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『道浦TIME』

新・読書日記 2019_009

『泥海』(陣野俊史、河出書房新社:2018、12、30)

ツイッターで知ったこの本。

パリの同時多発テロの犯人の兄弟たちは如何にしてテロリストになったかを、「小説」の形は取っているものの、ほぼ「ドキュメンタリー」として取材して描いている。

つまりあの事件を起こした背景としての「世の中の流れ」を描いた小説。

この世界がこれだけ生きづらくなっている。どうすれば生きやすい世の中になるのか?の対策の出発点を描いた素晴らしい小説。帯には、

「フランス・パリ・11区を舞台に贈る衝撃のデビュー作」

と書かれているから新人作家なのかなと思って読んだのだが、名前に覚えがなかったから、でもこれまでにも本を上梓しているし、その本を私が読んでいたのだよね。(『サッカーと人種差別』文春新書=2014読書日記116『サッカーと人種差別』(陣野俊史、文春新書:2014、7、20)

しかも彼は1961年生まれの同い年で、さらにしかも同窓の早稲田大学第一文学部卒。同じ青春時代を同じ場所で過ごしていた、知らない人だった。でも、どこかでつながっていたのか!と巡り合わせに感動でした。

これも何かの縁なので、ぜひ一度お目にかかって、一献、かわしたいと思います!


star4

(2019、1、22読了)

2019年1月29日 11:40 | コメント (0)