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『道浦TIME』

新・読書日記 2019_098

『町山智浩・春日太一の日本映画講義~時代劇編』(町山智浩・春日太一、河出新書:2019、6、30)

「時代劇」はあまり興味がないので、ここに紹介された映画・テレビドラマ「子連れ狼」「宮本武蔵」など、見たことがないものがほとんどだったが、「見たい!」と強く思った。

この本で2人が語り合う膨大な量の「点」としての知識は、深く作品に潜り込んで「線」となり、それが時代を超えて繋がり横に広がって「面」を構成していき、新しい見方が生まれる。その典型例だと思う。

特に、俳優はもちろんのこと、監督、カメラマン、照明さんなどのスタッフの「人物」や、当時の映画会社の経営陣や会社の経営状況に至るまでをよく知り、その人間関係が作品に及ぼした影響まで考えて作品を分析するあたりは、「ふーむ」と唸らざるを得ない。

それにしても春日太一さん、「キネマ旬報」を「全巻」、家に持っているって、プロとは言え、スゴすぎる!


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(2019、7、16読了)

2019年7月17日 18:00