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『道浦TIME』

新・読書日記 2019_075

『ろまん燈籠』(太宰治、新潮文庫:1983、2、25第1刷・2004、8、30第25刷)

2019読書日記071で書いた『二度読んだ本を三度読む』(柳広司、岩波新書)に出て来たので、「そういえば、全部は読んでなかったなあ」と思って、この短編集を本棚から取り出してきて読んだ。

今回は、実は話を読むよりも「言葉チェック」だった。太宰が外来語の表記、特に、

「長音表記」

についてどのように書いているかをチェックしてみました。これは昭和15年(1940年)ぐらいに書かれたものです。

結論から言うと、太宰はあまり「長音符号」の「-」を使わない傾向が見られました。

具体的に挙げます。(数字はページ数)

モンテエニュ(11)

ゲエテ(11)

ビイル(15・188・218・219・236・237・238)

ホオムズ(19)

セエタア(31)

デリカシイ(40)

ピアノのキイ(52)

モオツアルト(52)

メンデルスッゾオン(52)

アアメン(52・53)

ウイスキイ(66)

ロオマンス(66)

ミルクホオル(70)

電車のレエル(71)

シルレルの詩(74)(=ベートーベンの「第九」の歌詞「歓喜の歌」を書いた「シラー」)

二階のホオル(78)

外国のサアカス(78)

バアナアド・ショオ(84)

ビヤホオル(85・188)

ヴェルレエヌ(97・98)

ファン・レタア(132)

純白のシイツに寝る(154)

タキシイ(155)

ラジオニュウス(164)

重大なニュウス(165)

クリイム(167)

銀座裏のバアの前(179)

ニイチェ(183)

つぎのペエジ(183)

ウィスキイ(186・189)

ビエルなど東北訛りが(188)

店のカウンタア(189)

モオニング(249・250・251・252)

ユウモア(260)

<長音符号>

ペーパーナイフ(44)

チョコレート(53)

ヴィクトル・ユーゴー(67)

ビール(97)

ジャンパー(165)

<その他>

グワム空襲(167)

面白いなあ(12)

ばかだなあ(32)

なあんだ(46)

ああ、むずかしい(46)

ということでした。


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(2019、6、6読了)

2019年6月 9日 17:29 | コメント (0)