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『道浦TIME』

新・読書日記 2019_117

『音楽入門』(伊福部昭、角川ソフィア文庫:2016、6、25)

あの「ゴジラ」の音楽を作曲した作曲家・伊福部昭さんが、昭和26年(1951)に書かれた・出された本。それが昭和60年(1985)に改訂、発行され、更に平成15年(2003)に新装版が出た。その際、昭和50年(1975)に行われた著者へのインタビューも収録した。それがまた、文庫本として平成28年(2016)に出たというロングセラー。名著であろう。音楽の本質は変わっていないと思う。その時代、時代の解釈があろうが。

先日「2019読書日記058」で書いた『ゴジラ音楽と緊急地震速報』(伊福部達・監修、筒井信介・著)を読んだので、併せてこれも読んでおきたいなと思って。

「あとがき」より。

「音楽は他の芸術と違って、たとえ作家がどのように作品を書き上げようとも、それは単なる楽譜に過ぎない。いわば単なる設計書に過ぎないのであって、これを音響化するには、演奏という極めて不可解な世界な通過しなければならないのです」

「音楽にあって、作曲と演奏という位、奇妙な関係で結ばれているものを他に知らないのです。(中略)音楽にあってはかなり作品を、かなりな程度に制限し得るということは非常に困難な事柄なのです。シェーンベルクの『期待』という作品は演奏が困難であるために、作品ができてから演奏されるまでに十六年の年月を待たねばなりませんでした」

「音楽の鑑賞にあっても、作曲家の場合と同様に自己の見解の確立のために戦いが必然的なものとなるのです。(中略)ゲーテは『不遜な一面がなくては芸術家といわれぬ』と述べていますが、鑑賞することもまた立派な芸術であることを忘れたくないものです。」


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(2019、8、5読了)

2019年8月25日 18:13 | コメント (0)