎日)「アウンサンスーチー氏」

です。毎日新聞が「・」をはずしたのは「1996年7月」と古く、その理由は、

『ビルマ語・ミャンマー人の名には、名字と名前の区別がない。この決定以前に、スーチーさんに「ビルマからの手紙」という原稿を頼んだ際、本人と通訳から、「『・』を外してほしい」という要望があり、その原稿に関しては「・」を外した。それが一般記事にも及んで「・」を外すようになった。』

とのこと。朝日新聞も「2011年1月」から外したそうです。

また、NHKも「・」なしで放送しているそうです。

やっぱり、「キーワード検索」で一発で出て来る過去のデータは、参考になるな!

(2019、10、21)

2019年10月21日 19:21 | コメント (0)

新・ことば事情

7228「プッシュ型支援」

政府は、今回の「台風19号」の被災者に対して、

「プッシュ型支援」

を行うことを決めたと10月16日の夕刊各紙に載っていました。この、

「プッシュ型支援」

とは何でしょうか?聞き慣れない言葉です。

「プッシュ=押す」

ですから、逆は、

「プル(=引く)型支援」

ですかね。押してダメなら引いてみな。

記事を読むと、

「被災者の要望を聞く前に、生活必需品などを送りつける支援の形」

のようです。

要望を聞いてからだと、どうしても対応が遅れるので、とりあえず、必要と思われるものを送り付ける。それはそれで、重要なことだと思います。災害救助に「要望があるまで助けない」というのも、人道的におかしな話ですものね。

ただ、ちょっと「押し売り」的な感じですかね?「プッシュプッシュ」は小錦。

ネットの「デジタル大辞泉」では、

*「プッシュ型支援」=被災した自治体からの要請を待たずに、必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に緊急輸送する支援方法。

とあり、「反対語」として、

「プル型支援」

も載っていて、

*「プル型支援」=被災した自治体からの要請に応じて必要な物資を調達し、被災地に供給する支援方法。

また、内閣府のHPでは、

*「プッシュ型支援とは」=発災当初は、被災地方自治体において正確な情報把握に時間を要すること、民間供給能力が低下すること等から、被災地方自治体のみでは、必要な物資量を迅速に調達することは困難と想定されます。このため、国が被災府県からの具体的な要請を待たないで、避難所避難者への支援を中心に必要不可欠と見込まれる物資を調達し、被災地に物資を緊急輸送しており、これをプッシュ型支援と呼んでいます。

とありました。

グーグル検索では(10月17日)

「プッシュ型支援」=7万9000件

「プル型支援」  =  1010件

でした。

「プル型支援」という言葉は、ほとんど取り上げられていませんね。これは、要請があってから支援を行うのは「これまでの普通の形」なので、これを指して「プル型支援」を取り上げるケースは少ないのでしょう。

「新しい形(言葉)」として「積極的な国などの支援」が注目されていることから、「プッシュ型」に注目が集まり、「プル型」との検索件数の「非対称」が生じているのではないでしょうか。

ただ、その予算総額が7億1000万円というのは、少し少なすぎるのではないか?という気もしますが、緊急支援の額としては妥当なのでしょうか・・・。

2019年10月18日 18:55 | コメント (0)

新・ことば事情

7227「ハピクル」

サントリー「ほろよい」のCMを見ていたら。

「あ、あの味や」

という思わせぶりな台詞。最後には一言、黒木華さんが関西弁イントネーションで、

「好きっ。」

と言う、

「ハピクルサワー」

というお酒のコマーシャル。好きなCMです。

ところでこの、

「ハピクル」

というのは、

「ハッピーが来る」

ということかな?

コマーシャルにつられて、買ってしまいました。飲んでしまいました。

「あー、あの味ね!」

と思いました。美味しかったけど。

(2019、10、18)

2019年10月18日 18:52 | コメント (0)

新・ことば事情

7226「ポテチのアクセント2」

平成ことば事情3987「ポテチのアクセント」の続編。

2010年5月に書いてから9年。その後、2012年に「追記2」を書いていますが、久々です。もう9年も経ったのか・・・。

これを書いた後の2010年6月の「新聞用語懇談会放送分科会」で議題として出して、各社の意見を聞いたのですが、その時は、当時は放送分科会に所属していた「静岡放送」の委員から、

「アナウンス部では『ポ\テチ』(頭高)の方が多かったが、ラジオ・スポットCM『ストップ!温暖化』では『ポ/テチ』(平板)と言っていた。」

という意見が出ましたが、他局からは、特に意見は出ませんでしたが、

「放送では『ポテチ』という言葉は出て来ない」

という声も。

「そんなことはないだろう」

と私は思っていたのですが、きのう(10月14日)の日本テレビ『月曜から夜ふかし』で、この「ポテチ」が出て来ました。

「好きなポテチの味ランキングが発表された件」

というお題で、男性ナレーターは、

「ポ\テチ」

というように「頭高アクセント」で発音していました。

それを受けてスタジオで、マツコ・デラックスさんと村上信五も(なぜか村上信五と手越だけ、みんな呼び捨て)、やはり、

「ポ\テチ」

「頭高アクセント」でしゃべっていました。

(2019、10、15)

2019年10月15日 20:08 | コメント (0)

新・ことば事情

7225「『暴風』のアクセント」

約1年前の2018年の10月1日にメモ書きしました。そのまま、ほったらかしにしている間に、また「台風」の季節が来ました。

その時に書いたメモは、

『暴のつく二字熟語は、平板が本来?

暴言、暴論、暴投、暴騰は平板、

暴力は頭高。

風フーが後ろにつく二字熟語のアクセントは?

台風中高アクセント。

強風は平板アクセント。

暴風は?』

というものです。

問題は「暴風」のアクセントは、

  1. ボ/ーフ\ー(中高アクセント)

  1. ボ/ーフー(平板アクセント)

のどちらか?というもの。

『NHKのアクセント辞典』は、以前は、

  1. ボ/ーフ\ー(中高アクセント)

しか認めていなかったのですが、2016年5月に出た新しいアクセント辞典では、

  1. ボ/ーフ\ー(中高アクセント)

  2. ボ/ーフー(平板アクセント)

の両方を認めたのです。

実は最近「(2)ボ/ーフー(平板アクセント)」で読むアナウンサーが増えているように感じるのですが、その理由の一つは、

「中高アクセントの『(1)ボ/ーフ\ー』だと、『暴風雨(ボ/ーフ\ーウ)』と区別がつきにくい」

という理由によるものだそうです。

たしかに、それもわかるけど、「暴風」は「台風(タ/イフ\ー)」と同じ、

「(1)中高アクセント」

を私はお勧めしたいです。あ、もちろん「暴風」は来ないでほしいのですが。

(2019、10、15)

2019年10月15日 20:05 | コメント (0)

新・ことば事情

7224「在来線」

「ミヤネ屋」のOディレクターから質問を受けました。

「『在来線』というのは『JRだけ』でしょうか?『JR在来線』とすると重複でしょうか?」

あんまり考えたことはなかったけど、よく考えてみれば、答えは、

「YES」

ですね。「在来線」というのは、1964年「東京オリンピック」の際に、

「新幹線」

ができたことで、初めて出て来た(できた)できた言葉です、たぶん。何せ、

「新・幹線」

なのですから。線路の幅も、これまでよりも広いし。旧来の線は、

「従来からある線」

ということで、

「在来線」

と名付けられ、当時の「国鉄」から、現在の「JR」に至るまで使われていると考えられます。

ただ、もう普通名詞として使われているので、『広辞苑』を引いても、

「在来線=同一区間の新しくできた鉄道線に対して、それまであった線。特に、新幹線に対して昔からの線。」

と出ていますし、『新明解国語辞典』も、

「在来線=(新しく開通した新幹線などに対して)(ほぼ)同一の区間にあるそれまでの鉄道路線の称」

と、やはり「新幹線」に言及しているものの、それに限定はしていません。『精選日本国語大辞典』では、

「在来線=同一の区間に新しく別の鉄道線路が改行した場合、従来からの鉄道線路をさす呼称。たとえば、東海道、山陽などの新幹線に対して、従来の本線を呼称する。」

と、これも詳しく載っています。『新潮現代国語辞典』は、

「在来線=鉄道などで、新設の路線に対して、すでに敷設・運行されている路線」

と「新幹線」を使わずに説明。これだと「私鉄」でも使えるような感じです。

『三省堂国語辞典』は「見出し語」としては載っていませんでしたが、

「在来=今まで(あったこと)」

の用例として「在来線」が出ていますが、これは見出し語にした方が、いいのではないでしょうか?『現代国語例解辞典』『岩波国語辞典』も同様です。

『新選国語辞典』も「在来」しか見出しになく、用例も、

「在来線路の廃止」

というように「在来線」ではなく「在来線路」と、微妙に違う。

『三省堂現代新国語辞典』も「在来」しか見出しになく、用例も、

「在来線の廃止」

これは『新選国語辞典』の用例とは「線路」か「線」かの違い(「路」があるかどうか)ですが、どちらも「在来線(路)」は「廃止」という用例なのですね・・・。在来線も頑張っているのに!!そんなに「新しい」のが良いの?

といったことに注目していたら、10月14日のNHKのお昼のニュースで、仙台局からの台風19号の被害に関するニュースで、

「JR在来線」

とテロップが出ていました。「在来線」と「JR」は重複ではないのか?

ナレーションは「在来線」だけだったと思います。

(2019、10、15)

2019年10月15日 20:04 | コメント (0)

新・ことば事情

7223「カロート」

9月19日の「ミヤネ屋」で放送の「スズメバチ駆除」の原稿の下読みをしていたナレーターさんから、

「『カロート』という言葉が出て来るんですが、アクセントはどう読めばいいでしょうか?」と質問を受けました。

私も初めて聞いた言葉です。専門用語でしょう。何語かな?ネット検索してみると、出て来ました。

『カロートとは、お墓の中にご遺骨を納めるための場所のことです。多くの場合カロートはお墓の地下に設置されていて、拝石によって蓋がされています。納骨の際には拝石をずらすように移動させて骨壺を納めます。ですが近年、費用が安いことや雨水がたまらないなどのメリットがあることから地上にカロートが設置されているお墓も増えています。

そして、墓所の区画が狭い墓地・霊園ではほとんどの場合カロートは地上に設置されています。一見英語のようですが語源は日本語で「かろうと」「からうど」とされており漢字では「唐櫃(からひつ)」と書きます。』

え!日本語なの!そして何と「精選版日本国語大辞典」「大辞林・第四版」「広辞苑」「新明解国語辞典」には載っていました。特に「新明解国語辞典」にはアクセントも「2」と書いてありました。つまり、「第2音節(第2音)」にアクセントの山がある、

「カ/ロ\ート」

ですね。また一つ、勉強になりました。

(2019、9、19)

2019年10月15日 18:15 | コメント (0)

新・読書日記 2019_138

『名もなき家事~やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。』(梅田悟司、サンマーク出版:2019、9、20)

「名もなき家事」

何だか「ミスチル」の曲名みたい。その後がやたら長いけど。

別の場所でこの著者の名前を知って、どんなことを書いているか興味を持って読んだ。

結論から言うと、着目点は面白いけど、それほどの広がりがあるようには感じられなかった、という感じ。

著者は、電通勤務時代に「育児休暇」を取ってみて、「主婦」が行っている「家事」の大変さに改めて気付き、「炊事」「洗濯」「掃除」「ゴミ捨て」「育児」ぐらいの大まかな分類を、さらに細かい作業全部に名前を付けることで、家事の大変さ、それを文句ひとつ言わずに行っている主婦の素晴らしさを再評価していこう!という狙いは、とっても良いと思いました。


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(2019、9、26読了)

2019年10月14日 19:49 | コメント (0)

新・読書日記 2019_137

『架空通貨』(池井戸潤、講談社文庫:2003、3、15第1刷・2019、5、17第57刷)

池井戸潤で読んでいなかった一冊。もっとも、単行本で出たのは2000年。初期の作品で、タイトルも「M1」というものだった。「M1」と言っても漫才のトーナメントではない。日本銀行による「通貨供給量の指標」の一つ。漫才の「M1」は2001年スタートだから、この本が出た時には、まだ「お笑い」のイメージは全くついていなかったのだろうが、いまや「M1」は「お笑い」である。それもあって改題したのか?文庫本が出たのは2003年、「お笑い」の「M1」が定着してきた頃。でもこの「架空通貨」というほうが、現在出て来ている「仮想通貨」(「暗号資産」と言い換えられてきているが)と似ていて興味が湧いた。しかも話の中に「リチウムイオン電池」を巡る「リチウム鉱山」が出て来る。おお、ノーベル化学賞受賞決定の吉野彰先生の話とピッタンコ!期せずして何と時流に乗った一冊なのだろう!それを今読む私もビンゴですね!(何が?)

それにしてもこの文庫本、

「57刷」

ですよ!

16年以上にわたって売れ続けている、ものすごいロングセラーではないですか!

460ページもあるけど夢中になって読みました。疑問点は一つ、

「学校の先生なのに、夏休み中とはいえこんなに学校を休んで捜査のようなことをしていていいのか?」

という点ですね。

勉強になったのは、「私募債」。ちょうど、きょう(10月14日)辞任を発表した韓国の曺国(チョグク)法相にかかる疑惑の一つに、この「私募債」がありました。引用すると、

「社債には公募債と私募債という二つの種類があんだ。公募債というのは名前の通り、不特定多数の人たちから資金を集めるもの。これに対して私募債は別名"縁故債"とも言って、取引先や銀行のような特定の相手から資金を募る。」(82ページ)

「公募債のほとんどは、財務内容を公開している上場企業が発行するものだ。だから、公募債はいわゆる債権として株式と同じように証券市場で売買される。ところが田神亜鉛は上場も店頭登録もしていない未公開企業だ。つまり、財務内容を公開していないから、一般投資家に正確な業績はわからない。こうなると不特定多数の人たちから資金を集めるというのはほとんど無理なんだよ。投資家は未公開企業の社債なんか見向きもしない。だから私募債に頼るしかない。」(83ページ)

「これはーーーー少人数私募債だ」

「銀行や証券会社を通さないで発行する社債の一種さ。中小企業のような未公開企業の直接金融が可能になるんだ。取締役会決議だけで発行できる」

「たしか、資金の出し手が五十人未満、つまり四十九人までと限定されてるから少人数私募債と呼ぶんだ。利率などの発行条件は企業が独自に決められるが、その際、引受人に銀行や証券会社がいないことが前提になる」

「とくに中小企業経営者にとっては夢の社債さ。私募債は元来、銀行の手数料稼ぎという性格が強かったんだ。融資すれば済むところを銀行が提案して私募債の形を採る。すると、金利の他に幹事を務めることでばかにならない手数料が銀行に落ちるというわけだ。だが、田神亜鉛の社債は違う。まさに本物の直接金融と言っていいだろう。」(84ページ)

これを読んだら、よくわかりました。

それ以外のメモ。

・辛島はひとりごちた(28ページ)

・(黒沢真紀を)探すのは無理だし(29ページ)*〇「捜す」

・T字路になったその場所に立って辛島は(69ページ)*「T字路」

・窓一杯に広がっている黒雲の立ち籠めた空模様だ。(77ページ)*〇「垂れこめた」

・満天の星明りの下で(80ページ)*「満天の〇〇」

・「役席者が転勤になって、今日はその送別会だそうですよ。銀行というところは、いくら忙しくても宴会だけはきっちりやるところらしいですね」(113ページ)=*池井戸潤の銀行勤務時代の感想、そのままだろう。現実の話だな。それにあきれている。

・手提げ鞄からマニラ封筒を取り出した。(114ページ)*「マニラ封筒」??

・田神札をカルトンに置き、支配人を見る。緑色のカルトンはさんざん使われて中央付近が丸くすり減っていた。(123ページ)*「カルトン」=お札・お金を置く皿ですかね?銀行用語ですね。

・車のシャシーが揺れた(127ページ)*「シャシー」→「シャーシ」ではないのか?と思って『広辞苑』『新明解国語辞典』『精選版日本国語大辞典』を引いたら「シャーシー」。『新聞用語集2007年版』は「シャシー」。『デジタル大辞泉』は「シャーシー」が見出しだが、『「シャシー」「シャシ」とも』

と書いてあった。

・「お医者はなんて」「ノイローゼの症状だっていうんです」(128ページ)*「ノイローゼ」

・「東側に位置する最も急な坂道が男坂だ」(144ページ)*男坂・女坂

・「マネーロンダリング(マネロン)」が完了するまでには3つの段階がある。

(1)プレイスメント(隠匿)(2)レイヤリング(ろ過)(3)インテグレーション(同化)

(305~306ページ)

→あ!もしかしたら曺国(チョグク)法相の「私募債」も「マネーロンダリング」に関連しているのでは?

・辛島はあっと口を開いたまま、二の句を忘れた(330ページ)*「二の句が継げなかった」なら知っているが「二の句を忘れた」は初めて目にした表現。

・「やった方は忘れてもやられた方はずっと覚えているもんだ」(338ページ)*そうそう、何事も。韓国も、きっと。

・「報せようと思ったんだが」(338ページ)*「しらせよう」と読ませるのだろうな。ルビなし。

・男はマイクを投げ、両手で総務部長の胸ぐらを掴んだ。肉声は辛島のもとへも届いた(395ページ)*本来の「肉声」の使い方。

勉強になりました!


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(2019、10、10読了)

2019年10月14日 19:47 | コメント (0)

新・読書日記 2019_136

『ロベルトからの手紙』(内田洋子、文藝春秋:2016、8、10)

内田洋子さんのイタリアを舞台としたエッセイ、というか短編小説だと思います、もう。

ノンフィクションなのに、フィクションのような見事な仕上がりは、

「事実は小説より奇なり」

を地でいくお話。短編なのに、どんでん返しのような結末が見事。そんなお話が、13編載っています。

表紙の写真は「人間の右足」に「翼」がついている木彫りの彫刻。最初、何でこんな表紙なのか、気付かなかったが、「足」はそう、「イタリア」なのですね!それに「翼」が付いてはばたくけれども、「イタリアの足元」の話。うーん、しゃれてるなあ。

よく見ると、帯にちゃんと、

「イタリア半島じゅうを回り、まだ知られていないこの地の暮らしを見つけて皆に伝えていきたい。そう思いながら住み続けて集めた<イタリアの足元>の話です。」

と書かれているではないですか!

なんか、本当にこんなお話があるんだなあ、イタリア。


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(2019、10、1読了)

2019年10月14日 19:40 | コメント (0)

新・読書日記 2019_135

『昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』(大塚ひかり、草思社文庫:2016、12、8)

長くて面白そうなタイトルの割には、タイトルの答えが、思った以上にシンプルで当たり前だった。それなのに、読み進んでもそれの繰り返しのようなので、読んで行ってどんどん「それで?それで?」

というスピード感はない。最初の方で、もう目的地についてしまって、そこをぐるぐる回って「ほら、着いたでしょ」と言われているような冗長さを感じた。

言いたいことはつまり、

「昔も年寄を、それほど大切になどしていなかった。それどころか、役に立つ年寄は重宝したが、それ以外の年寄は平気で『姥捨て』していた」

ということですね・・・昔の方が残酷だったのかも。

そんな昔に、皆さん戻りたいですか?


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(2019、9、16読了)

2019年10月14日 19:39 | コメント (0)

新・ことば事情

7222「千曲川と阿武隈川」

今回の「台風19号」で亡くなられた方・遺族の方、家に被害を受けられた皆さん、お見舞い申し上げます。

年々、台風の被害が大きくなり、しかも、たびたび日本列島を襲ういうのは、やはり温暖化の影響なのでしょうか?

今回の豪雨で氾濫して甚大な被害を与えた長野県の、

「千曲川」

と、福島県の、

「阿武隈川」

ですが、この文字を「読んで」みて、ふとひらめきました。

「ちくま」「あぶくま」

共に語尾が、

「くま」

ではないですか!

もしかしたら、漢字は違うけど、この「くま」は「同じ意味」なのではないだろうか?と。そういえば九州には、

「球磨川」

がありますが、あれも「くま」だな、漢字は違うけど。もしかして「くま」という言葉は、

「曲がりくねった」

という意味なのではないか?

『精選版日本国語大辞典』を引いてみると、

*「くま【隈・曲・暈・阿】」

=(一)他と境界を接する地点、奥まった場所をいう。

  1. 道や川などの折れ曲がっている所。曲がりかど。

  2. 奥まったところ。物陰。かたすみ。

(以下略)

と載っていました。やっぱり!「曲がる」という意味があるんだ!

漢字も「隈」「曲」に「曲がる」という意味があり、また「阿武隈川」の、

「阿」

「くま」という読み・意味があるんですね!

そしてそれが「武」=「たけり狂う」ほど激しい川なんだ、「阿武隈川」は、きっと。新潟の「阿賀野川」の「阿」も、そういう意味かな?

そう考えて「川の名前」に注目すると、また見方が変わるかもしれませんね。

(2019、10、14)

2019年10月14日 19:35 | コメント (0)

新・ことば事情

7221「禁制品と金製品」

大阪の地下鉄(大阪メトロ)車内のアナウンス。駅名のアナウンスの際に、

「次は心斎橋、心斎橋、『キンセイヒン』買い取りの〇〇前です」

と言っているのが耳に入りました。それを聞いて、

「え!『禁制品』を買い取りしてるの?」

と思ってしまいました。もちろん、そんなわけはなく「キンセイヒン」というのは、

「金製品」

でした。「禁制品」ではなく。

なぜ、そんな聞き間違いをしたかというと、「キンセイヒン」のアクセントが、「平板アクセント」で、

「キ/ンセイヒン」

だったんです。これだと「禁制品」になりますよね。

「金製品」に聞こえるためには、

「キ/ンセ\イヒン」

という「中高アクセント」にすべきですね。

(2019、10、14)

2019年10月14日 19:34 | コメント (0)

新・読書日記 2019_134

『言い訳~関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(ナイツ 塙宣之・聞き手=中村計、集英社新書:2019、8、14第1刷・2019、9、24第4刷)

いわゆる「語りおろし」かな。

サブタイトルの「関東芸人はなぜM-1で勝てないのか」をタイトルにしてもいいような内容。もしくは「僕がM-1で勝てなかった理由(わけ)」とか。

ナイツの塙のM-1への思い、そしてチャンピオンになれなかったM-1の舞台へ「審査員」として10年ぶり?に戻ったという感慨。まるで高校球児が甲子園へ監督として戻ってきたような憧れ、思い。お笑いとはM-1の求める笑いとは?について語っていて、非常に興味深い考察でした。


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(2019、10、4読了)

2019年10月14日 10:59 | コメント (0)

新・ことば事情

7220「昆活」

地下鉄の駅に置いてあったチラシに目が留まりました。そこには大きな文字で、

「昆活しようぜ!」

と書かれていたのです。

「コンカツ」

と読むのでしょうね。

20191011.jpg

でも、同じ発音の、

「婚活」

とは全然違いますね。

「昆虫を知る」「昆虫を学ぶ」「昆虫を採る」

これが「昆活」のようです。

グーグル検索では(9月11日)

「昆活」=11万3000件

でした。

(2019、9、11)

2019年10月11日 18:52

新・ことば事情

7219「細かくなりますが」

コンビニで、数百円の買い物をして「一万円札」を出しました。

すると、日本人の店員さんが、

「細かくなりますが、ごー、ろく、しち、はち、きゅー。」

と言ってお釣りをくれましたが、ちょっと「あれ?」と思いました。

「細かくなりますが」

と言われたので、当然、

「千円札9枚」

でお釣りをくれると思ったのに、

「ごー、ろく、しち、はち、きゅう」

と、いきなり「ごー」。つまり、お釣りの中に、

「五千円札」

が入っていました。全然、細かくないじゃん!

自分がしゃべった言葉、「細かくなる」の意味が、わかっていないんだな。

それとも、五千円札1枚と千円札も4枚で、

「お札が5枚になることが『細かくなる』だと思っている」

のかな。でも、それ以上「大きく」できないでしょ!普通じゃん!

五百円玉で18枚とか、百円玉で90枚とか、十円玉で900枚なら、

「細かくなりますが」

の意味がわかるけど。受け取りませんが。頭の中は、

「???」

で一杯になりました。

(2019、10、11)

2019年10月11日 18:38 | コメント (0)

新・ことば事情

7218「ラグビーの『ジャージー』のアクセント」

ラグビーワールドカップ「ベスト8」進出に向けて、スコットランドと激突する「日本代表、やってくれると思います!!

さて、そのラグビーのユニフォームのことを、

「ジャージー」

と言いますね。普通、私たちがよく家の中で普段着として、近所に出かけるぐらいには着ている、はたまた「寝間着」に使ったりしているのは、

「ジャージ」

と語尾の「-」を伸ばさずに、アクセントも「平板アクセント」で、

「ジャ/ージ」

と言うことが多いですね。でも、ラグビーではこれの語尾をしっかりと伸ばして、しかも、アクセントは「頭高アクセント」で、

「ジャ\ージー」

と言います。今回、日本テレビから回って来たラグビーワールドカップに関する用語統一での紙にも、そのことが記されていました。引用すると、

『ラグビーはユニホーム・ジャージではなく「ジャージー」です。アクセントは平板読みではなく、最初の「ジャ」を高く読む「あたまだか」です。』

と、しっかりと書かれていました。

(2019、10、11)

2019年10月11日 18:36 | コメント (0)

新・ことば事情

7217「犠牲」

10月2日に開かれた関西地区新聞用語懇談会で、中国新聞の委員からこんなテーマが出されました。

*「亡くなられた」「犠牲者」

京都アニメーション放火事件にからみ、死者名簿に付けた見出し(タイトル)が、

「亡くなった方々」「亡くなられた方々」「京都府警が身元を公表した犠牲者」

など各紙いろいろだった。「亡くなった方々」は丁寧さに欠ける、「亡くなられた方々」は敬い過ぎ、「犠牲者」は何かの成功の陰で命を失ったというニュアンスもあり不適当、などの議論がある。何がふさわしいのだろう。

しかし当日は、4時間半にも及ぶ討議でも議題が消化しきれず、この議題に対しての討議は「されず終い」でした。

そしてきょう(10月11日)、週末に襲ってくる過去最強クラスの「台風19号」に関して午前11時から行われた気象庁会見で、

「今回の台風は昭和33年(1958)の"狩野川台風"に匹敵する」

というコメントを受けて出た、NHKのニュース速報の字幕及びL次画面で、

「【狩野川台風】昭和33年 静岡や関東 1200人以上が犠牲」

というように、「台風被害での死者」に対して「犠牲」という言葉が使われていました。

「死亡」だと冷たい感じがするということと、

「何の罪もないのに、自然の脅威の前に、なす術もなく亡くなった」

という部分が、

「犠牲」

という言葉を使わせているのでしょうかね。

実はこの言葉に関しては、私も以前、引っかかったことがありました。

・平成ことば事情3340「犠牲者という表現」

・平成ことば事情5376「犠牲」

もお読みください。

そして皆さん、くれぐれも「台風19号」にはお気を付けください。

(追記)

10月12日の各紙朝刊に、京アニ放火事件で10月4日に死亡した24歳の女性の身元が発表されたという記事が出ていました。その見出しと本文は、

(見出し)            (本文)

(読売)36人目の犠牲者の身元発表    36人目の犠牲者の身元について

(朝日)京アニ36人目犠牲者は24歳女性 事件の犠牲者は36人で

(毎日)36人目死者 24歳女性      36人が死亡した

(産経)京アニ36人目犠牲者の身元発表  36人目の犠牲者の身元

(日経)犠牲36人目 24歳の女性     36人目の犠牲者となった

ということで、各社「犠牲者」を使っている中で、「毎日新聞」のみ「犠牲者」を使わずに、

「死者」「死亡」

を使っていました。

(2019、10、14)


(2019、10、11)

2019年10月11日 17:44 | コメント (0)

新・ことば事情

7216「懸命の歩き」

ラグビーワールドカップの対アイルランド戦、「19対12」で勝利!いやあ興奮しましたね!おめでとう!すごいですね。これに浮かれることなく、ベスト8を目指して頑張ってくれると思います。そんな浮ついた感じは、微塵も見せていないですもんね。

さて、そのラグビー勝利のニュースに続いてもう一つ、すごいスポーツのニュースが流れて来ました。カタールのドーハで行われている世界陸上選手権の「男子50km競歩」で、日本の鈴木雄介選手が、金メダルを獲得したのです!おめでとうございます!東京五輪代表も内定しました。

さて、それを伝えた日本テレビの9月29日のお昼のニュースでは、こんなフレーズが。

「懸命の"歩き"を見せた鈴木選手」

え?「歩き」?「走り」じゃないんだ!

そりゃまあ、よく考えたら(考えなくても)、

「競歩」

ですからね。

「走ったら、反則でアウト」

ですから「走り」を見せちゃダメなんだ、「歩き」を見せるんだ。

これはなかなか気付きにくいですね。選手は「歩き」を見せているのに、ニュースで「走り」と原稿を書いたり、しゃべったりしそうですから、周囲が気を付けなければいけませんね。

あらためて、鈴木選手、おめでとうございます!

(2019、9、30)

2019年10月11日 17:22 | コメント (0)

新・ことば事情

7215「ファンゾーン」

ラグビーワールドカップ、盛り上がってますね!(でも女性の50歳以上の方は、あんまり興味がないようですが・・・。)

先日、そのラグビーのニュースを聞いていたら、

「この試合、半蔵門では」

と聞こえたので、

「東京の『半蔵門』にも、何かラグビー関係のものがあるのかな?」

と思ってよく耳を澄ますと、「半蔵門」ではなく、

「ファンゾーン」

でした。なんじゃ?そりゃ?と思って公式サイトを調べてみたら、こんな解説が載っていました。

『ラグビーワールドカップ2019では、全国の開催都市に、どなたでも無料で入場できる「ファンゾーン」が設けられます。ファンゾーンでは、大型ビジョンを使用した試合のライブ中継やラグビー体験コーナーなどのラグビーワールドカップ2019ならではのコンテンツとそれぞれの地域の特色を活かした演出が楽しめます。スタジアム以外でも「一生に一度」となる体験を肌で感じ、大会を楽しんでください。国内外から訪れるファンと交流ができる機会にもなります。』

として、全国の、以下の所に設けられているそうです。

  1. 札幌

  2. 岩手・釜石

  3. 埼玉・熊谷

  4. 東京

  5. 神奈川・横浜

  6. 静岡

  7. 愛知・豊田

  8. 大阪・東大阪

  9. 神戸

(10)福岡

(11)熊本

(12)大分

無料だそうなので、ご興味のある方、お近くの方は行ってみられてはいかがでしょうか。

(2019、10、1)

2019年10月11日 17:20 | コメント (0)

新・ことば事情

7214「男だろ!」

9月15日、マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で、東京五輪のマラソン代表の男女2人の選手が決定しました。

男子の中村匠吾選手は、優勝翌日に27歳の誕生日を迎えました。

その9月16日の「スッキリ」を見ていたら。後輩にあたる駒沢大学のマネジャーが持っていたうちわに、

「男だろ!」

と書かれているのが目に留まりました。

というのも、私の出身母体である「早稲田大学グリークラブ」の新入生勧誘誘の際に、最近使われている横断幕に、

「男なら歌え!」

という文字が掛かれているのが、から気になっていたからです。「早稲田大学グリークラブ」は、

「男声合唱団」

なので、新入生勧誘は「男性」に限られるので、こういったうたい文句になっているとは思うのですが、あまり「男」を強調するのもなあ...と個人的には思っていたのです。

駒澤大学の陸上部でも「男」を強調しているのを見て、大学生の間では「マッチョ」というか「男」を強調することがはやっているのかな?と思った次第です。

(2019、9、16)

2019年10月11日 17:16 | コメント (0)